ラン

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著者 : 森絵都
  • 理論社 (2008年6月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (463ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652079331

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ランの感想・レビュー・書評

  • ひどくネガティブな目標に向かって、ポジティブに頑張る、というアンバランスさが意外でおもしろかった。

    ランニングを始めたばかりのときの、主人公の独白が、「うんうん、わかる」と共感した。
    少し走ってすぐ呼吸が上がって、「苦しい、苦しい、苦しい。でもあともう少し、せめてあの電柱まで」(若干文章が異なる)。
    今までに少しでも走ったことがある人なら、走っているときの主人公の気持ちにはすぐに共感できると思う。

    私も今、ネガティブな目標に向けて毎日を生きているけど、たとえネガティブな目標でも、それを達成するために必死に生きることができたら、この主人公のように、最終的には「死ぬ」ことではなく「この世を生きる」という目標に向けてシフトチェンジができるんじゃないかな、とかすかな希望を抱いている。

    どんなに後ろ向きな目標だって、それが最終的に生きる力になるんだったら、だめじゃないと思う。
    そんなことを感じた本だった。

  • 前向きになれる本はたくさんあるけれど、
    前向きになって、さらに、よーいドンで、
    走り出したくなる本は少ないのでは?

    悩んでる人、凹んでる人に勧めたい本!

    ・後ろ向き、マイナス思考、人付き合いが不器用……と、
     主人公が完璧じゃないのがイイ!
    ・なにげない表紙のイラストも好きです。

  • 久々の、森絵都。あたたかかった。家族、死、変化。ところどころ重たくても、爽やか。天晴れ。

    ラスト前がいちばん泣けた。
    続きがあればなあ、と思ったけれど、その続きを想像して楽しめるのが、これまた良いのかもしれないなあ。


    2013.05.31

  • 読みはじめたらとまらなくなるから、ゆっくりゆっくり、ページをめくった。

  • 思った以上にファンタジー。でも、走ることを通して少しずつ変わっていく登場人物たち。それぞれ何かを抱えているけど、走ることで立ち向かっていく力になる。100mでも前に進めたら、その分だけは自分が変わったことになる。力強い小説。きっとかっこ悪くボロボロになりながら進む。でも、進める。

  • 森絵都さんの話って、この世とあの世が近いのでしょうか・・・。
    あの世へは、三途の川は渡らないんですね(笑)普通の生者には見ることができない道でつながっている・・・。

    それが40キロという距離なのがいい。

    遠すぎず、でも簡単には超えられないところが。

    いやあ・・・人生・・・・です。

  • 前半、ネガティブを絵に描いたようにネガネガ全開の環にイラッとする方も多いようですが、そこはやっぱり、「ラン」のタイトル通り、最初から飛ばしすぎるとあとで息切れするのです。

    最初、モナミ一号でちょっと遠出するだけでも筋肉痛になっていた環が、もう会えないはずの家族に会うために自分の足で走り出す。
    そこにある不器用なひたむきさが胸を打ちます。

    冥界のファーストステージで、亡くなった人たちの記憶が、苦いもの、哀しいものから順に「溶けて」いき、次にはきれいな思い出すら溶け、ついには自分そのものが溶けてつるつるになる、という設定は、フィクションながらもなんだか頷けてしまいました。

  • 9年前、事故で家族を失い、2年前には育ててくれた叔母も失った。
    ひとりぼっちになってしまって、「あの世」に近いところにいると感じていた環。
    環は、孤独な日々の中、自転車屋で知り合った紺野さんと親しくなり、別れ際に自転車をもらう。
    その自転車に導かれるように、ぐんぐんこぎ続けた先に見えてきた光。
    そこは「あの世」、懐かしいパパもママも弟もにこにこ笑いながら暮らしていて、次第に『溶けて』いっていた。
    「レーン越え」にはいくつかのルールがあり、40キロもの道を日没後からその日のうちに越えなければならない。
    自転車「モナミ号」に強い未練を残している紺野さんの息子に、自転車を返すため、環は、自らの足で「レーン越え」をすることを決意する。

    死んだ人は、「ファーストステージ」で下界の垢を落とす。
    ネガティブな記憶がまず溶けて、それからきれいな思い出も溶けて、そして最後には自分そのものも溶けていく。
    溶けて溶けて、下界にしみわたっていく。
    そして、死者は輪廻の中に戻っていく。
    ちょっと愉快で笑えて、しんみり心に入ってくるようなあの世の「ファーストステージ」。
    「千の風になって」のような死生観だ。
    私はこういう死生観、好きだなぁと思う。

