マジョモリ

著者 :
  • 理論社
3.59
  • (50)
  • (82)
  • (146)
  • (7)
  • (3)
本棚登録 : 753
感想 : 90
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (38ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652040256

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 春になって一斉に花が咲き始めた「まじょもり」。空いろのつるが女の子を森へと誘います。
    不思議な空間でのお茶会に一緒に引き込まれそう。
    森、草花の挿絵…色づかいと構図がとても美しい!

  • ある朝、"まじょもり"へご招待を受けた"つばき"。
    普段は大人達から入ることを禁止されている神聖な御陵で、子供達もなんとなく敬遠してしまう"まじょもり"に、たった一人で入って行った"つばき"の姿に、ジブリ映画のヒロインを重ねてしまう。
    "まじょもり"の主・ハナと後から参加した少女・ふたば。
    女3人のちょっと不思議なお茶会はとっても素敵。
    私だったら夕暮れの味がするというノギクのお茶が飲んでみたいな。
    そして3人と一緒に春の花々に囲まれて「甘露、甘露」と言いながら朝露でてきた笹酒を飲みたい。

    "ふたば"ちゃんの秘密には早くから気付いていたけれど、私もこんな女の子だけのお茶会に参加したい。
    「私もご招待されたーい」と大粒の涙をぽろぽろこぼして、顔をくしゃくしゃにしてしゃくり上げる、大人気ないお母さん。
    そんなお母さんの気持ちが痛い程分かる。
    お母さんだって元は小さな女の子だったんだよね。。

    もう一度女の子に戻ってみたくなる、素敵な物語だった。

  • このような絵本でも梨木さんらしさがとてもよく出ている。静寂、荘厳、神々しさ。
    夜にひとりで読んでいると本当に静かな感じでよい。絵も素晴らしい。
    お母さんは永遠の少女なのだろうか。羨ましい。

  •  子どもの読者を意識した語り口ですが、大人のための絵本だと思います。もし、私が10歳ぐらいでこの本に出会っていたら、ふたばちゃんの存在が心底鬱陶しかったかも(ふたばちゃんがちょっと感じの悪い部分を見せるから、というだけではなく、彼女の正体が)。
     ……とは言えもはやつばきちゃんよりふたばちゃんの方に感情移入しやすい立場の今の私には、結構切なかった。子どもは子どもだというだけで夢の時間を生きているように思われ、描かれがちですが、実際には目の前の現実を生き抜くのに必死だったり、早いうちから大人の振る舞いを身につけていたり、さまざまな事情で「子どもにしか見えない」妖精や不思議の国と関わることなく(時には拒絶されて)成長したりもしますよね。
     梨木香歩はそういう大人に優しいなあ、といつも思います。マジョモリに招待されるのにも、遅すぎるということはないのです。

     ところで、お茶はおいしそうだったけど、お神餞はクリームやジャムをつけてもあんまりおいしそうな感じがしなかったなあ……。お神餞ていう名前がいけないのか。

  • 2013.9.18市立図書館
    絵本仕立てのファンタジー。タイトルからは想像できなかったけれど、日本のどこかにある御陵(いわゆる古墳)を舞台としたお話だった。
    主人公の少女に届いた「まじょもりへ ごしょうたい」の手紙からはじまるふしぎなひととき。
    ある一定のときにたまたまタイミングがあればあずかれる「ごしょうたい」なのかしら? 主人公のおかあさんには、どんないきさつがあったのかなぁ、とあれこれ想像せずにはいられない。そして主人公にもいつか二度目があるのかしら、と。
    すずやかな透明感があって、ちょっとふしぎなふんいきの挿絵がよくあっている。

  • 早川司寿乃さんのイラストが瑞々しくて
    それが、梨木香歩さんの文面とあっていると思います。
    日常にひっそりとある不思議な世界。
    笹にたまった朝露のお酒なんて、
    なんてさわやかで魅力的な言葉!
    「甘露甘露」と一緒に飲んでみたい。
    マジョモリを読み終わった後は、
    きっとそんな爽やかで、甘露な気分になるんじゃないでしょうか。

  • 絵が細やかで好き

  • 母と娘。お母さんの子供の頃ってどんなだったんだろう。母親に対する思いが整理されずに抱く葛藤を癒してくれる。自分の興味がそこにあるのでついそんな心理面が強く残ったけど、他の読者の皆さんのおっしゃる通り自然の描写が美しい。その美しさによっても癒されたのかな。

  • 梨木香歩さんは、祖母、母、娘という親子のつながりを描くのが得意のようですが、この作品はまさにそう。ヨモギのお茶は野原の味が、ノギクのお茶は夕暮れの味が、カキのお茶は日なたの味が、サクラノのお茶は森の味がしました。「お茶会」って良いですよね。一人で飲んでも、誰かと一緒に飲んでも。優しく淡い色づかいの絵が、やわらかい文章にぴたりとマッチしています。

  • ふんわり心地よいリズムを感じながら、森の中の出来事を眺めているような読書時間だった。

全90件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1959年生まれ。小説作品に『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』『丹生都比売 梨木香歩作品集』『裏庭』『沼地のある森を抜けて』『家守綺譚』『冬虫夏草』『ピスタチオ』『海うそ』『f植物園の巣穴』『椿宿の辺りに』など。エッセイに『春になったら莓を摘みに』『水辺にて』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』『やがて満ちてくる光の』など。他に『岸辺のヤービ』『ヤービの深い秋』がある。

「2020年 『風と双眼鏡、膝掛け毛布』 で使われていた紹介文から引用しています。」

梨木香歩の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
奥田 英朗
瀬尾 まいこ
梨木 香歩
川上 弘美
梨木 香歩
江國 香織
梨木 香歩
梨木 香歩
森 絵都
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×