物語がつくった驕れる平家 貴族日記にみる平家の実像 (日記で読む日本史)

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著者 : 曽我良成
  • 臨川書店 (2017年2月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784653043522

物語がつくった驕れる平家 貴族日記にみる平家の実像 (日記で読む日本史)の感想・レビュー・書評

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  •  此一門にあらざる者は皆人非人なるべしとぞ平大納言時忠卿ののたまひけると平家物語はいうけれど発言を裏付ける記録がないので人非人の用例を大鏡無名抄曽我物語川上宗二記にみた。赤い直垂の禿童が平家の悪口をいう者の財産を没収し六波羅に引っ立てたと平家物語はいうけれど京童部は手ごとに刀をぬきて検非違使と敵対しているので日本一の京童を玉葉にみた。

    『儀式などへ参加が決まった時、貴族は同じ役割を果たした先祖の日記の当該部分を探しだし、その作法や手順を身につけて当日に臨む。そして儀式が終わったら、その当日の自分の動き、失敗、気づいた点を今度は自分が日記に記録しておく。 記録しておくのは自分の動きだけに留まらない。その儀式の参加者のいろいろな動き、そのとき左大臣はこう動いた、右大臣はこう発声したなど、わかる範囲で全て書き留めておく。自分の席から見えないような場面は、あとからそれを見ることが出来た同僚などにきいてできる限り詳細に記録していた。』10頁

  • そもそもこの時代の日記とは…という初歩的なところから解説が入ったので有難かった。何となく自分の中で抱いていた「日記」の認識とはだいぶ違っていて…もう少し早くに知っておくべきだったなぁと反省。平家物語は「物語」であり史実ではない(残した方は歴史を残すつもりで作ったと思うけど)けれど、殿下乗合事件の清盛、重盛、周りを取り巻く環境…の章は私には初めて知ることばかりで驚いた。「おわりに」にあった「物語の重盛像の方が史実に近く、歴史学者の提示した重盛像の方が誤っていた。そんな事例もあるので事はそう容易ではない」の言葉が、実に深く刺さった…。そういや以前読んだ本に「〜であった、ということは容易いが、〜ではなかった、と言うことは難しい」と書いてあったような。これからも新しい発見や解釈がどんどん出てくるのか、すごく楽しみ。

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物語がつくった驕れる平家 貴族日記にみる平家の実像 (日記で読む日本史)の作品紹介

一時は権勢を誇りながら、驕り高ぶり、遂には滅びた一族「平家」。長らく受け入れられてきたこれらの平家像は多分に『平家物語』の影響によるものだった。『玉葉』『小右記』などの貴族日記を丹念に読み解き『平家物語』と比較することで、物語がつくりだした平家像を浮かびあがらせ、従来の解釈とは異なる彼らの実像に迫る!


【目次】

序章 史料としての平安貴族「日記」
一 史料としての貴族「日記」/二 貴族「日記」に書かれたこと――「天に代わって」お仕置き?/三 物語の怖さ――より「頼長的」な頼長

第一章 「平家に非ざれば人に非ず」
一 「人非人」と「人に非ず」/二 「人非人」の用例と意味

第二章 禿童――貴族の情報戦略
一 禿童の存在――「童」は子供か?/二 京童――六二歳の京童/三 情報の捏造――「渡世」の方法

第三章 殿下乗合事件――平重盛の名誉回復
一 殿下乗合事件の概要/二 物語と史実との間

第四章 兄弟による左右大将独占
一 近衛の大将/二 平重盛の右大将就任/三 平宗盛の右大将就任/四 人事権について/五 藤原成親の恨み

第五章 安元白山事件
一 物語の描く事件/二 貴族「日記」に記録された事件/三 「物語」と「日記」の違い

終章

参考文献/おわりに

物語がつくった驕れる平家 貴族日記にみる平家の実像 (日記で読む日本史)はこんな本です

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