- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784642062817
作品紹介・あらすじ
大政奉還を決断し、朝廷中心の新政権をめざした慶喜。王政復古のクーデターを黙認し、新政府の要職を確保しながら、なぜ朝敵となったのか。「最後の将軍」の気質と独断がもたらした栄光と悲劇の前半生とその時代に迫る。
感想・レビュー・書評
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幕末政治、ややこしくてとても理解できない。年表をみたりしながら読んでは見たのだが、歴史は、人物の出現と退出によって方向ずくのかな、と思った。その人物は政治制度の頂点に立つ者から、その下の重心級、さらに下士官級、さらには民衆まで含む、つまり歴史の動きは生きてる者全部の一滴の息吹で動くのじゃないかと思った。水戸斉昭、慶喜、家茂、光明天皇、西郷、大久保利通、岩倉具視、松平容保、京都、江戸の民衆これらの動きも回りの圧力で決まってくる。
著者は、慶喜の特色として慶喜の出自のエリート性をあげる。御三家の水戸家、母の有栖川宮家、といった出自から、幕府にあっては朝延側の人間、朝延側からは幕府側の人間とみなされ、全幅の信頼を寄せられることがなかった。これがその人生にデラシネ的な孤独な影を落としたと見る。「独木公」「独公」という慶喜をさす隠語があり、しばしば根回しをせず独断でぱっと重要事項を決めた。
また「烈公の子」というレッテルは終生ついてまわり、斉昭に向けられた反発も受け継ぐことになり、慶喜の人生を方向付けたとする。
2004.10.1第1刷 図書館詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こんなに人生の前半と後半で全く180度違う人生を歩んだ将軍はいないでしょうね。
「人生波乱万丈」に出演して欲しかった、、、。 「あの時は何故?」って。 -
水戸などを舞台とした作品です。