頭のうちどころが悪かった熊の話

著者 :
  • 理論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (135ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652079027

作品紹介・あらすじ

現代のイソップ童話。7つの動物ショートストーリー。「小さな童話大賞」(毎日新聞社主催)受賞作「いただきます」収録。

感想・レビュー・書評

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  • シュール。大人向けの童話ですねー。
    滑稽さのなかに哲学があり、しみじみとした味わい。

    食べて食べられて、裏返して裏返しにされて、、というおかしな連鎖。

  • ちょっとひねくれた動物の寓話集。
    「池の中の王様」ヤゴがおたまじゃくしに出したのは、食われるか友達になるかの二択。成長しトンボと蛙になり立場が逆転した二匹の会話が面白い。

  • 『いただきます』
    世の中はつながっている?すごくいい話。ありがたい話。
    食べ物を食べる時は感謝の心を忘れずに!
    「いただきます」その言葉にジーンときたそのあとで…。衝撃のラスト。

    『池の中の王様』
    ハテとヤゴ(トンボ)の友情に涙。
    「食べてしまいたいくらい、きみが好きだな。」「おまえにだったら食われてやってもいいさ」

  • >「小さな童話大賞」(毎日新聞社主催)受賞作「いただきます」を含む,人生について考える7つの動物寓話。

    初安東みきえさん。
    このタイトル、一度聞いたら忘れられない強烈なインパクト(笑)

    「頭のうちどころが悪かった熊の話」「いただきます」「ヘビの恩返し」「ないものねだりのカラス」「池の中の王様」「りっぱな牡鹿」「お客さまはお月さま」を収録。
    動物寓話とのことでかわいらしい感じの物語を想像していたのですが、ほんのり毒があるような。
    7つのお話それぞれ違った面白さがあり、もっともっと読みたくなる・・・クセになる魅力がありました。
    下和田サチヨさんの絵もとてもいい味を出していました。

    お気に入りは「池の中の王様」
    「ないものねだりのカラス」は宮沢賢治の「よだかの星」に少し似た雰囲気を感じました。

  • 現代版宮沢賢治みたいな感じ。
    個人的によだかの星が大好きなんですが、それと同じぐらい好きになれそうな話はなかった。池の中の王様が1番好きかな。
    昔もそうやったでしょうが、現代社会は生きていくのが大変だね〜

  • 中学国語の教科書に、この人の文章が載っていて、ムスメが他の作品も読んでみたい、と図書館から借りてきたもの。
    まったく初耳の方で、教科書にも載っているのにナゼ出会わなかったのか。
    タイトルから素敵です。
    挿絵もよかった。

    動物による寓話で、恋人や親子や友人同士の関係を描く。まるで現代のイソップ物語。
    あこがれや、後悔や失望。人生の意味って何なの。考えてもわかんないから、おにぎり(あるいはパン)でも食べよう。

    「自分の目でしか見えないんだよ。なにがホントかなんて、だれにもわかりっこない」p88
    「意味なんてもの、もともとないんだ。生きていくのに、意味なんていらないんだ。」p115

  • 店頭でタイトルに衝撃を受けて即買いした1冊。
    『頭のうちどころ』ですよ。しかも『悪かった』んですよ。
    何だかわかんないけど「やられた……!」って感じでしたよ。

    こどもの如き素直な気持ちで「おもしろいどうぶつさんたちだなあ」と読むも良し。

    それこそ「寓話」として己の黒い半生を重ね合わせて読むも良し。

    それぞれの小話を通して何を見るかはその人に依るんでしょうが、私は「ないものねだりのカラス」に大ダメージを受けました。

    自分に子どもがあったなら、「幼少期に読み聞かせ→思春期に再読→三十路過ぎたあたりで再々読」させたいなあ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「「やられた……!」って感じでしたよ。」
      ふ~ん、タイトルのインパクト通りなんだ、、、
      下和田サチヨの表紙イラストが素敵過ぎて気になっている...
      「「やられた……!」って感じでしたよ。」
      ふ~ん、タイトルのインパクト通りなんだ、、、
      下和田サチヨの表紙イラストが素敵過ぎて気になっている。新潮文庫になっているので、近々読むつもり(私の近々は1年以上経つ時もあるのでアテにならないが)
      2013/02/04
    • F本さん
      児童書の棚にあって明らかに浮いていた「頭のうちどころが悪かった」という言葉。インパクトありすぎて、表題作は若干肩透かし気味でしたが、他の作品...
      児童書の棚にあって明らかに浮いていた「頭のうちどころが悪かった」という言葉。インパクトありすぎて、表題作は若干肩透かし気味でしたが、他の作品は良かったです。
      2013/02/08
  • アイロニーが含まれたファンタジー

    これ図書館で借りたら児童書扱いだったよ

    んーでもこれは大人が読んだ方がいい気がするなぁ

    記憶を失いつつ、愛するレディベアを探すくまのお話・・・「頭のうちどころが悪かった熊のお話」

    キツネを食べた後悔から泣きだした虎。彼に出会った旅人は・・・「いただきます」

    ヘビの父さんの教訓・・・「ヘビの恩返し」

    美しい友達に焦がれるカラスの性根・・・「ないものねだりのカラス」

    おたまじゃくしとヤゴの、漢(おとこ)な友情物語・・・「池の中の王様」

    悩み相談を受ける牡鹿の苦悩ととんちんかんな悟り・・・「りっぱな牡鹿」

    頭のうちどころが悪かった熊の友人の友人は・・・「お客さまはお月さま」

    の7編。

    「どうせまた寝ることになるっていうのに、なぜ起きなくちゃいけないんだろう?」

    ってセリフにすごい共感!!

  • 大人の読む童話と言う感じ。おたまじゃくしとヤゴの話も印象的。(読了'97/12)

  • タイトルが最高だったから、ちょっと期待し過ぎてしまった!大人のための寓話集。

    『いただきます』と『池の中の王様』が好きででした。

    ・『いただきます』
    食物連鎖を「ぐるぐるまわりだったんだね」「いただきます」と表現したのが素敵でした。

    ・『池の中の王様』
    ヤゴとおたまじゃくしのハテが可愛くて。。
    「たとえどんなに離れたって、おれはおまえを見つけられるさ。友だちってそういうもんだぜ。」
    「たとえどんなに姿を変えても、ぼくはきみを見つけられるさ。友達ってそういうもんさ。」

    トンボとカエルに変わっても本当に出会えたふたりが最後にしたやり取りも好き。
    「食べてしまいたいくらい、きみが好きだな」
    「おまえにだったら食われてもいいさ」
    ヤゴとおたまじゃくしとして最初出会った時は、ヤゴ側が食べようとしていたのも思い出して、そんなふたりの変化しつつも変わらない友情が素敵!

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著者プロフィール

山梨県甲府市生まれ。1994年に「ふゆのひだまり」で小さな童話大賞大賞、「いただきます」で同選者賞今江祥智賞、2001年に『天のシーソー』で椋鳩十児童文学賞、2018年に『満月の娘たち』で第56回野間児童文芸賞を受賞。主な作品に『頭のうちどころが悪かった熊の話』(新潮文庫)、『星につたえて』『ふゆのはなさいた』(アリス館)、『夜叉神川』(講談社)などがある。

「2021年 『メンドリと赤いてぶくろ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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