    「ラン」というタイトルから、スポコン系を考えていたけど、ある意味スポコンでありながら、もっと強烈な目標のために走る物語だった。
    ぼんやりと生きることに慣れ、何かに一生懸命打ち込むこともなかった環が、あの世に行くという目的のために、ほぼ初心者の集団に交じって走るようになる。
    爽快な汗を流すだけでなくて、悲壮感を背負いながら必死に走るうちに、そしてチームの人たちとかかわっていくうちに、走ることが生きることになっていく。
    その過程が、切なくもありながら笑えて、後ろ向きなのに前向きで、頑張れ頑張れと思いながら読んだ。

    最後はきっと、レーン越えを果たし、溶けていくみんなとお別れするのだろうと思っていたが、はっきりしない結末だった。
    でもむしろそれでよかったのかなとも思う。
    「あの世」に行くのでない、いろんな未来を想像できる。

  • 続きを書いて欲しいような…でも先を知りたくないような。
    続編出して欲しいような、出ても読みたくないような…、そんなラストでした。
    大島くんと主人公のこれから、家族とのこと、リーダーの想いはどうなるのか…お父さんには許されるのかな、とか。
    私も走りたいなーとか思いました!青春っぽくてすがすがしい。

  • 運動神経零なみなしごな主人公が天国と現実の境目にいる家族に会うために42.195キロのフルマラソンに出るためにマラソン同好会(?)に入る話


    …この説明じゃ意味ぷ~だなぁ

    でもカラフルを読んだことのある人にはこの説明でなんとなくピンとくるかも

    なんだか死んだ人って言うのはこの本に出てくるような世界に行ってしまうような気がした
    白にならないと天国にはあがれないんだよね
    自分の中の汚いものを洗い流して
    綺麗なものすら洗い流して
    まっさらにならないと天国には行けないし生まれ変わることも出来ないのかもしれない

    それは人間であることをやめることで『無』になることなのだろうけど

    ファンタジー要素と現実のマラソン要素とが不思議に混合されたお話

    主人公にいまいちインパクトが無いんだけど、それは森さんの特徴かもなぁ~

    優しくなれるお話でした

  • 自転車を走らせて
    死んだ家族の下へ行ける
    というのがおもしろい

    マラソンを始めて
    最初はだめだめでも
    少しずつ
    変わりはじめる主人公を

    気が付いたときには
    応援してた

  • 結構好きな作者だったんだけど、これは少し残念。
    カラフルが映画化されての感想として聞いた、「過保護」が頭から離れない。
    結局自分の足で、頭で決断するという場面はなかったと感じる。
    そこがないなら何の意味もない。
    中学生くらい向けの本かなあ。
    13で止まってるというのは分かるけど、あまりにも精神が幼稚すぎる。意地張ってる、いじけてる程度にみえるんだ。
    その後、叔母さんにお世話になってたからかな?
    けど、もう少し自分を見つめる目がないと。

    中途半端な執着心だからこそなんだろうけど、後ろ向きの姿勢を批
    判されたときこそそれをはねつけたいんじゃないかな?

    おばちゃんも所々気になって仕方ない。醤油一升は十分な量の筈じゃないか?
    シリアスに描けばいいってものじゃない。
    ただ、生死の描き方が幼稚と感じられる。

    カラフルをまた読んでみよう

  • う〜〜〜ん・・・

    森さんは、中学生の頃から、『つきのふね』とか、殆ど読んできたんだけど、そのころはやっぱり
    ジュニアノベルにあわせてるからか、心理描写とかあんまりうまくなった。
    登場人物のキャラが極端すぎ、というか、『こういう人』のステレオタイプ化しすぎてて
    リアリティーが全然なかった。

    『DIVE!』で、一皮向けて『永遠の出口』でまた一歩、『風に舞い上がるビニールシート』で、
    おお!完成された!森絵都を好きな作家に加えよう!と思ったのに・・・・

    この作品には正直がっかりです。
    また、昔のステレオタイプ化された登場人物たちの、芝居の台詞のようなやりとりが痒くなる。
    残念だ。

  • 軽妙な会話とドタバタと大騒ぎな面白さに何度もにんまりし、
    数々のふれあいにしんみりした気持ちも感じながら、
    アッというまに読み終えてしまった。
    そして読み終えてからのこの温かみはなんだろう。

