船乗りサッカレーの怖い話

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制作 : デイヴィッド・ロバーツ  三辺 律子 
  • 理論社 (2009年10月27日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652079591

船乗りサッカレーの怖い話の感想・レビュー・書評

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  • 再読。何度読んでも本当に面白い!
    もともと学校図書館の蔵書で、何気なく手にとってみたらイギリスの正統派ゴシックホラーといった感じ。挿入話も本筋もグロさはあるもののそれ以上にストーリー性が抜群で、一気読了でした。
    海を見下ろす断崖絶壁の上に建つ一軒の宿屋。そこに住む兄妹の体調が急変し、大嵐の中、医者を呼びに行った父親の帰りを待っています。父の留守中に突然の怪しげな船乗りが訪れ、兄妹に船乗りの怖い話を次々と聞かせます。
    船乗りの正体と、兄妹の運命は…ラストは何度読んでも衝撃で大好きです。
    ジェファーソン『灯台守の話』以来、船乗りに関する海の怖い話が大好物に。ホジスン『夜の声』の再版を強く望みます☆
    子ども達にすすめてもとても喜ばれるこのシリーズ、続いて『モンタギューおじさん…』を再読します♪

  • 前作「モンタギューおじさん」に比べると、語られるお話に血とか痛い表現が多いです。
    大嵐の中たった二人で父を待つ兄妹と、そこに突然現れた船乗りサッカレー。
    飄々とした語り手のサッカレーの態度と、兄妹の兄が抱くサッカレーへの不信感が物語の怪しさを深めています。
    思わず「そうきたか!」と言ってしまうようなオチも良かったです。

  • 岸壁に建つ宿屋。
    そこには母親を亡くした兄妹と妻を亡くして以来精神が荒んだ父親が三人で暮らしていた。
    3日間、嵐の吹き荒れたある夜、一人の男がその宿屋にやって来た。
    折しも父親が留守のその夜、突然やって来た男の名前はサッカレー。
    ずぶ濡れのサッカレーは嵐の中助けてくれたお礼にと二人に話を話し始める。
    船乗りだからこそ知っている怖ろしい話を-。

    まず最初にサッカレーが語ったのは一種の恋物語「ピロスカ」
    移民団を乗せた船の若い船乗り、リチャードは移民の娘に心奪われる。
    彼女の名前はピロスカ。
    ピロスカはリチャードに船を降りて、自分たちと共にアメリカで新しい生活を始めようと誘う。

    「ピッチ」
    嫌われ者のハーパーに何故か好かれ、ハーパーへの憎しみを募らしているトム。
    ある夜、トムはハーパーを船からつき落とす。
    その様子を一部始終見ている者がいた。
    それはハーパーの愛していた猫のピッチだった。

    日本のナガサキに寄港した際、怪しげな彫師の女にイレズミを入れてもらった船乗り、人食いカタツムリ、双子の片割れに憑りつかれる男・・・。
    海という場所を舞台にした海ならではの怖い話。
    どれも独特な雰囲気が漂います。
    そしてそれに拍車をかけているのが細い線で描かれた挿絵。
    この絵がさらに不気味で腺病的な雰囲気をかもしだしています。

    全11話の中で私が最も印象的だったのは「ボートに乗った少年」という話。
    ローバック号という船の船乗りは大海原にぽつんと漂うボートを見つける。
    ボートにただ一人乗っていた少年は保護され船乗りたちに愛されるようになる。
    所が少年が船に乗ってから船の上での事故が相次ぐ。
    そして何より恐いのはいつもは無表情なその少年が人が傷つく様を見て、これ以上面白い事はないというように笑い始めたこと。
    さらにその少年を誰も注意しないばかりか、彼の愛らしい笑みに自分たちも笑ってしまうこと。
    そんな話で何とも不気味だった。
    また全て読み終えた後、最初の「嵐」を読むと、なるほど・・・と思う本でもあります。

