麦ふみク-ツェ

  • 理論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (441ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652077160

感想・レビュー・書評

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  • 色々な感動を内包した、とても素敵な物語だった。
    音楽の素晴らしさ、いかんともし難い悲劇、人の繋がりの温かさ。
    どこか不思議な、おとぎ話のような雰囲気を湛えつつ、
    少年の目にしている情景やその心情は、とてもリアルに描かれていて、そのバランスが面白い。
    そして、最後には全てが明らかになる。
    子どもが青年へと成長する年月は、壮大だ。
    その晴れ晴れとした読後感が、とても良かった。

  • とても長く感じてところどころ斜め読み。柔らかい文体だけに迫害や差別が突き刺さってきて、つい同情してしまうから読んでて疲れる。いしいさんに海は似合わないと思う。田舎のイメージはあるし好きだけど、あのたゆたう感じに世界観のずれを感じてしまう。といってプラネタリウムも読み返して好きになったパターンなので、またしばらくしてから読みなおしたい。

  • 読了日:2018/04/19

    談話室で紹介いただいた一冊。

    身体の大きな主人公ねこ、
    数学に心奪われた父親、
    銀の杖を振り回す音楽団顧問祖父、
    四肢に障害のある用務員、
    時計の町に時計のない家で過ごす郵便局長の妹、
    目の見えないボクサー、
    玉虫色のスーツを着た詐欺師、
    15歳で止まったままの天才チェリスト、
    色盲のみどり色、

    現実と違うものを当然のように描く本は苦手だし、善良無垢のひとをだますような物語も嫌いだけど、
    たぶんこういうことはどこかにあるんだろうな、と思った次第。

  • ぼくにものがたりの力を思い出してくれた本。
    灰色の世界に彩りをまた、戻してくれた。

    この本を持ってあの場所で、
    みんなと共有した時間を、ぼくは一生の宝にしています。

  • めちゃ分厚いです、この本。
    図書館で借りてきてビックリしました。
    初めだらだらと読んでたけど、途中から面白くなってきて。

    特に、盲目のボクサーが出てきた辺りからが面白かった。

    “はじめからわかってた、方向図なんてないって。目が見えようが見えなかろうが、人は地図のとおりに歩くことはできない。音の地図にかぎらず、それはたえずかきかえられる。予想もつかないついたてが突如としてあらわれ、足もとの砂がまたたくまに崩れおちる。そして、いくら風景がかわっても、ひとはその先その先へと、あるいていかなきりゃなんない。”

    • 円軌道の外さん

      いしいしんじは
      嘘のようなどこにもない物語を
      作り出すのが
      ホンマ上手い作家ですよね☆

      決して読みやすい文章ではないのに
      ...

      いしいしんじは
      嘘のようなどこにもない物語を
      作り出すのが
      ホンマ上手い作家ですよね☆

      決して読みやすい文章ではないのに
      読み出すと
      いろんなことが次々とおこる
      物語の魅力に
      引き込まれてしまってるし(笑)


      なんかシュールで
      ヘンテコな話が多いけど
      不思議な魅力を持ってる(^^)


      ひらがなの語感を
      大事にしてるところも
      好感が持てるし、
      自分がボクサーなので
      盲目のボクサーの登場には
      心躍ったなぁ〜♪


      あと音楽がキーになってたり
      歌を口ずさむキャラが多かったりも
      自分と似ていて
      ツボにハマるんスよね〜(^_^)v

      2012/06/27
  • 麦穂のひとふさ

    永遠の黄金

    極小の一粒から記憶の原までを

    貫くなつかしい音

    -----------

    古い思い出を掘り返してみたくなりました。

  • クーツェの麦踏がきこえてきそう。作品の空気感がたまらなく好きです。あったかくてやわらかくて、色と音がみえるようです。

  • いしいしんじの本を読むと、深い深い河の一部になったような、少し寂しくて少し素敵な錯覚に陥る。

  • 舞台を観にいくのでそのまえに読みたかった。音を大事にしたくなる作品

  • 不思議な世界観。くせになりそうな

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著者プロフィール

いしい しんじ:作家。1966年、大阪生まれ。京都大学文学部卒業。94年『アムステルダムの犬』でデビュー。2003年『麦ふみクーツェ』で坪田譲二文学賞、12年『ある一日』で織田作之助賞、16年『悪声』で河合隼雄物語賞を受賞。そのほか『トリツカレ男』『ぶらんこ乗り』『ポーの話』『海と山のピアノ』『げんじものがたり』など著書多数。趣味はレコード、蓄音機、歌舞伎、茶道、落語。

「2024年 『マリアさま』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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