高度成長: 日本を変えた6000日 (20世紀の日本 6)

著者 :
  • 読売新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784643970029

作品紹介・あらすじ

経済「特急列車」が突っ走った。人々は列島の中を大移動した。気がつくと、洗濯機、冷蔵庫、テレビに囲まれていた。寿命は10年も伸び、3人に2人がサラリーマンに。が、振り向けば失ったものの数々、そして公害病患者のうめき-。「経済学」の枠を超え、同時代人の目であの灼熱の日々の意味を問う。

感想・レビュー・書評

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  •  本書は1997年に書かれた.おおむね高度成長がまがりかどに来て20年.
     高度経済成長を数値でみると「いかがなものであったか」、また「成長がもった意味」を論じ「成長」とするロジックを問いなおしてみている.

     166pにある、岸総理への評は興味深い.
     「岸は徹頭徹尾「戦前」志向の政治家だった.岸にとって敗戦国日本の再建とは、とりもなおさず戦前の日本の再建にほかならなかった.(略)「岸にとって最大の課題は、再軍備を準備しながら日米安保条約を改正することだった」.
     岸信介氏は、現政権の手本と自ら述べている.本書発刊後、15年以上経ているが、ここにある整理は目にはいっていないのであろう.それだけに、「戦後レジュームの脱却」なる言辞が、なにをめざすのかも示唆してくれる.

     本書を書くについて、著者は二つの「思った」を述べる.
     1)「経済学が成長の問題を分析するときには、かぎりなく歴史学に近づかなければならい」(ヒックス)を「いつかそうしたことを実践してみたいのだと私も思っていた」.
     2)自身の「子供」として走り抜けた時代を、「自分なりのやり方で振り返る時間をもってみたいと思った」.(234p).

     「成長」の枠組みとその持つ意味、「成長」なる語のもたらした益蓄積の方向を考えるに、有意味性が高いのだと、考えた.

  • 準会話的文章で若干読みにくかったものの、当時の状況を知ることができた。親等からこれら話しを聞いたことがないので、今度聞いてみようとおもった。統計資料を多用して説明する姿勢は非常に良い。現在のこの状況で本書を読むと、まさにいけいけどんどんだったのだなあと。正直当時に生まれたくはなかったなとも思うが・・・

  • 「20世紀の日本(全20巻)」の高度経済成長編。

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