- Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
- / ISBN・EAN: 9784652086025
感想・レビュー・書評
-
作者が試みたファンタジーとミステリーの融合。
そう言う視点から見ればよくできているのかもしれないけれど、結局のところ少女たちの人間関係はぼんやりとしたまま。クイーンの登場も唐突、となかなかついていけなかったのでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
山田正紀、2007年発表のYA向けミステリー小説。
主人公の14歳の少女の語る物語り。
恐竜の化石が出土することで有名だという北陸の架空の街が舞台。
化石発掘現場近くで起こった死亡事件に巻き込まれる主人公。
事故なのか、殺人なのか。
20年前にも死亡事故が起こっており、どちらも背後に恐竜の影が見え隠れし・・・。
幼馴染みの3人の少女たちがそれぞれに違った具合にとんがっていて良いです。
出てくる大人たちは皆屈折していて情けないような人間ばかり。
事件もすっきりとは解決せず、思春期の少女たちの精神的自立を描いただけのほろ苦い物語りです。
キャラクターもストーリーも良いし印象的なラストです。
しかし、中学生の語る物語りということで、中学生の作文のような文章が続きうんざり。
また、ファンタジーとミステリーの融合と謳っているけれど全然ファンタジーではありません。 -
ジリジリと胸を焼くような焦燥感。青春小説やYA小説を読んでいると、そんな感じがすることが多々あります。今回もジリジリしながら読みました。
中学校の教師が恐竜の発掘現場で死体となって発見される。しかも恐竜が犯人であるという声が。
話の中心となるのは中学生3人。その3人とも自分の都合のみで事件に関わっていく。そのドライさが却って子どもっぽく思わせる要因になっているのが面白いです。しかも話が進むに連れて何かを諦めることを知っていくという展開は、よくある成長譚とは別の少女の歩みを見せられて、そこにより一層焦燥感を覚えました。
恐竜が本当にいるのかも知れない。昔、恐竜と出逢った記憶がある。そのことはファンタジーというよりは郷愁感に近いかも。焦燥感と郷愁感が混じり合い、YA小説として類を見ない独特の雰囲気があります。 -
恐竜の化石発掘がらみのミステリー。
ある日、ヒトミの先生がまるで恐竜に殺されたような死に方をした。
ところが、前にもまるで恐竜が犯人かのような事件がおきていた。
幼なじみの少女たちが、事件の謎に挑む。 -
ファンタジーテイストっぽいですが、しっかりミステリ。「恐竜が犯人」でなくて安心しました(笑)。
いや、まあまともな(というのも妙か?)ミステリだと、「恐竜が犯人なわけないだろ!」の一言で否定できるんだけど。あえてそこに論理的な考察が入るのは面白いぞ。ありえるはずがないことなのに、大真面目に「恐竜が犯人でない理由」が述べられてるのって、なかなか珍しいかも。 -
YAですが、ミステリーです。ミステリー初心者にお勧め
-
恐竜で有名な町で起こった殺人事件。それに関わった幼なじみだけど微妙な距離を保っている女子中学生3人の捜査
正直、イマイチ…提示された物事が解決していない気がする。
代わりに、ど〜でもいい人間関係が露呈したり。
終わりに対して驚きを禁じ得ませんでした
少女たちとしては成長して意義のある二日だったかもしれないけど、私としては無駄の多い一冊でした。
-
何かよくわからない。いまいちピンとこない。
でも、中高生なら何かを感じることが出来るのかもしれない。大人はそれを感じる力を失ったのかもしれない。 -
中学生向けのミステリ〜私はヒトミという名が嫌でモウマクと呼ばれたいが,呼んでくれるのは刑事の叔父しかいない。祖父の遺産を独り占めした母は成金趣味だ。北陸の県庁所在地の中学校に勤める映画部の顧問が恐竜発掘場で転落死体として発見された。私はビデオを編集ソフトが欲しくてヌードを撮らせた弱味がある。何としてもファイルを取り戻したが,相談できる相手は幼馴染みで,恐竜と一緒に遊んだ思い出のある恐竜オタクのサヤカと陸上美女選手のアユミしかいない。20年前の発掘現場で起きた事故を叔父がほじくり出し,アユミの母と死んだ研究者の秘密が明かされ,市長を狙っている県会議員の思惑が絡む〜映像作家になりたい,恐竜を研究したい,陸上をやる美少女,突然出てくる少年探偵。最後に辻褄を遭わせようとして力業に持っていってしまった。読んでみたいこのシリーズの本は,柳広治の『漱石先生の事件簿』だ