- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642058063
感想・レビュー・書評
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南北朝時代に活躍した高師直を描いた作品。
悪者イメージが強い師直の事績を追いながら実像に迫っていて興味深く読めました。
特に読み進めている中で観応の擾乱で不明瞭だった部分をエピローグで示してくれてよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
室町幕府初代執事である高師直の伝記。本人だけでなく先祖や一族についても取り上げられていて非常に興味深く読めた。一般的な悪人イメージについては一次資料を挙げつつ反証がなされていて説得力のあるものだったと思う。
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悪玉としての評価が定着してしまっている高師直の、室町幕府の歴史における革新的な役割を執事施行状に着目して明らかにしている。将軍による恩賞宛行の履行を促進する公文書である執事施行状が真の威力を発揮する前に観応の擾乱が起きてしまうが、結局は管領による行政の元となったという。師直の悪の行状とされる逸話にも検討が加えられ、師直以外の高一族も祖先から子孫まで紹介されている。
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高師直って尊氏の切り札であったわけだし、今の視点からはスーパースターといってもいいんじゃないかな。何せ吉良上野介なわけだし。
由緒正しい出自だけど、旧習に囚われない。武力に優れていた以上に、教養人で行政能力にも長けていたらしい。
足利家執事という職分が、室町幕府の管領制度に繋がったことも、師直の価値を証明していると思う。