福島と原発―誘致から大震災への50年

  • 40人登録
  • 3.40評価
    • (1)
    • (1)
    • (2)
    • (1)
    • (0)
  • 5レビュー
  • 早稲田大学出版部 (2013年7月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784657130174

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
いとう せいこう
タル・ベン・シャ...
三浦 しをん
ジョセフ・E・ス...
クリス・アンダー...
ジャレド・ダイア...
トマ・ピケティ
ヴィクトール・E...
有効な右矢印 無効な右矢印

福島と原発―誘致から大震災への50年の感想・レビュー・書評

  • おもな産業は第一次産業。農閑期になれば男手は都会の建設
    現場へ出稼ぎに行く。自治体の財政は危機に瀕し、将来には
    暗雲が垂れ込めていた。

    そこへ持ち上がったのが原子力発電所の建設だった。出稼ぎに
    行かなくてもいいように雇用も生まれる。固定資産税等の税収
    で財政も持ち直せる。

    原子力と聞けば原爆に結び付くが、原子力発電所は安心・安全
    だと言う。ならば、地域を活性化する為に共存共栄出来るので
    はないか。

    しかし、夢のエネルギーだった原子力発電所はあの日、すべて
    の夢どころか、故郷さえも奪った。

    地元紙による、福島と東京電力福島第一・福島第二原子力発電所
    の50年の歴史をひも解いた連載記事の書籍化である。

    福島第一原発事故を扱った作品では事故後の国と立地自治体の
    両方の動きを時系列で追ったものが多いが、本書は地元紙で
    あるだけに福島はどうして原発を受け入れたのかから始まり、
    原発マネーに絡めとられて行く自治体の姿も描いている。

    関東で、原発から送られてくる電力を消費している身として
    は立地自治体の動きを批判できる立場ではない。だが、ある
    程度の年齢になってから原子力発電所の安全性に懐疑的だった
    身としては、何故、安全神話に頼り切ってしまっただのだろう
    との思いが残る。

    立地自治体は原発マネーで恩恵を受けたではないかと言う人が
    いる。だからといって、故郷が汚染されていいはずはない。

    結局は原発を受け入れた自治体はこの国のエネルギー政策に
    翻弄されていたのではないか。安全基準は国が作る。だが、
    そこには原発に批判的な研究者の意見は取り入れられない。

    過酷事故を想定するだけでも禁忌だった。だから、複数の
    原子炉が同時に深刻な状況に陥る想定なんてしなかった。
    その想定しなかったことが起きてしまったんだよね、あの
    3月11日に。

    悲劇は2011年3月11日に起きたのではない。日本が原子力の
    平和利用を考えた時から始まっていたのだ。

    新聞連載だったので繰り返しの部分が多いのは仕方ない。
    それでも、悔恨の思いを抱える多くの人に取材し、福島と
    原発の歴史を丹念に追った力作である。

  • 福島エリアの新聞記事の寄集めなので、地元向けの目線、また重複部分が多い。各章で結論みたいなものはなく、課題提起や事実報道が多い。
    しかし、内容は非常に詳細でわかりやすい。丹念な取材に基づいたものだとわかる。特に福島が原発推進を行ってきた状況や国や東電と地元の関係の機微な部分は辛い話。

  • 地元紙である福島民報による原発誘致から事故後までの50年史。
    申し訳ないが、朝日•中日に比べると文章力•取材力が格段に落ちる。いや、まぁ、中の人達は頑張っておられると思うし、県庁や町役場の方々の情報については地元紙ならではのきめ細かさはあるのですが、地元だからこそ後一歩踏み込めてない感もあります。

  • 人に、実際には有り得ない「希望」を与えるようなコトをしたと言うコトですね、電力会社は勿論、科学者や政治家が、、、

    早稲田大学出版部のPR
    「地元紙が見た人々の期待と現実。新聞協会賞《2012年度》受賞の執念の報道を再現。

    ・・・古里を奪はれ帰る場所もない棄民の群れの痛みも判らずにひたすら国の繁栄を唱える施政者とこの国の国民は,もはや人間失格である。福島の人々が懸命に取り組み続ける地方の現実の厳しさを今一度更めて凝視し直してほしい。
    --倉本 聰」

全5件中 1 - 5件を表示

福島と原発―誘致から大震災への50年を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

福島と原発―誘致から大震災への50年を本棚に「読み終わった」で登録しているひと

福島と原発―誘致から大震災への50年を本棚に「積読」で登録しているひと

福島と原発―誘致から大震災への50年の作品紹介

地元紙が見た人々の期待と現実。日本新聞協会賞《2012年度》受賞の執念の報道を再現。<br><br>・・・古里を奪はれ帰る場所もない棄民の群れの痛みも判らずにひたすら国の繁栄を唱える施政者とこの国の国民は,もはや人間失格である。福島の人々が懸命に取り組み続ける地方の現実の厳しさを今一度更めて凝視し直してほしい。<br>ーー倉本 聡

ツイートする