- Amazon.co.jp ・本 (203ページ)
- / ISBN・EAN: 9784750329659
作品紹介・あらすじ
2000年代に頻発した少年による“不可解な凶悪事件”の数々。事件の背景を精緻に解明することなく、問題は個人の責任に帰され、少年法の厳罰化へと向かっていった。事件の背後にある「関係の貧困」の本質と「個人責任化」の正体をあぶりだす刺激的な論考。
感想・レビュー・書評
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うーん、作者の意図として加害者が発達障害を抱えていてはいるけれども、因果関係的には関係ないということを言いたかったのだと思いますが、そういう構成になっていない感じでした。
タイトルの内容は統計的に既に知られた内容です。この本は基本的に公開されている情報を中心に書いているので、なぜ統計的な数字で論拠を言わないのかなぞです。定性的な内容で証明しようとするのは、そもそも無理があります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読んで考えさせられるのは、確かに加害者には発達障害があるが、発達障害は必ずしも犯罪には繋がらない。そこに圧力などが加わることに問題があるのだ、ということ。
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精神科医が自分が担当していないケースを新聞の情報(プラス実際に面接している場合もある)から、診断し、論じるということや、いくつかの事件を並べてその類似性や問題を論じることは、正直どれだけ意味のあることなのかわからない。
最近のマスメディアの少年事件における「発達障害」の語られ方については、問題があるとは思う。また「関係の貧困化」は現実の子どもたちの状況と親子関係の難しさ、「個人責任化」はマスメディアの切断操作の一種として理解できる。 -
精神科医である著者の、昨今の少年事件でよく取りざたされる発達障害について、裁判や報道における扱われ方に警鐘を鳴らした著作。
私自身、発達障害についてはある程度知識があるので、著者の言いたいことはよくわかるし、非常に大切なことを言っているのも理解できるが、いかんせん抽象的な表現を多用していて分かりにくく、ちょっと独りよがりな感じ。
具体的な事件から考察しているのだから、もっとシンプルな表現で具体的に一つ一つ考察していったほうが、リアリティを感じられて発達障害についてよくわからない人にも確実に訴えられたような気がする。 -
部分部分では大事なこともかかれていたけど、もっと万人が納得しやすいような根拠を基に考察してほしかった。そういう意味では消化不良の感が強い本だった。