二極化する若者と自立支援―「若者問題」への接近―

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  • 明石書店 (2011年11月23日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750334936

二極化する若者と自立支援―「若者問題」への接近―の感想・レビュー・書評

  •  本書は、複数の執筆者による論稿を集めたものです。そのため、各章単位に区切られていますが、全体としては、やや散漫な、というか、まとまりが不十分な感じがします。各執筆者の論稿を並べただけでなく、それらを連結する、まとめの文章があると理解しやすいと思いました。しかし、そのためにさらに厚い本になるよりは、このままのほうが手に取りやすいかもしれません。それだけ若者問題の背景は多様で、各方面からのアプローチが必要とされていることの表われとも言えるでしょう。

     仕事をしている若者の減少は、税収の減少となり、社会保障の規模を縮小させることにつながります。つまり、失業者が多ければ多いだけ、社会保障費は削られていく。安定的な社会保障制度を維持するためには、若者問題は避けて通れません。若者が雇用=安定した収入を得られるよう、社会制度を整備する必要があるといえます。公的支援だけでなく、企業に対しても、非正規雇用の従業員に対して能力開発の機会を提供し、キャリア形成、正規雇用への道筋を示して、若者が安定した就労を目指せるようにすべきなど、様々な提言が出されています。

     しかし、難しいのは、これらの論考をいかにして政策立案、遂行に活かしていくか、具体化していくかというところだと思います。企業、教育、福祉各分野の共通理解を得て、新たな就労支援を実現していくのに、時間的余裕はありません。若者問題について、もっと周知されるべきだと思いました。

    (以下、<はじめに>より引用)
     検討に当たってのポイントは次の点である。
     第一に、若者にとって仕事は、収入、安定した生活の源であるだけでなく、社会へ参加し、役割を取得し、社会関係を築き、自信と自尊心を得るのになくてはならないものである。労働を通した福祉(労働福祉・ワークフェア)が強化される社会状況のなかで、仕事に就くための社会的支援はきわめて重要になっている。どのような若者も仕事に就いて自立できるための社会的支援を続けることは必須条件である。
     第二に、安定した成人期に達するまでに長い期間を必要とする現代では、この時期の試行錯誤を許し、そのための物心両面の支援をする社会環境を整備することが必要である。「親まかせでよい」とする社会環境のなかでは、親に頼る条件のない若者たちは、社会の底辺に追いやられてしまう。工業化時代のように学校と会社とが直結し、会社に入ってから教育訓練を受けて一人前の職業人・社会人へと育っていった時代とは異なる仕組みが必要である。
     第三に、生育過程の貧困と家庭の弱体化が、学校教育への不適応を招き、早期中退の原因となり、その後の低学力・低スキルが不安定雇用の原因になっている。このような現実を踏まえて、低成長時代には、意図的な取り組みが必要である。

  • 自立という言葉にはステップがあり、伴走支援が必要。
    こういった問題は家庭環境や経済的な環境がに原因があったが、現代は大卒者も含めた若年層を含めた高齢化が大きな社会問題。
    最も優先すべき解決課題。

  • 2011年12月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。展示期間終了後の配架場所は、開架図書(3階) 請求記号:367.68//Mi77 

    【選書理由・お勧めコメント】
    この書籍は、9人の共著となっており、そのうち1人は、'08年末年越し派遣村村長を務めた湯浅誠氏がいる。本来、若者は就業し、収入を得て、安定した生活を送らなければならないはずなのに、構造が歪んでいるせいか格差が生まれてしまっている。また、生育環境が違えば尚更・・・。それぞれアプローチは異なるものの、実態や政策提言がされている。労働法分野、労働社会学に興味がある人は現状を知るための一冊だろう。(社会経済システム学科/2年)

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二極化する若者と自立支援―「若者問題」への接近―の作品紹介

二極化する社会の中で排除され貧困化する若者たち。学校、就職、終身雇用というこれまでのレールが機能しなくなった今日、若者の自立はいかにして可能か。教育、企業、地域社会のさまざまな現場にひそむ問題を明らかにし、今後の具体的な解決策をさぐる。

二極化する若者と自立支援―「若者問題」への接近―はこんな本です

二極化する若者と自立支援―「若者問題」への接近―のKindle版

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