ピピンとトムトム 怪盗ダンダンの秘密 (おはなしルネッサンス)

著者 :
  • 理論社
4.05
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本棚登録 : 131
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (164ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652013144

作品紹介・あらすじ

「地球にいるほうがずっといいもの」コマドリの鳴く、うららかな街で、九歳のピピンとトムトムは思いました。夢は宇宙飛行士より、だんぜん…。

感想・レビュー・書評

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  •  お花屋さんや靴屋さんの並ぶ石畳の通りを歩いて学校から帰る、ピピンとトムトム、二人の少年の会話シーンから物語は始まる。先生の出す宿題のことや、将来の夢のこと、人気テレビ番組『怪盗ダンダン』のことなどについて、ピピンの住むオレンジ色の五階建てのマンション「ドレミファ荘」をぐるりと囲む鉄柵にもたれながら語り合うのが、二人の日課だ。
     すると突然、ピピンの頭が急に「爽やかになった」。何が起きたのかというと、ドレミファ荘の三階の窓からにょきっと飛び出した釣り竿が、ピピンのベレー帽を釣り上げたのだ。こりゃこりゃ、大家さんであるドラさんの仕業だなとピンときたピピンは、トムトムと一緒にドラさんの部屋を訪ねる。
     ドラさんは、何やら機嫌が悪く、体つきもどっしりとしたいかにも“怖いおばさん”といった感じの登場。ここでたいていの大人の読者は(というか私は)、この恐ろしげで偏屈そうなおばさんが、二人の少年との交流を通して優しくなったり、実は優しい人だとわかったりして、少年たちも何らかの成長を遂げる、的なストーリーを勝手に思い浮かべて「はいはい」みたいな気持ちになってしまうのだが、ところがどっこい、そうはいかないのが高楼方子さんの児童書の面白いところ。(だいたい、通りの人の帽子を上の階から釣り上げる大人が登場する時点で、ありふれた教訓的な物語とは考えにくい。)
     このあとすぐに、ドラさんの意外な一面が明らかになり、また次から次へと新しい人物たちが登場してはそれぞれ予想外のふるまいを見せる。この人ここまで掘り下げちゃってこのあとどうまとまるの?ここからまたそんなエピソード始まるの?と、つい余計な心配までしてしまいながらも、彼らの大小様々な心配事があまりに「わかるわかる、そういうことってあるよなあ」という共感を呼ぶので、物語の続きが気になってたまらない。また、ちょっとした言葉の言い回しも可笑しくて、つい吹き出してしまう。例えば、とある女性は花瓶を見ると買わずにはいられない『神経花瓶症』にかかっているとか。
     今回は、娘(八)と一緒に寝る前に少しずつ読んだ。どこでゲラゲラ笑ったとか泣いたとかそういうことはなかったが、毎晩熱心に読みたがる様子などから、それなりにお気に召したものと思われる。私は、「たかどのほうこさんの本、面白いよね」とすり込みのための台詞をこまめにかけている。

    • たださん
      akikobbさん、こんにちは。

      娘さん、良いですねぇ(*'▽'*)
      毎晩熱心に読みたがる様子には間違いなく、「たかどのほうこ」さんの魅力...
      akikobbさん、こんにちは。

      娘さん、良いですねぇ(*'▽'*)
      毎晩熱心に読みたがる様子には間違いなく、「たかどのほうこ」さんの魅力があると思いますよ!
      2023/08/31
    • akikobbさん
      たださん、コメントありがとうございます。
      ですよねえ!ためになるとか役に立つとか、そういう大人的な下心なく、自分も読んで楽しいものを、子ども...
      たださん、コメントありがとうございます。
      ですよねえ!ためになるとか役に立つとか、そういう大人的な下心なく、自分も読んで楽しいものを、子どもも気に入ってくれているなら嬉しいです。
      2023/08/31
    • たださん
      akikobbさん、お返事ありがとうございます♪

      ええ、そう思います。
      一緒に楽しめたら嬉しいですし、次は何を読もうかって、娘さん自ら言っ...
      akikobbさん、お返事ありがとうございます♪

      ええ、そう思います。
      一緒に楽しめたら嬉しいですし、次は何を読もうかって、娘さん自ら言って下さったら、最高ですよね(*^_^*)
      2023/08/31
  • 函館生まれ、札幌在住の作家。

    塩パンや神経花瓶症など、名前の付け方など、笑いもちりばめられていておもしろかった。子供には、少し難しい気がする。子どもの心を忘れない楽しい感じした。

  • >隣の空き家から聞こえてくる怪しい物音。
    ピピンはなかよしのトムトムと一緒に張りこみをすることに。
    そこに現れたのは……?

    著者の物語は女の子が主人公のイメージが強かったのですが、これは男の子二人が主人公。
    ちょっと新鮮な気分で楽しめました。

    秘密に冒険、恋物語もあって盛りだくさんの一冊。
    怪盗ダンダン、ドレミ三姉妹、元気なおばあさんチェントさんなど魅力的な大人達も素敵でした。

  • 予想以上にけっこうおもしろかったので★4つ!
    3つでもいいんだけど
    ハッピーエンドがなんかよかったので・・

    たかどのほおこさんて
    けっこう読んでる気がするんだけど
    これは面白かったな~

    キャラがよかった

    60すぎて、今までにした悪事に点数をつけて(ひどいやつは10点とか、ささいなのは1点とか)600何点とかで、
    今からいいことをして赤字を黒字にするまで死ねない(天国に行きたいから)おばあさんもうすぐ101歳とか

