資料をさがしに県立図書館に行った際、本棚から「借りてくれー!」と言われた気がした(笑)ので一緒に借りてきた(吉川弘文館の本なんて、おいそれとは買えません)。
1回延長して、読了まで約1か月もかかってしまった。しかも同時に、新書の「観応の擾乱」も読んでいるものだから(こちらもまもなく読了予定)、頭の中がやや混乱したりw
タイトルのとおり、日本の城について古代から近代までの通史で論じたもの。「城」という語彙の時代や地域による変遷、東アジアにおける都城制の影響、領主館と城郭との違いという論点、東北の柵・南西諸島のグスク・北海道の館やチャシなどの地域性、戦国期の城と城下町、織豊時代の城、天守の登場、石垣の変遷、天下普請、一国一城令、方形区画、五稜郭と龍岡城……などなど、軍事史学、考古学、文献学、建築学といったさまざまな方向からのアプローチを試みている。
分厚い本なのだが、まだまだ言及しきれていないところなど、もどかしい面もあるのだけれど、ほぼほぼお腹いっぱいです。
同世代の著者ふたりの研究には、深く敬服いたしました。