    これは全3冊のシリーズ物の1冊で、発売順に「モンタギューおじさんの怖い話」、「船乗りサッカレーの怖い話」「トンネルに消えた女の怖い話 」となりますが、全て独立しているのでここから読んでも全然問題ありません。
    全てちょっと謎めいた語り部が登場して怖い話を子供に話して聞かせるというパターンは一緒です。
    普通シリーズ物は続編ほどつまらなくなる傾向がありますが、このシリーズでは一番新しい「トンネルに消えた女の怖い話」が最も面白いと個人的に思ってます。
    児童書なので文字が大きめで読みやすいです。

  • 前回に引き続き、一つの話を読み終えるごとにため息がでるような良作ホラー短編集。

    嵐の夜、船乗りサッカレーが2人の兄妹に語る海にまつわる物語。どれ一つをとっても恐ろしく、なおかつ全体に妙な静けさの漂う様はまるで海そのもののよう。

    ただ、かなり直球なタイトルがついているので、目次は最後に見た方がいいかもしれません。せっかくの最後のオチが読めてしまいそうです。

  • 断崖のてっぺんに建つ古い宿屋で嵐の夜、兄妹がふたりきりでいた。子供たちがひどいやまいに襲われたので、父親は医者を呼びにでかけていた。眠っていたら病の症状も消えたので、イーサンは妹キャシーに本を読んであげていた。ふたりとも不気味な怖い物語が好き。
    そんなとき船乗りだという男ヨナ・サッカレーがやってきた。嵐が治まるのを待つまでの間、二人に怖い物語を話してきかせることに。9つの話が語られる。

    サッカレーが語る物語は短いので読みやすい。そして怖いです。
    が、この語り終わったあとの、10話目が面白いですねえ。やられたーーって感じ。ぞくってします。
    前作『モンタギューおじさんの怖い話』に続き、怖い話の第2弾です。

  • 前作と違い船乗りの話ということで、パターンが似通うのではないかと思ったが、サイコホラー有り幽霊譚有り怪物の襲来有りとバラエティに富んでいました。
    最後のオチの付け方ももの悲しさが漂い良かったです。

  • ホラーだが切なさ漂うの短編集。大人でも十分楽しめる。

  • 嵐の夜やってきた若い船乗りサッカレーが、がけの上に建つ家の兄妹にこわーい話を語る。絵もかなり好みでした。サッカレーの意味深加減が好きだった。

  • 船乗りには怪談が付き物。
    暴風雨を避けて陸に下りた船乗りサッカレーが怪談好きの宿屋の子供たちに物語る恐ろしい物語の数々。

    前作に比べて生理的嫌悪感がパワーアップしています。
    カタツムリとかもうぞわぞわして気持ち悪い気持ち悪い。
    船という密室で繰り広げられる恐怖には逃げ場がないからより怖さが増して増して…!

    表紙絵の子供たちの暗い目が物語っているとおりの結末が待っているのですが、悲しいけれど安らかな気持ちになれるのは作者の愛情のおかげでしょう。

    サッカレーがもたらしたものは救いだった。
    それが受け入れがたい現実だとしても、
    知らない不幸より知ってしまった不幸のほうが人は安らげるはず。

    おやすみなさい。もう怖い夢を見ないように。

  • シリーズの第1巻から読んでいるが、怖さは増しているようだ。原題と雰囲気が違う和題に少し戸惑いを感じる。ピロスカは絵からロシアン人形のようだ。イレズミではTATOOではなく日本語を採ったところからアートの意味であると解釈した。(刺青にはたぶん著者も知らないであろう歴史がある。)最後の描写は目に映るようであった。ボートの乗った少年あたりからだんだんと怖くなってきた。サルの意表をつく結末が一番面白かった。泥ではホフマンを想起した。スクリムシャーは第1作の“盗む”事を思い出す。最後にトリカブトで短編集の結末を全体として締めている。

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船乗りサッカレーの怖い話の作品紹介

「あわれな船乗りを助けてくれないか」嵐の夜、その男はやってきた。全身ずぶぬれで、まるでたったいま海からあがってきたみたいだ。「恩に着るよ…嵐がおさまるのを待つあいだ、物語を二つ三つ聞かせるというのはどうだ?ただ、おれの話は子どもには残酷すぎるかもしれないが…」。

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