    ドレミ三姉妹の次女
    神経花瓶症(笑)
    花瓶を買わずにはいられない病気ww
    おもしろすぎる

    三女かわいい
    ドラマの怪盗ダンダンがすきで他の男性とは結婚できない

    ダンダンさんもかっこいいイケメン

    花屋でのやりとりが><たまらん><

    男の子ふたりの将来の夢が、「怪盗ダンダン」ってのもかわいくていいけど
    「しあわせな結婚」ってのが、
    そのとおりだよな~ってのと、
    子どものくせにわかってるじゃん!
    ってかんじで
    なんかいいなあ^^

    絵もかわいい
    「ネコのタクシー」とかのひと
    はなよめかわいい

  • ★★★★★
    日本人作家さんが書いたとは思えない、外国少年情緒あふれる(?)作品。
    仲良しピピンとトムトムは、とあるアパートに見え隠れするナゾの人物の正体を突き止めようとしますが・・?
    読後感さわやか!ステキな物語です。
    (まっきー)

  • 「「地球にいるほうがずっといいもの」コマドリの鳴く、うららかな街で、九歳のピピンとトムトムは思いました。夢は宇宙飛行士より、だんぜん…。」

  • 怪盗ダンダンの正体が、映画の主役の俳優のダンダン ダリューさんだったからびっくりした。
    一番最後は、ダリューさんとおとなりのお姉さんミンミさんが結婚したのがびっくりした。
    僕も会ってみたいなと思った。

  • 名前を見ると翻訳物かと思うのだけど、たかどのほうこさんの作品。
    描写もところどころの言葉遊びも展開も面白く一気に読めました。
    自信を持って、中学年以上の子どもにオススメしたいです。

  • ピピンとトムトムはとっても仲良しの男の子。
    中でもピピンは、テレビで放送している『怪盗ダンダン』の大ファンで、二人は将来の夢を『怪盗ダンダン』にしようと話し合います。
    二人の周りには、ドレミファ荘の大家さんをしているドレミ姉妹や(探偵小説家を目指しているドラさん、花瓶を集めるのが趣味のレミさん、花屋で働くミンミさんの三姉妹です)、ドレミファ荘の五階に住んでいる元気な百歳のチェントさんなど、愉快な仲間がいっぱい。
    ある時ドラさんのおつかいで、チェントさんの部屋を訪れたピピンとトムトムは、チェントさんから、隣の空き家に関するおかしな話を聞きます。
    そこで二人は空き家の謎を解明しようと空き家を探りますが…?

    ドレミ三姉妹の特にドラさんのクセが強い!(レミさんも)
    でもチェントさんも負けてはいませんね。
    妹の結婚相手にとやかく言う二人に若干イライラしましたが、最後は大団円となったのでよかった。
    なんだかんだミンミさんも、控えめなようでいて芯が強いところは負けていないので、似たもの姉妹なのかなぁと思いました。
    ピピンとトムトムの活躍が微笑ましく、チェントさんとも協力体制で、安心して読めました。
    最後は大量の塩パンもなんとか処理できてよかった!
    でも、今後塩パンはもらわないように、早めに真実を告げた方がいいですね。笑

  • 個性豊かな登場人物と、予想外の展開があるが、たかどのほうこさんのものとしては、もう一発インパクトがあることを期待した。

  • ピピンとトムトムの冒険を応援してしまった。

  • 子供による探偵活動とおばあちゃん..
    幸せな二人の出会いと結婚パーティ.

    心温まるお話が、
    お話にあった絵と一緒に楽しめます.

    多色刷りと白黒のどちらの絵も素敵です.

  • みにぴ 2011.11.13

  • 男の子2人組 3姉妹 探偵 作家花瓶 花屋 人気俳優の秘密 ダジャレ 将来の夢 100歳のおちゃめなおばあちゃん

  • おもしろい!

  • 他愛ない冒険だが、101歳の元気なおばあさんや三人姉妹のキャラクターが楽しい。

  • すべてが良い。
    ピピンとトムトムの会話も、チェントさんも、ドレミ三姉妹も。
    お話も楽しいし、言葉遊びもおもしろい。

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著者プロフィール

高楼方子 函館市生まれ。絵本に『まあちゃんのながいかみ』(福音館書店)「つんつくせんせい」シリーズ(フレーベル館)など。幼年童話に『みどりいろのたね』(福音館書店)、低・中学年向きの作品に、『ねこが見た話』『おーばあちゃんはきらきら』(以上福音館書店)『紳士とオバケ氏』(フレーベル館)『ルゥルゥおはなしして』(岩波書店)「へんてこもり」シリーズ(偕成社)など。高学年向きの作品に『時計坂の家』『十一月の扉』『ココの詩』『緑の模様画』(以上福音館書店)『リリコは眠れない』(あかね書房)『街角には物語が.....』(偕成社)など。翻訳に『小公女』(福音館書店)、エッセイに『記憶の小瓶』(クレヨンハウス)『老嬢物語』(偕成社)がある。『いたずらおばあさん』(フレーベル館)で路傍の石幼少年文学賞、『キロコちゃんとみどりのくつ』(あかね書房)で児童福祉文化賞、『十一月の扉』『おともださにナリマ小』(フレーベル館)で産経児童出版文化賞、『わたしたちの帽子』(フレーベル館)で赤い鳥文学賞・小学館児童出版文化賞を受賞。札幌市在住。

「2021年 『黄色い夏の日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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