精神鑑定とは何か―責任能力論を超えて―

著者 :
  • 明石書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750332925

作品紹介・あらすじ

精神鑑定はどんな手続きで実施され、何を鑑定し、裁判にどのような影響を与えるのか。精神鑑定の基本に加え、「責任能力鑑定」を偏重しがちな日本の司法における「情状鑑定」の重要性を説く。近年注目されている自閉症スペクトラム障害の精神鑑定についても言及。

感想・レビュー・書評

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  • 責任能力だけ強調されていたが、精神鑑定には訴訟能力、受刑能力、情状鑑定などの項目がある
    覚書
    鑑定人性、治療者臨床医性が最低限度必要
    可知論と不可知論
    有罪ただし精神疾患
    保護処分(保護観察、少年院送致、児童施設送致)
    累非行性 矯正可能性 保護処分相当性
    少年責任能力 必要説非行事実重視 不要説要保護性重点

  • 起訴前鑑定とは何か、など、一般的な説明もあるが、著者の個人的な思いによるところも多い。全般に、精医連的なニュアンスが強く、文中に引かれている人名もそっち系の人が多い。当然、医療観察法は保安処分だ、措置入院も廃止せよ、という意見が開陳されている(しかもそれなりの量)。

    あとは、最近の厳罰化傾向に対する批判、情状鑑定の重要性、発達障害は責任能力ありでもよいが人格障害と同様に扱うのは疑問、など、クセはあるものの頷ける意見が多い。

  • 以前、福島章著のぶるーバックスで「精神鑑定とは何か」を読んだことがあるが、理論以上に、現実の裁判としてどのような形で、どのような説明があるのか、具体的な解説が多かった。

    起訴前判定、公判鑑定と私的判定、訴訟能力の判定、責任能力(弁識能力と制御能力)、情状判定、受刑能力の判定と医療観察法、少年事件の判定、自閉症スペクトラムなどの専門用語が簡単に解説されており、非常に良かった。

  • - P. 20 吉田哲雄
    - P. 21 光化学スモッグ
    - P. 41 2011/01/21 17:59
    - P. 76 西山詮
    - P. 78 中田修
    - P. 81 ダスキー基準
    - P. 92 心神耗弱
    - P. 94 2011/01/23 21:07
    - P. 128 2011/01/25 04:39
    - P. 168 山崎俊恵

  • 精神鑑定はどんな手続きで実施され、何を鑑定し、裁判にどのような影響を与えるのか。精神鑑定の基本と同時に、責任能力鑑定を偏重しがちな日本の司法における情状鑑定の重要性を説く。近年注目されている自閉症スペクトラム障害の精神鑑定についても言及。

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著者プロフィール

1953年生まれ。精神科医。岐阜大学医学部卒。岐阜赤十字病院精神科部長、岐阜大学医学部精神病理学分野准教授などを経て、現在、岐阜県立希望が丘こども医療福祉センター。自閉症スペクトラムの臨床研究、少年事件の精神鑑定、不登校・引きこもりの臨床社会的研究などに取り組む。日本児童青年精神医学会理事。雑誌「精神医療」(編集=「精神医療」編集委員会、発行批評社)編集委員。主な著書に『発達障害は少年事件を引き起こさない』『精神鑑定とは何か』(ともに明石書店)、『やさしい発達障害論』(批評社)、『自閉症論の原点』(雲母書房)など多数。

「2019年 『いかにして抹殺の〈思想〉は引き寄せられたか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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