戸村飯店青春100連発

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著者 : 瀬尾まいこ
制作 : 小池アミイゴ 
  • 理論社 (2008年3月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652079249

戸村飯店青春100連発の感想・レビュー・書評

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  • 吉本新喜劇、近鉄電車、奈良公園など
    自分も関西人だけに
    まるで実家に帰省したみたいに
    肩の力を抜いて
    一気に楽しめました(笑)




    庶民的な中華料理店
    「戸村飯店」の次男
    戸村コウスケと
    兄のヘイスケの兄弟を主人公に、

    章ごとに弟と兄、
    交互に視点が変わる構成で、
    仲の悪い兄弟の
    本当の思いが
    徐々に露わになっていく。



    個人的には
    大阪の風土に馴染めず
    いつも居心地の悪さを感じていた兄の心情に
    思いっきり感情移入してしまったなぁ〜(^_^;)



    仲が悪かった兄弟が
    少しずつ歩み寄っていく姿は
    なんとも微笑ましいし、

    特筆すべきは
    ピアノ少年の北島くんと
    野球バカのコウスケとの友情の描き方が
    瀬尾さんの面目躍如って感じで
    ホンマ瑞々しいんスよ(笑)



    戸村飯店に守られてきたコウスケが
    自分を突き動かす
    たった四行の手紙と、
    兄から送られてきた
    幸運のアイテム「てる子」と共に
    自分の足で歩き始める姿は
    じんわり目頭が熱くなりました(T_T)


    そして小説家を目指すヘイスケの親友
    古嶋の台詞、

    「本当に人々を救うのは文学で、
    小説を書くことで
    何か少しでも
    光を生み出せるようなことをしたい」


    はまさに瀬尾さん自身が
    読者に伝えたいことだったりするのかな。
    (現にいつも瀬尾さんの作品から
    光を貰ってる自分がいるし笑)




    この作品が描くもの。

    それは兄弟の
    切っても切れない絆と、

    誰もが一度は
    暖かい場所から旅立たなきゃいけないということ。



    人間は自分のことは
    何ひとつ分からない生き物です。

    だからこそ
    自分の欲望を知るために人は、

    人と出会う旅に出なければ
    いけないんですよね。



    物語のラスト、
    まさか吉本のベタなギャグで
    泣く日が来るなんて
    思いもせんかったなぁ〜(汗)(>_<)


    うっとうしくなることも多いけど(笑)
    俺もやっぱ大阪が好きやって
    改めて思えた小説です。


    瀬尾さん、ありがとう!

  • なんやろこの変な題名?ギャグもの?小ネタ集?
    しかも何か表紙も変やない?段ボールに落書き風?

    と失礼なことを思いながら手に取ったんだけれど、瀬尾さんらしいいつもの小説だった。
    あ、でもある意味ギャグものではあった(笑)
    大阪弁がコテコテすぎて笑えた。

    何でも要領よくテキパキこなして学校でも人気者だけれど、家の手伝いはしたことない兄ヘイスケと、
    そんな兄を疎ましく思いながら、学校ではリーダーシップを発揮し、家業の中華料理屋も手伝う1歳年下の弟コウスケ。
    ヘイスケは、高校を卒業して特にあてなく東京に出ていき、コウスケは卒業したら家を継ぐんやろなぁと漠然と思っている。
    そんな二人の視点で、ゆっくりとつづられる1年間。

    やっぱり瀬尾さんは会話が面白い。
    そして大阪のノリも相まっていつも以上にテンポがいい。
    大事なことを打ち明けるように、実は巨人ファンだと告白する竹下さんとコウスケの会話やら、岡野さんへの気持ちなんか全校生徒が知っているよ、とさらりと言ってのける北島君とコウスケとの会話やら、気の抜けっぷりがたまらん。

    いつもはそんなに子どもに構わないのに、三者面談で家を継ぐと言われて激怒する父の父らしさ、受験直前、夜食のうどんやおにぎりを作る母の母らしさ。
    戸村飯店ですくすく育った兄弟が、それぞれにとてもいい。
    やっぱりあんたら兄弟やなぁ、と思える箇所がいくつもあって、近所のおばちゃんさながら、目を細めてしまう。
    ここは自分の居場所やないと思ってたヘイスケと、まぁ自分はここに残るんやろなと思っているコウスケ。
    ずっと育ってきた町の人間関係は窮屈で、はよ出ていきたいと思うヘイスケの気持ちはよくわかるけど、離れてみてわかることっていうのは確かにあるんよね。
    戸村飯店の一席に座って、コウスケには、しっかり外見てくるんやで~と言って送り出し、ヘイスケには、なんや意外に早かったやん、と言って出迎えたい。

    最後、ヘイスケが戸村飯店に入るシーン。
    そこでこれを持ってくるかー!と笑いながら、さすが瀬尾さんやなぁと感服もしました。

  • 何をやってもそつなくこなす、いつもニュートラルで平熱の低そうな兄、ヘイスケと、不器用だけれど人の気持ちがよくわかって、平熱の高そうな弟、コウスケ。

    ふたりが、変なところでお互いに苦手意識を持ち合いながらも、無意識のうちに相手の後押しをして、未来に踏み出すきっかけを作っているあたりに、兄弟の絆を感じます。

    コウスケの友人の北島くん、ヘイスケの友人の古嶋くんがとてもいい味を出しているのだけれど、北島くんはどことなくヘイスケっぽくて、古嶋くんはどことなくコウスケっぽいところもほほえましい。

