源氏物語 紫の結び(一)

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制作 : 荻原 規子 
  • 理論社 (2013年8月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784652200339

源氏物語 紫の結び(一)の感想・レビュー・書評

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  • 萩原規子による「源氏物語」の新訳。
    読みやすくするための工夫がなされています。

    光源氏の生い立ちの章の次に、幼い紫の上との出会いを持ってきて、印象を強くしてあります。
    順番を入れ替え、脇筋は省き、敬語もなく、和歌は意訳のみ、注釈などもつけずに、どんどん話が進む。
    停滞は確かに少ないですね。
    これなら読める、という方もいらっしゃるのでは。
    この後に、もう少し詳しいものを読んでみるという手もありますよね。

    紫の上は、確かに重要人物。
    ただ、藤壺を想ってもんもんとした年月、決められた結婚相手は冷たく、うまくいかない‥
    といった光源氏の気持ちはあまり実感として迫ってこないから、いきなり父親にも知らせずに、幼女誘拐?!という感じがしないでもありません。
    当時の同居しない父子の縁のはかなさや、男性が望めば事実婚になることなどを、示しているともいえますが。

    その後で、六条御息所という高貴な年上の女人とまで付き合っていたことや、許されない恋の藤壺とは密会しちゃったし~朧月夜の君にも手を出すし、明石の君にももう会うの?!
    って、ほんとテンポ早い、手も早い‥

    あの時代の結婚制度や源氏物語の成立についての説明が何もないと、初めて読む人はどうなのか‥
    いつ疫病で死んじゃうかわからない寿命の短い時代。
    結婚にも離婚にも制約は少なく、多くの女性を相手にしていた男性は珍しくなかった。
    貴族の男にとって恋愛も仕事みたいなもの、結婚は身分制社会を生き抜く命がけの政治なのよ~ただのサイテー男じゃないのよ!とか、何だか弁明してあげたくなります。
    でも飛ぶ鳥を落とすような勢いのプレイボーイ・光源氏の内心は、あんなこんなで、めめしいの‥ということを描いた作品でもあると思いますが(笑)

    一体どうなるの?と宮廷の人々の興味をさぞ集めたことでしょう!

  • これまで何度も読みたいと思いつつ読み進められなかった『源氏物語』
    母が揃えている瀬戸内寂聴訳の箱入り『源氏物語』全10巻があるのですが、数年前に最初の巻を読んでからずっと中断・・・

    もう読む機会はないかなと諦めかけていましたが、荻原さんの訳で全3巻と短いので今度こそ大丈夫かもと挑戦してみました。
    そしたら案外すらすらと読めたし、面白いではありませんか!
    はじめにによれば「帚木」「空蝉」「夕顔」「末摘花」を飛ばし、地の文から敬語を取り払い、和歌は意訳ですませているとのこと。


    >文章は訳文を基本として、短く切ったり語句を前後に入れ替えたりしましたが、解釈する以上に加えた創作はありません。~

    とあるように、ダイジェスト版とはいえ、挫折の繰り返しだった私にはうれしい達成感(笑)


    なぜか主役の光源氏よりも女性達に注目してしまいました。
    紫の上、藤壺の宮、桐壺の更衣、葵の上、六条の御息所、源典侍など、それぞれタイプが違って魅力的。
    今回は藤壺の宮、六条の御息所、明石の君が印象に残りましたが、読む年齢によって惹かれる女性が変わりそうで楽しみになりました。


    これから先は内容をほとんど知らないので、残り2巻もぜひ読まねば。
    光源氏の晩年を知り、読了後さらに大きな達成感を得られるといいなと思います。

  • 荻原規子の源氏、ちょっと期待しすぎたか。
    意外なほどに、古文に忠実なのではないだろうか。
    読みやすいとは思うけれど、彼女らしい物語性は感じられなかった。

    淡々と綴られていく物語は、多くを説明せず、語らない。
    そこは読者側の読解力、想像力にかかっている。
    試されている気がして、ちょっと息苦しい。
    まさに古典の世界。
    真摯に向き合うのも悪くはない。続きも読もうと思う。

    しかし、女性が作り出した人物なのに、
    光源氏の心理、行動は不可解だ。
    式部は理解していたのだろうか。

    なんで紫の上を思いながら、明石の君に会いに行けるのか。
    そして、様々な女性にかけ続ける情け。
    それは、優しさなんかじゃなく未練だ。

    一度に多くを愛せる男と一人しか愛せない女。
    全てはそこに起因するのではないだろうか。
    理解は出来ても、永遠に納得は出来ない気がする。

  • 荻原規子が書く源氏物語ということで、光源氏が女性に寄せる想いを熱く!熱く!熱く!それはもう情熱的に描いたものになるのでは!と期待していたけど、むしろ正反対でした。
    でも、決して悪い意味での正反対ではなかったです。
    原作のシンプルかつ洗練された美しい文章をそのままに、小難しくなくサクサクと読める源氏物語でした。
    他の訳者のものだと確かに注訳や解説のための文章が多くなるので、この作品は回りくどくなく、文章量が少なくとても読みやすいと感じました。
    でも、引き換えに当時の役職やしきたりに関する説明がほとんどないので、ある程度平安時代の知識がないと逆に難しくなってしまうかもしれません。

  • 源氏物語、現代訳。

    まずはなんといっても挿し絵を含む絵がすてき。
    表紙には愛らしい紫の上(おそらく)と、周りの花々が
    やさしく鮮やかに描かれていて。。
    お話は和だけど、絵は少し洋風な感じも新しい。
    今後、ニ、三と出版されるようなので、
    手に取るのが楽しみです。

