近代地図帳の誕生: アブラハム・オルテリウスと世界の舞台の歴史 (臨川選書 11)
- 臨川書店 (1997年6月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
- / ISBN・EAN: 9784653033042
作品紹介・あらすじ
大航海時代の成果を世界初の近代地図帳に結実させ、地図史上に輝かしい名を残すA.オルテリウス(1527〜1598)。その生涯と偉業を多数の図版とともに解説する。
感想・レビュー・書評
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近代地図帳の誕生―アブラハム・オルテリウスと『世界の舞台』の歴史 (臨川選書)
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●構成
第1章 はじめに
第2章 アブラハム・オルテリウスの生涯(1527-1598)
第3章 1510-1570年におけるヨーロッパ地図学の構造
第4章 1570年の『世界の舞台』諸般
第5章 賞賛と批判
第6章 1570年以降の『世界の舞台』の発展
第7章 『世界の舞台』初版所収の地図に反映された16世紀後半における地図作成の状況
あとがき
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16世紀の地図作成者として一人挙げよと尋ねられた場合、殆どの人はメルカトールの名前を挙げるであろう。もちろん、それは問題ない。しかし当然、メルカトールの他にも、地図作成者、地理学者、地図学者は多数存在する。本書はメルカトールと同時代に生き、メルカトールと共に実見の旅へ行き、互いに影響され賞賛しあった地図作成者であり地理学者でもある、アブラハム・オルテリウスの生涯と、彼の代表的な出版物である『世界の舞台』についての詳細な情報を記している。
また本書は、オルテリウスの生きた16世紀のヨーロッパでの生活について、特にオルテリウスが住んだアントウェルペン(アントワープ)という街について、一人の科学者を中心に叙述している。
オルテリウスの手による『世界の舞台』は、ヨーロッパ各国の学者や王侯に求められた。『世界の舞台』は何度も改定され、新大陸や東アジアの地理を含めた当時の最新情報を盛り込んでいった。
あくまでもオルテリウスを中心に叙述しているため、他の地図製作者や地理学者については、オルテリウスとの関係においてのみ記されている。その点に留意して読む必要があろう。