    ただひとつ、表紙の主人公ふたりの後ろにうっすら見える他の登場人物の絵が、なんだかちょっと心霊写真に通じる怖さがあって、それだけが残念。。。おいしそうな炒飯とかの表紙がよかったな。。。

  •  年の近い兄弟って、お互いにお互いを意識して、でもそれを言葉に表せない。それは、男兄弟も、女姉妹でも一緒なんだな。私は、女2人姉妹だけど、ヘイスケ、コウスケ兄弟と一緒。意識しすぎて、話せなかった。
     高校生になっても、部屋が一緒というのは、なかったけど・・・

     家から逃げたい、この場所にいたくない。誰も認めてくれない。あの場所から早く去ってしまいたい。そう考えて東京に出た兄ちゃんヘイスケが最期に求めた居場所は、やっぱり大阪の戸村飯店で。
     兄ちゃん、帰るの勇気いったろうなあ。えらい!!
     一方で愛されキャラの弟コウスケは、良くも悪くもちやほやされて。どんな決断をしようとも、コウスケは周りに支えられる。遠く離れた兄ちゃんにも、片思いの同級生岡野にも、戸村飯店の常連にも、いーっぱい助けてもらって。
     次男って、末っ子って、めーっちゃ、得だ。

     今まで、お互いのこと、勝手な奴、調子いい奴、って、自分の中で完結させていた二人だけど、これからはお互いのこと、もっと話してみたらいい。
     物理的な距離があいた分,心理的な距離が縮まる。それが、年の近い兄弟ってもんでしょう。
     しかし、古嶋くんはいいやつだ。

  • こてこての大阪下町ではないけれど
    新喜劇なんてほとんど見ないで育ったけれど(それでも解かるのが関西人)
    関西に生まれ育ち、今は東京で暮らすわたしには、
    すごいわかるーわかるよーと言いたくなってしまう
    そんな匂いがぷんぷんするお話。

    大阪下町の人情を毛嫌いする器用貧乏な兄ヘイスケの気持ちも
    空気読みすぎて自分をもてない愛されキャラの弟コウスケの気持ちも
    関西弁のせいなのか、笑いの中にもやたらと味があってしみじみほろり。

    まー正直、関西も大阪もだんだん「らしさ」がなくなってきて
    東京との温度差も減りつつある気はするけど。
    関西人ですら画一化の波には勝てないのかもな。
    でも、大阪らしさをすっごい感じられて満足です。
    続きが読みたい。

  • 世の中の兄弟、それぞれ仲が良かったり悪かったりとありますが、この本の中の兄弟は、無関心だったようで、実はお互い羨ましいと思ったり、近くにいた時には疎ましく思ったりしていたのに、離れて生活すると、今までくすぶっていた気持ちが、親しみや思いやりへと変化して、とても素敵なストーリーでした。
    大阪弁での会話はどれも乗り突っ込みが溢れ、漫才をみているような楽しい雰囲気に飲み込まれ、面白かったです♪( ´▽`)。

  • タイトルからしてギャグ連発かと思い後回しにしてたんだけど、何故もっと早く読まなかったのかと後悔。面白かったです。

    料理屋の長男ヘイスケと次男コウスケ。
    長男は家や地域のしがらみから抜け出したいと考え、上京する。
    弟の方はハナから店を継ぐ気でいる。
    だけど終わりまで読むと、この兄弟の立場が逆転します。
    それぞれの道をえらぶまでの葛藤や、それに伴ういろんな人たちとのかかわりが、テンポよく描かれていて良かった。
    兄弟の出身地が大阪の下町なので、会話部分が大阪弁だったりします。あと、大阪の笑えるネタがちりばめられていました。
    大阪の人は本当に、土曜の昼下がりに新喜劇をみんなで見るのだろうかw

  • じんわり泣ける。
    大阪の超庶民的中華料理店のふたりの息子たち兄弟の青春成長物語。

    次男・コウスケは、勉強が苦手だけど、明朗快活。
    そんな彼から見ると、兄・ヘイスケは、要領が良く、頭も良くて、見た目も良く、
    いけ好かない。

    しかし、兄・ヘイスケは、自分はそこそこしかできないと思っている。
    親の期待に答えられず、浮いた存在。
    そして、大阪の雰囲気に馴染めない。
    早く、家を出たいと思っていた。
    そんなヘイスケが切ない。

    兄弟それぞれの思いの違い。
    しかし、弟は進路変更で悩み、兄は故郷へ郷愁を感じ、
    兄弟が心通じ合っていくところが爽やか。

    そして、頑固親父が、ちゃんと兄弟のことを見ていたところも、
    なんかジーンとする。

    そして、ヘイスケが帰ってくる。
    あんなに出たくてしかたなかった家に。
    いつも通りのノリで迎える家族や知人とのやりとりに
    なんか泣けてくる。

  • 良かったです。
    テンポの良さや
    不器用さ。
    父の餞別
    何を思おう

  • 俺の居場所は? 兄のヘイスケ
    がむしゃらが似合う 弟コウスケ

    真剣になることを知らず知らず避けていたヘイスケ
    知らず知らず自分に枠をつけていたコウスケ

    お互いが自分を見つめ、見つけ、それぞれの道へ。

    高校生に読んでもらいたい小説のNo.1になったかも。
    瀬尾まいこさんの小説はすごい好きです。
    小説の中には花火の着火点が。それがいつか大きな打ち上げ花火100連発に。きっとなる。

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