- Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
- / ISBN・EAN: 9784652079799
感想・レビュー・書評
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梨木香歩、素晴らしいです。この現実ではまどろっこしい人間のやりとりを的確に、明晰に描き出すその力。そして考え抜かれ、選ばれただろうと思わせるテーマたち。読み進めながら、「残りのページ数でこれだけの素材が消化出来るのか!」と思いましたが、心の底から満足な読書体験でした。
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いろんなことを考えさせられる作品。
14歳が語っているから、難しくもない。
私は、そして私たちはどう生きるか。
どう生きていけばいいのか。
中学生に読んで欲しいと思った。 -
梨木さんにガツンとやられました。
読み終えるまでに少し時間がかかったのは、本を閉じて考える時間が必要だったから。
読んでいる最中に、今までの自分の振る舞いを振り返ること、しばしばでした。
まさにタイトル通りの問いを読者に投げかけてくる1冊です。
14歳の少年・コぺル君。
彼が綴った「僕の人生に重大な影響を与えたと確信している出来事」を、読者は読み進めることになります。
分かりやすい文章だからこそ、メッセージが直に伝わってきて、頭に胸にぐわぁんと響くのです。
一対多。個と群れ。「自分を保つ」とは?
ヤングアダルト向けの本ですが、大人の方にも読んでもらいたい本です。
あくせくした時代の流れの中で、立ち止まって考えてみてください。
「僕は、そして僕たちはどう生きるか」 -
伝えたい部分のわかりやすさは、十代の少年・少女にも十分伝わる丁寧な書き込み。自分の頭で考えて判断・選択することの意味がどれだけ重要なことかを伝えるため、小説というツールを使って教材用に書かれたよう。一方で、日常、無難・追従という枠に収まることで自己肯定しているいっぱしの大人達への警鐘でもある。
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今、この時期にたくさんの方に読んでいただきたいと思います。
自分の思考をあいまいにせず。出会う出来事に対してどう対応していくか。自分がマイノリティな立場になってしまった時も、信念を持って生きていく強さを持つ事の大切さ等。登場人物のエピソードを通じて10代の頃の自分を思い出しながら読みました。西の魔女~もとても良い本ですが、もう一歩進んで世界を捉えていこうとする10代の方たちに手にとってもらえたらいいなあ。私もその頃に読んでみたかった。全員ではないだろうけど、少し大きく呼吸が出来る様になる人もいるはずです。 -
救われた
毎日這うように、生きていて、
どう生きたらいいんだろう、どうして僕が生きているだろう
なんて
どこにも行き着かない、気持ちばかりぐるぐる、抱えて。
今も、それは変わらないけれど
どっか、救われた。
生きなくちゃ。
これから何度も、この本に向き合うだろう。
できるなら今よりほんの少し、ましな自分になれるよう
生きていたい -
十四歳のコペルは叔父のノボちゃんとよヨモギ探すために学校に来なくなった友人の古い屋敷をたずねる、そこで起こった一日の出来事の物語。
ユージンの家の屋根裏で古い本をいっぱい読んだこと、ユージンのいとこのショウコとヨモギ団子を作ったこと、インジャの身の上に起こったこと、兵役を拒否して洞穴に隠れてた男のこと。そして友達だったユージンが学校にこなくなった本当の理由とは?
人は群れから離れて生きていけるのか?コペルはいろんなことを考える。
ゆるやかな群れの必要性を感じながら考え続けて生きていく。
「やあ。よかったら、ここにおいでよ」
青少年向きと言ってもいいような内容ながらすごく哲学的でいろんな問題を提起させていく。まったく関連性はないんだけど川上美映子さんの「ヘヴン」を読んだときのような衝撃感があった。
読み終わったあと、いろんなことを考えさせられ深いものが心の奥にずっしりと残る、そんな作品でした。