ぶらんこ乗り

  • 理論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652071922

感想・レビュー・書評

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  • 「私」の弟はぶらんこが得意。サーカスのぶらんこ乗りを見てから、ぶらんこに病みつき。でもある日、ぶらんこで空高く舞っているときに1つのひょうが弟ののどに当たった。弟はそのとき声を失った。それからというもの、弟は庭の大きな木にぶらんこをつくってもらって、夜中そこにいて、ひとりで物語をつくるようになった。そう、あの事件が起こる前までは。

    評判高い声をたくさん聞いたから読んでみた。
    この子たちのお母さんの、ピントの外れた考え方と、それを優しく包むお父さんがほほえましい。
    そして弟のとんちのきいたいたずらと、姉に向けた優しい仕掛け。
    そこにリアリティが生まれるのは気難しいおばあちゃんのおかげ。バランスが保たれてる家族だなぁ。

  •  三つ年下の弟はとても賢い。そして人とは違う感性を持っていた。
     子供の頃もらったノートに記された字はきれいで,そこに記された弟の物語は,どこか,超越した不思議な感性を持っている。
     優れているが,それを理解するのはむずかしい。弟はどこか孤独だったのではないか。
     そんな弟が,学校のぶらんこから落ちる事故をきっかけに言葉を失う。いや声を失ったのではなく,とても恐ろしい,おぞましい声になってしまった。それで,何も話さなくなった。
     高い木の上に作られたぶらんこに乗って,弟はたくさんの物語を書いた。それを私は読んで……。

     物語に登場する「弟」も独自の感性をもっているが,もしかしたらいしいしんじさんの感性にもつながるものなのかなあと感じた。
     ちょいちょい,どこか遠いところに飛ばされてしまいそうな,弟の悲しみと,それを見守る姉としての私の悲しみ。ものすごく透明な,ある意味超越した感覚なのかもしれないなあと思った。

  • 「読後優しい気持ちになれる本」でおすすめ頂き読んでみたのですが…

    求めていたものと全然違う…!
    優しい気持ちにもあたたかい気持ちにもならなかったです…!
    私の感覚では読後「少し切ない気持ちになる」本で
    途中所々怖い話だったりもしました。
    弟が動物の話を聞くのはホラーだとしか…。
    人とは違う感性、感覚のものの話を子供が聞くのは
    心が傷つきはしないでしょうか。
    事実であっても完成していない子供の心が
    殺して遊ぶ事や生きる為に弱いものを突き落とすという事を心が処理できるようになるのはもう少し大きくなってからでは…。
    片目をつぶってみせるようになった描写も不安を煽る謎でした…。
    実は脳に障害が出ている兆候で亡くなるところを見られないように遠くに行ったのではないかとか
    良くない想像ばかりしてしまい
    疲れました。

    でも面白い本ではありました。


    ゾウのローリングはフィクションなのかそうでないのかネット上で調べると凄く微妙ですが
    事実だったらそれは人間のせいですよねえ。
    ゾウを捕らえて(もしくはゾウの身体に対してあまりにも狭い飼育場で生まれ育つしかなくて)自由に動き回れる大地を奪ったせいでそういう遊びをする事を覚えたのでしょうから。自然の中のゾウがやる事とはとても思えないのですが…。
    動物園の動物のほとんどにストレス行動があるようですし病んでるような…。

  • なんだか深い話だと思うのですが、ピンとこないまま終わってしまいました。もうピュアな心が私にはないのかも・・

  • 表現の仕方がきれい

  • 何度も何度も挑戦したけど、最後まで読めなかった。ほとんどひらがなで、読んでいて疲れてちゃった。

  • 好きな人には面白いんだろうな…
    わたし、いしいしんじさんは長編合わないみたいだ。
    挫折しちゃった。

  • うーん。作者のいしいしんじさんもこの作品もすごく評価が高くて好きな人がたくさんいるのは知っているけど、でもどうしてもその魅力が分からない私。分かりたくて何度も読んだんだけど、物語の世界に入っていけない。この残念さは、学生時代に「ポンヌフの恋人」がすごくいいよと言われて、何度もビデオを見たんだけどそのたびに寝てしまった悔しさに似ている。

  • 天才の弟が4歳から8歳までの間に残していった絵や物語のノートを読み私は考える。それらの命綱をどうして握ってやれなかったのか。

  • 不思議な世界。

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著者プロフィール

いしい しんじ:作家。1966年、大阪生まれ。京都大学文学部卒業。94年『アムステルダムの犬』でデビュー。2003年『麦ふみクーツェ』で坪田譲二文学賞、12年『ある一日』で織田作之助賞、16年『悪声』で河合隼雄物語賞を受賞。そのほか『トリツカレ男』『ぶらんこ乗り』『ポーの話』『海と山のピアノ』『げんじものがたり』など著書多数。趣味はレコード、蓄音機、歌舞伎、茶道、落語。

「2024年 『マリアさま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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