新しい平和構築論

  • 明石書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750320724

作品紹介・あらすじ

コソボ,ルワンダ,東ティモール……紛争の絶えない現代に私たちは平和のために何ができるのか。選挙監視,除隊兵士支援などの活動に携わる執筆者陣が「平和構築」の概念・理論を実証的な事例を用いて紹介。紛争予防から復興支援までを見据えた入門書。

感想・レビュー・書評

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  •  NGOなどの実務家が中心になって書かれた平和構築に関する書籍。一応、法制度、国連、武装解除、難民、人間開発等、色々と分けてはいるものと相互に関連性があり実務家が多いのである意味で強い同質性は感じるが、視点を変えれば本書を読みやすくしているともいえる。
     著者の一人であり元民主党代議士であり須藤信彦氏は私の実家の選挙区だが、氏の冒頭の論文は若干、一般論的な主張が多く、導入としての章はせめてきちんと学術的体系を持たせるか、さもなければ決めつけた様な言い方は避けるべきだと思う。また、この本の著者陣の論文から平和構築に興味を持った人々が自ら研究を進める先行研究が示されていない点(参考文献はあるが、いずれも著者陣の著作とわずかな邦文、それも多くの章でこれが重なっている)は残念である。その意味でいえば、学部生が「動機付け」に読む書籍だろう。後半の実務家の経験に基づく話はおもしろかった。
     日本の場合は、やはり東南アジア支援がメインだが、これらの国の背景説明としてアンダーソンの本を読んだ後なので余計に理解は高まった。

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著者プロフィール

北海道生まれ。大学時代にバックパッカーを経験し、米国オハイオ大学大学院東南アジア研究科を修了。その後、定時制高校教諭時代に東京都立大学大学院博士課程に在籍。10年間の高校教員を経て、1995年から大学教員になる。独立直後の東ティモール国立大学客員研究員、台湾国立政治大学客員教授、現在はベトナム国家大学ハノイ校日越大学日本学プログラム共同学科長を兼務。社会活動として、開発や平和構築系の国際NGO代表、国連UNHCR協会理事、JICA専門家、外務省ODA評価主任や、アジアの紛争後国家の国際選挙監視員にも多数参加。現在、日本東ティモール協会副会長を務め、東ティモールの国家建設を支援。2009年4月より早稲田大学社会科学総合学術院教授。神戸大学博士(政治学)。
専門は、国際関係論、国際協力、平和構築、東南アジア政治。
主要著書として、『平和構築のトリロジー-民主化・発展・平和を再考する』(明石書店、2021年)、『新しい国際協力論-グローバル・イシューに立ち向かう【第3版】』(共編著、明石書店、2023年)など、その他多数。

「2024年 『国際協力入門 平和な世界のつくりかた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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