戦争に隠された「震度7」: 1944東南海地震・1945三河地震

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著者 : 木村玲欧
  • 吉川弘文館 (2014年7月15日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784642082563

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戦争に隠された「震度7」: 1944東南海地震・1945三河地震の感想・レビュー・書評

  • 戦時中にいかに情報統制され、地震報道が隠されたのか。その一方で地域新聞が細々とであるが被害情報を報道していたという、その姿勢には頭が下がる思い。地震の恐ろしさよりも、津波の恐ろしさをこれでもか!と説明しているが、そういう中でも自分は大丈夫とか、まだ大丈夫なんて悠長なことは言ってはいけないんだと云うことがよくわかる。ただ、当時の人たちのインタビューについて、あらすじがあって、概略があって、さらにインタビューと同じ話を3回続けて書くのは勘弁して欲しい。ページ数を稼ぐためにあえて何度も書いたのかと言う感じで、途中からはウンザリ。

  • 日本は地震大国ですね。日本にいる人は殆どが大きな地震を経験していることでしょう。本人でなくとも、家族や友人が経験しているケースは多いと思います。

    私は数年前の東日本大震災を東京の高層ビルで感じました。震度5程度だったと思いますが、凄い揺れを2分間程度感じて、覚悟を決めたものでした。それ以来、自分の考え方が少し変わってきたと認識しています。

    さて、この本は立て続けに起きた2つの大地震であったにも拘わらず、戦争中で報道管制が敷かれていたために殆ど報道がされていなかった、東南海地震・三河地震(1944.12.7,1945.1.13)について書かれています。隠されていた地震を、この本の著者である木村氏は地道に調査されています。隠された歴史を垣間見た気分で面白かったです。

    以下は気になったポイントです。

    ・東南海地震は海溝型地震であった、死者行方不明者は1223人、その37日後の三河地震は、2306人の死者を出した(p6)

    ・南海トラフでは、地震が繰り返し発生している。この地震よりも90年前の1854年江戸時代の嘉永7年に安政東海地震・安政南海地震が発生している(p8)

    ・三河地震に関する地震活動には2つの特徴がある、1)顕著な前震活動、2)余震の多さである(p19)

    ・世界中にある地震観測所では、英国・スイス・ドイツ・インド・アメリカの科学者によっても報告された(p43)

    ・津波は何回にもわけて来る、第一波が来た後に、凄い勢いで引いていく。その後に高い第二波が来る。引いていく波と押し寄せてくる波がぶつかって物凄い波柱が立つ。第二波が引いた後の第三波が最大であった(p79)

    ・引き潮もひどく、湾の水がなくなるまで引いて行って、今まで見たことがない湾の底が見えた(p109)

    ・当時の漁師は儲かった、1か月の給料は一晩で稼げた。月給取りや農協、役場になるのは漁師に向かないからだろうと思われた(p119)

    ・商店街の人たちは入れ替わりが激しく、付き合いは限定的。商店会で炊き出しをしたり、家の建て直しに協力することは無かった。(p137)

    2014年12月7日作成

  • 昭和19年12月7日発生した東南海地震。そして、その37日後昭和20年1月13日に発生した三河地震。
    この二つの地震は、中京工業地帯の軍需工場に大きな被害をもたらし、特に中島飛行機、三菱航空機等の世界最高水準であったともいえる航空機産業への影響は大きく、日本の敗戦を早める原因の一つになったともいわれる。
    だからこそ、これらの地震に関する情報は、軍の機密情報として秘匿され、公表されることはなかった。

    本書は、これら2つの地震の全体像の把握、報道の実際、そして生存者の被災体験という3つの章で構成されている。本書は、これらの地震の経験を、将来の防災に活かすという意図で書かれている。
    しかし、私が強く感じたのは、やはり特定の利益のために情報が秘匿されることは、多くの国民にとっては不利益になるということ。
    最初の地震に持ちこたえた住宅の多くは、2度目の地震によって、倒壊し多くの死者、負傷者をだした。
    津波に対する情報の少なさは、避難の機会を失わせ、被害者を増やす結果となる。
    今日でも、原発事故をめるぐ報道には様々な意図が見え隠れする。特定の人、団体の特定の利益のために情報が秘匿され、操作されることは、多くの国民にとっての利益にはならないことが容易に想像される。

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