自分にふさわしい場所

著者 :
  • 理論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652077375

感想・レビュー・書評

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  • ほんとにね、理論社は良い本作ってるんですよ。実家から引っ張り出して来たんですが。この本も何度救われたか…
    文字を綴る人と、写真を撮る人と、デザインする人と、編集する人と、いろんな人が化学反応を起こして本が出来上がる。そんな事に気づかせてくれる本。

  • 谷郁雄・言葉
    とある。

    詩のように思うけれど
    谷郁雄からのメッセージのようでもあり、
    デザインされた言葉にも見える。

    写真も日常のワンシーンが
    匂い立つような、音まで聴こえるような
    いわゆるスタイリッシュでおしゃれで美しい
    だけのものではない。

    だから、より一層、身近に感じられるし
    言葉をひとつのデザインとして眺めて味わう。

    いつも、谷郁雄の言葉には
    胸の奥の血がさっと騒ぐような、
    哀しい部分をえぐられるような
    痛みと気づきをもらう。

    「自分にふさわしい場所」
    その居心地のよさと、悪さを思った。

  • 流れるような言葉とホンマタカシさんの写真が邪魔することなく間に挟むのも、安心する。

    文字の間隔、レイアウト、手触り、全部好き。

  • ありふれた時間、あたりまえの生活、それは別の角度からみれば、とても贅沢なものであり、自分しか見れない事もそこから生まれているということ。そんな「当たり前」を感謝させてくれるような詩。

  • 書かれているコトバだけでなく、本の大きさや装丁、フォント、文字間隔、行間、写真など、ずっとそばに置いておきたい本の一つ。

  • これに出会ったのは
    中学校の図書室だった。

    以前からホンマタカシさんが
    好きだったということもあって、
    表紙だけで気に入って借りたのだ。

    まず何ページかめくると、
    ホンマタカシさんの写真が
    詩と詩の間に
    そっと載せられている。
    その中の桜の写真は、
    今、手元にその本がなくても
    まざまざと思い出せるほど綺麗だった。

    ページをめくるたびに
    谷さんの詩がぽつりぽつりと表れていく。
    男性の詩はあまり読む機会がなく、
    好んで読むのは谷川俊太郎さんくらいだった。

    谷さんの詩はとても繊細だ。
    男らしい、と感じる面を見せつつも
    今にも壊れてしまいそうな弱さが見え隠れしていた。
    最後まで静かで、日常的で、なんとなく侘しかった。

    全部を覚えていないのが
    悔しいのだけれど、
    『君には憶えていてほしい』
    という言葉で終わる詩があって、
    その詩が特に好きだった。

  • 思考と感情の波長が自分に近い。

  • 写真詩集。何気ない日常を平易な言葉で書いていくという原初的な手法は「現代詩」の中では異彩を放つ。

  • 詩って、奥深い。
    一滴の雫みたいに、なんでもないものとしてするっと通り抜けてしまったりするのに、自分の状態によっては、一瞬で背筋がゾワゾワするくらい感動したりする。
    私はタイトルの「自分にふさわしい場所」と最後の「人はみんな」がとても好きでした。

  • つい、泣いてしまいました。

著者プロフィール

1955年三重県生まれ。同志社大学文学部英文学科中退。90年『死の色も少しだけ』(思潮社)で詩人デビュー。93年『マンハッタンの夕焼け』(思潮社)がBunkamuraドゥマゴ文学賞候補に。詩集に『自分にふさわしい場所』(写真・ホンマタカシ)、『定員オーバー』(写真・長島有里枝)以上、理論社。『実況中継』(写真・浅田政志 実業之日本社)、『空を見上げる』(写真・石川直樹 武田ランダムハウスジャパン)、『君のとなりに』(写真・谷今日子 角川学芸出版)、『思春期』(写真・青山裕企 ピエ・ブックス)、『無用のかがやき』(写真・リリー・フランキー 実業之日本社文庫)、『透明人間⇄再出発』(写真・青山裕企 ミシマ社)ほか多数。

「2011年 『谷郁雄エッセイ集 日々はそれでも輝いて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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