    源氏物語自体、知ってはいても読もうと思うとっかかりもなくて。
    なので、こうして読みやすい現代訳はうれしいです。

    光源氏。
    容姿はすばらしいけれど、
    中身はけっこう普通の、悩める男子なんだなぁ。
    とっかえひっかえというイメージがありましたが、
    一度関わりを持った女性にはわりかし手厚く、
    それほど不誠実な印象がなくなりました。

  • 源氏の君…どうしようもないやつだな…!大和和紀さんの「あさきゆめみし」を読んでいた高校生の頃よりも、源氏の君のダメ男っぷりが際だって感じられたのは、年を重ねたせいでしょうか。「あさきゆめみし」を読んでいたときから、源氏の君より、友達の頭中将とかの方が好きだったけど。
    宮中で行われいていた風習や四季折々の描写が細やかで、ほんとうに美しい。原作に出来る限り忠実に読み下しているらしいのですが、美しさや人物描写が充分現代にも通じるというのが、不思議でもあり、人間である限り本質は変わらないのかなと思わされたり。
    折々に詠まれる歌もすてきだなぁと思った。歌を詠むことで、四季や花鳥風月をより敏感に感じられるようになるんだろうなという気がする。

  • 「源氏物語」の、荻原さん抄訳版。
    原作のなかでも特に光源氏と紫の上の物語を軸にして、細かいエピソードをそぎ落として、編んでいくという試み。
    子供が読んでもある程度わかるようにと、和歌の部分は、そのままをのせるのではなく、意味をざっくり書いている。とはいえいちいち現代語訳しているわけでもなく、「このわらわ病みってなに・・・?」とか疑問になる部分はそのままです。

    源氏物語は、学校の古典で原文を読んだくらいで、もちろんあらすじだけはざっとあたまのなかに入っている。・・・受験対策。

    だから、こういうふうにあらためて読み直すと、光源氏ってしょーもない男・・・という感想がすっごい湧き上がってくるんですが(笑)

  • 2014.10.7市立図書館
    光君が亡き母の面影をもとめて藤壺を、そして紫の上を慕い、また幼いみぎりに受けた占いのとおりに子に恵まれ政の要となる人生を中心にすっきり読ませる。丸谷才一や大野晋のいう傍系の「雨夜の品定め」や「夕顔」「空蝉」「末摘花」などは割愛して、敬語抜き、和歌も意訳のみで、注釈なしでもわかるように配慮した訳文で前へ前へ読み進められる。この巻は明石まで。
    それにしても光源氏はいくら見目麗しい優男であるとはいえ、勝手な男であるよ…藤壺も紫の上もとんだマザコン男の犠牲者にしか見えない。

  • 「源氏物語」のメインストーリーだけを抜き出した物語で、ものすごく読みやすいです。
    ある意味、今まで1番読みやすかった「あさきゆめみし」よりも、読みやすいかも。

    源氏物語には、作者複数説があって、特に、前半部と後半の宇治十帖の物語のことをいわれることが多いのですが、実は、前半部だけでも、「藤壺」-「葵の君」-「紫の上」-「朧月夜」-「明石の君」-「女三の宮」の貴種流離譚ラインと「空蝉」-「夕顔」-「玉鬘」の中の品の女ラインのお話で、作者が違うのではないかといわれたりしているようです。

    まぁ、作者が違うかどうかはわからないのですが、多分、書かれた順番は、メインの貴種流離譚ラインが書かれてから、サブの中の品の女ラインの話が書かれたのは、確かなような気がします。

    サブの話は、

    「もっともっと源氏の話を聞きたい」

    という声に応えて書かれた外伝みたいなものではないかと思っています。

    で、これは、そのメインのラインだけを書いていて、物語としてものすごく読みやすく、ストーリーの一貫性もあるのです。
    紫の上と源氏が出会うあのものすごく印象的なシーンは、たしかに、物語のこれぐらい前半部にあるべきだと思います。
    というか、今回、読んでて、「若紫」が物語のはじまりだったんじゃなかろうかとすら思ったりしました。

    まあでも、誰に向けて書かれているのだろうというのは、謎ではありますね。
    この本を読んでもらいたいと思っている年齢層って、いくつぐらいなんだろう。
    中学生以上出ないとつらいし、ほのめかしとか考えると、高校以上かなぁという気がします。

    この書き方で、メインラインを書いた後、サブのラインや、宇治十帖も、荻原 規子に書いて欲しいとちょっと思った。

    俵万智の「愛する源氏物語」以来、宇治十帖が好きなのです。

  • 源氏物語は原典を読みました!と言えたら、どんなにカッコイイか(^^;)原典はほんの少し古典の授業でしか読んでいないし、新訳も途中で挫折(T.T)全てを読んだのは大和和紀さんの「あさきゆめみし」のみ(--;)荻原さんの源氏物語は紫に縁のある主要な帖を組み換えて訳されているので完全版ではないけれど、古典の雰囲気を壊さず満足できる内容(^^)一巻は光源氏の誕生~明石滞在

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源氏物語 紫の結び(一)の作品紹介

紫の上を中心に帖(章)を再構築しているスピード感のある新しい「源氏物語」

藤壺の宮の面影を持つ少女との出会いを最初に据えて、光源氏の一生を、藤壺の宮、紫の上との関係性を軸に追っていきます。源氏物語の根幹にある流れを先にまとめたことにより、光源氏とそれを取り巻く人々が新しく鮮烈によみがえってきます。

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