いのちの食べかた (よりみちパン!セ)

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著者 : 森達也
  • 理論社 (2004年11月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (123ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652078037

いのちの食べかた (よりみちパン!セ)の感想・レビュー・書評

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  • 私が森達也さんを好きに、と言うより心酔するようになったきっかけの本。人生を変えた本にも入る。
    命を食べることを考えようと思って手に取ったのに、内容はとんでもなかった。いい意味で。
    子どもにもわかる語り口で丁寧にわかりやすく描かれた、私たちが住む世界に存在する「知らなかった」「知らないでいる人がほとんどの」「知りたくない人も多いであろう」いろんな「本当のこと」。

    これは絶対にあらゆる世代、あらゆる職業、あらゆる価値観を持つ人に読んで欲しい本。

    「知らない」ことより「知らないでいること」「知ろうとしないこと」「考えないこと」が罪深いんだ。

  • 食卓に並ぶ目の前のお肉はどこから来たのか?
    走り回っていた豚を殺し、食肉へとするのは誰なのか?
    食べ物が来た道をたどると、部落差別の問題がある。
    人間の暮らしは生き物の命を奪わなくては成り立たない。
    命を奪って、いただいているということを感じることのない世の中。そして、食の営みを支えてきた人は『穢れ』た人々として差別されてきた。命を奪われていることも実感しなければ、そこに蔑まれている人がいることも知られていない。
    食を通して、知ることの大切さを伝える。
    心に残ったところ。
    『でも、ぼくらは、とても忘れっぽい。言い換えれば、すぐに、目の前の現象や今の環境に慣れてしまう。それが当たり前になってしまう。これを思考停止という。この思考停止がいくつも重なると戦争が起きる。回避する方法はいくらでもあったはずなのに、誰かが思考しなくなり、やがて皆の思考が止まり、そして戦争が始まる。・・・中略・・・責任者を探すけど見つからない。それはそうだ。責任者は全員なのだ。でも、誰もがいつのまにかそれを忘れている。』

    この人は、現実を伝えたい、知ってほしい、それを強く願っているんだなと思う。子どもたちにそれを伝えたいと思っているんだなと思う。

  • テレビでドキュメンタリー制作に関わってきた著者が、と場で働く人々への取材を通し、タブー視される歴史的背景や被差別部落の問題について、分かりやすく書いてあります。
    なぜ魚市場はテレビにもたくさん紹介されるのに、肉はそうではないのか。
     この本を読んで、日常食べている肉が牛や豚や鶏のいのちの上にあるという当たり前のことを考えさせられました。
     また、家畜のと殺に関わる人たちが、差別を受けていたこと、現在も差別が残っていることを、自分の問題としてしっかり考えないといけないんだと思いました。
     ヤングアダルト向けにはなっているけれど、むしろ大人がしっかりと現実に目を向けなければならないと感じました。

  • 私達は「肉」を常に食べて生きています。
    ステーキなどの形だけでなく、多くの食品には「エキス」として肉が使われているし、薬などにも肉から作られるゼラチンのカプセルが利用されているからです。
    言ってしまえば、魚も「肉(動物性タンパク質)」ですよね。

    しかし、魚とことなり、牛や豚がどのようにして「いのち」から「商品」の形に変わるのか、知る人は少ないのではないでしょうか。
    なぜ、「肉」(皮革製品もふくめて)の製造過程は隠されているのでしょうか。

    「知る事」と「忘れないよう思い出し続けること」を訴え、常に当事者意識を持つように説く筆者の論には共感できるところが多かったです。

    ただ、屠殺場(東京都中央卸売市場食肉市場=芝浦と場)での、と殺の紹介もありましたが、「なぜ、人々は屠殺のことを知らないのか」という疑問から「汚れ」の話になり、そのまま「差別」の話に転じてしまいました。
    大切なテーマではありますが、そっちにズレていってしまったのは期待外れでした……。

    「肉」として育てられた牛や豚が「おいしい肉になれて、食べてもらえて幸せ」などというのは人々の欺瞞である、という著者の考えには非常に共感しました。
    私達、というか「僕」が肉を食べるから、彼らは殺されるのだ、ということを頭の片隅に置くことが必要だと感じる1冊でした。

    この中で、被差別部落関連の書籍として「破戒」が紹介されていたので、どこかで読みたいと思います。

  • “大切なことは「知ること」なんだ。
    知って、思うことなんだ。
    人は皆、同じなんだということを。いのちはかけがえのない存在だということを。”
    【いのちをいただく】という本と一緒に考えていたら、戦争や部落差別の問題まで書かれていて、いつか我が子達にも読ませようと思います。

  • タイトルは「いのちの食べかた」だが、内容の大半は部落差別などの「差別」に関すること。読み終わった後の印象として、食肉の素である動物達に対しての気持ち云々よりは、「差別はおかしいね!」と言われている印象の方が断然強い。

    この本の対象者はおそらく小学高学年〜中学生あたり? かわいい挿絵。漢字にもすべてフリガナがふってある。著者の語りかけるような口調で、そして時々問いかけもあったりして、先生による授業のように文章は続く。
    そんな感じで「子供向け」という印象を与えつつ、でも差別の過去に関しては「子供向け」という枠を脱線して詳細に事実を記述し、分析を行っている。それゆえに差別についての著者の強いこだわりを感じる。先生のような口調の文章であるがゆえに、著者一個人の考えが相当抑圧的に伝わってくる。

    「差別」という話題に関しては私自身嫌悪感を抱くわけでもなく、これまでも差別に関する本は自ら手に取り読んだことがあるが、この本は対象を子供として、かつ一見関係のない内容にみせかけておきながら、ガッツリ差別について説く、そのスタンスがどうもいただけない。

    言ってる内容は間違いではないんだけどね。

  • とてもためになりました

  • 目を逸らさなければ、いろんなものが見えてくる。

  • 児童書だからって敬遠するのは大きな間違いでした。
    これは日本に住む皆に読んでほしいと思う。
    食と差別、大事な事がわかる。
    色々な視点から見るってすごい大事。

  • 配置場所:1F電動書架C
    請求記号:648.2||Mo 45
    資料ID:W0133013

    牧場にいる牛・豚がスーパーに並ぶまでどううなっているのか?
    その食肉作業をされる方々のこと。転じて、差別のことなどなど。
    「知って自ら考える」ことの大切さを伝えるノンフィクション。(スタッフ)

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