- Amazon.co.jp ・本 (38ページ)
- / ISBN・EAN: 9784652040256
感想・レビュー・書評
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春になって一斉に花が咲き始めた「まじょもり」。空いろのつるが女の子を森へと誘います。
不思議な空間でのお茶会に一緒に引き込まれそう。
森、草花の挿絵…色づかいと構図がとても美しい!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
子どもの読者を意識した語り口ですが、大人のための絵本だと思います。もし、私が10歳ぐらいでこの本に出会っていたら、ふたばちゃんの存在が心底鬱陶しかったかも(ふたばちゃんがちょっと感じの悪い部分を見せるから、というだけではなく、彼女の正体が)。
……とは言えもはやつばきちゃんよりふたばちゃんの方に感情移入しやすい立場の今の私には、結構切なかった。子どもは子どもだというだけで夢の時間を生きているように思われ、描かれがちですが、実際には目の前の現実を生き抜くのに必死だったり、早いうちから大人の振る舞いを身につけていたり、さまざまな事情で「子どもにしか見えない」妖精や不思議の国と関わることなく(時には拒絶されて)成長したりもしますよね。
梨木香歩はそういう大人に優しいなあ、といつも思います。マジョモリに招待されるのにも、遅すぎるということはないのです。
ところで、お茶はおいしそうだったけど、お神餞はクリームやジャムをつけてもあんまりおいしそうな感じがしなかったなあ……。お神餞ていう名前がいけないのか。 -
早川司寿乃さんのイラストが瑞々しくて
それが、梨木香歩さんの文面とあっていると思います。
日常にひっそりとある不思議な世界。
笹にたまった朝露のお酒なんて、
なんてさわやかで魅力的な言葉!
「甘露甘露」と一緒に飲んでみたい。
マジョモリを読み終わった後は、
きっとそんな爽やかで、甘露な気分になるんじゃないでしょうか。 -
絵が細やかで好き
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梨木香歩さんは、祖母、母、娘という親子のつながりを描くのが得意のようですが、この作品はまさにそう。ヨモギのお茶は野原の味が、ノギクのお茶は夕暮れの味が、カキのお茶は日なたの味が、サクラノのお茶は森の味がしました。「お茶会」って良いですよね。一人で飲んでも、誰かと一緒に飲んでも。優しく淡い色づかいの絵が、やわらかい文章にぴたりとマッチしています。
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ふんわり心地よいリズムを感じながら、森の中の出来事を眺めているような読書時間だった。