    森絵都さんの小説を読んでいつも感じるのは、
    自分自身の身のまわりの人、モノ、それらと自分との関わりなどなど、
    すっかり当たり前で見慣れてしまったものや、
    もはやありがたみも感じられなくてむしろ煩わしくさえ感じているものも、
    本当は宝のようにかけがえのないものなんだ…と、
    自分をそっと元の場所に戻してくれるような感覚なのです。

    人は年をとり、やがて誰もが人生の終わりに向かっていく。
    どんなに抵抗してもいや応なく時はながれてく。
    それとともに、どんなに素敵なものや人との関係も、
    やがてはいずれ終わってしまうということを誰もが知っています。

    その先に何があるのか…?
    知ってる人もいるのかもしれませんが大抵の人は知りませんし、
    あの世がもしあって、それとの関わりなど、
    それが森絵都さんが描いたようなものであってもなくても…
    ようするに本当はどんななのかはこの際どうでも良いのです。

    越えたくて、会いたくて、私は走り始めた…

    環と一緒に、環の視野で人や風景を見つめ、
    そしてやがて彼女の走りの先にもう一度見えてくるもの。
    いやなもの、きらいなもの、すきなもの…
    すべては紛れもなく今という時間とその中を共に生きているものたち。
    読み終えるとともに視界がスゥーーーっと開けてきて、
    身近な人たちへの温かさと愛情が静かに湧き上がってきました。

    そしてなぜか自分も走ってみたくなります。
    走ってみなければきっと見えないはず風景もきっとあって、
    それを自分も見てみたくなる。

    「ラン」というタイトルから、てっきり「DIVE!」と同じような
    スポーツサクセス的な作品かと思って手にとりましたが、
    帯にあったとおりやはりあの「カラフル」を彷彿させるよう作品です。

    自分自身の「本来」って何?
    そんなことをもう一度見つめてみたい…
    そういう人には是非読んでもらいたい一冊です。

  • 2017.3.25
    面白い。この世界観。
    走りの目的がちゃんと辻褄あってるし。
    結果が知りたいよ。
    果たしてみんな走りきれるのか、
    恋の行方はどうなるか。

  • 生きていれば、何だってできるのよ
    生きていてもできないことはあるんだけどなぁ

    この両方に、うんうんと頷いて読んだ。

    ステージが上がっていく話、実は実際もこうなのでは?と思ってしまった。

  • 2016/11/21

    913.6||モリ (日本の小説類)

    あの世とつながる40kmの「レーン」??
    両親・兄弟を亡くし一人ぼっちの主人公が乗った自転車が導いてくれた「レーン」であの世の両親と出会う。
    でも、その自転車は元の持ち主に返さないといけなくて、後は自分の足で走るしか会いに行ける手段がない。
    走っていて出会った人々との交流など、「死」を題材にしながら読み終わって爽やかな気分になる小説。

  • 本筋から外れるけど、紺野さんの手紙のなかの、残酷なほどに生々しい生を感じる、という一文が読後に残った。近しい人のゆったりとした死の間際は時に醜く目を背けたくなってしまうけど、全てが終わったあとには後悔と美化された記憶しか残らないなら、この残酷なまでの生々しいものの終焉までを、目ん玉見開いてカッと見ていなければと思う。

  • やっぱり心理描写は秀逸
    抽象的でカオスな話を文章に書き起こせるのもすごい

  • 毎回思うが0.5が欲しい…3.5という感じ。


    最初、えっがっつりファンタジー系?と思った。実際そこまで強くはない。


    フィクションならではのべたーなキャラ。そしてまあよくある展開。

    しかしそこまでの書き方とか設定で、ところどころリアルというかなるほどって部分があった。

  • 森絵都さんの世界観が、想像しやすくて、入り込みやすいからすごい好き!

  • 若干その気配が分かるので、この本を読んでなんとなく分かるというか
    そしてその爽快感がとても不思議な物語だと思う。

  • 「そんなふうに、自分の不幸をひけらかすもんじゃないわよ」
    「じゃああなたは、自分がそれに感染らない程度の遠くから、他人の不幸をつまみ食いして生きてることに気がついてますか」
    「蜜の味って言うじゃない。あなた、紺野さんを哀れむふりしながら、密にたかってるのよ」
    「自分が十把一絡げのちゃちな不幸しか持ってないからって、他人の不幸に寄生しないで」


    あの世にいくレーンの描写が好き。信号が赤から青にどんどん変わっていくところ。
    タマちゃんってアダ名やっぱりかわいいーー

  • 環はきっとフルマラソン走り切ったんだろうな。いなくなった家族から卒業するために。とにかく前進しようとする姿はやっぱりいいな。応援したくなる。

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