女吸血鬼カーミラ

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制作 : 長井 那智子 
  • 亜紀書房 (2015年1月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750514246

女吸血鬼カーミラの感想・レビュー・書評

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  • 「カーミラ、あなたは恋をしたことがあるのね。恋ってきっと、こんな夜に始まるのね」
    私がつぶやくと、カーミラは少し恥ずかしそうにいいました。
    「私はだれとも恋なんてしたことないわ。あなたが大好きなの。これからだって、あなたとでなければ、恋なんてしないわ」
    月光を浴びたカーミラが、この時ほど美しく見えたことはありません。
    ー中略ー
    「ローラ、私はあなたのなかで生きていますわ。そしてね、あなたは私のために死ぬの。そうよ、こんなにもあなたを愛しているんですもの」

    女の吸血鬼という珍しい設定に惹かれて読み始めた。しかもオーストリアの寂しいお城に住む少女の一人称だなんで、あらすじだけでドキドキする。
    太陽光は結構平気、聖歌がものすごく苦手、血というより精気を吸ってる感じ、など現代の設定との違いが見れて面白い。
    特定の相手に執着を抱く過程は恋に似ているという、ちょっと胸キュン要素も含んでるので、仄暗い女の子同士の恋と見れなくもない。
    カーミラは何度もローラに情熱的な愛を囁いているけど、あれはどこまで本当なのだろう。次々色んな女性を取り殺しているわけで、恋にしては軽薄な気もするんだけど…と言うかその人達が吸血鬼になってないか心配なんだけど…母親役?の婦人や顔色の悪い召使みたいに使われてないかしら。
    でもローラの場合はまだ小さな子供の頃に一度目をつけられていたくらい魅力的なようだから、特別好かれてた可能性はあるか。
    細かい疑問はともかく、王道の取り殺し系妖魔の物語として、とても雰囲気のある名作でした。特に最後の、いまでもカーミラの足音が聞こえる気がするってとこ、絶妙な読後感でとても素敵。

  • 57年ぶり新訳版、刊行の間接的きっかけに2014年の集英社みらい文庫のヤングアダルト版「吸血鬼ドラキュラ/女吸血鬼カーミラ」があったと知り、得心がいった(訳者は共に長井那智子さん)。

  • 吸血鬼物が好きで、ドラキュラにも影響が出てる作品らしいので読んでみた。
    少しホラー感があるけど、怖くないかわりに、なんだか妖艶な美しさがあって魅了された。
    でもドラキュラより先に書かれ、影響を与えた割には知名度低いし…

    エンディングなんてカーミラ滅ぼしてハイ終わりって、それでいいの?!カーミラに殺されたとおぼしきスピエルドルフ将軍の養娘は蘇っちゃうんじゃないの?
     カーミラだって最初から吸血鬼だったわけではなく、吸血鬼の犠牲者となったせいで彼女も吸血鬼・加害者になったのだと男爵が言ってるじゃないの。
    少し終わり方に納得がいかなかったし気になる…もう少しエンディングをしっかりして欲しいかなって思った。

  • 装丁、フォントといい、雰囲気のある本。
    19世紀に書かれたこの物語は、日本でずいぶん昔に翻訳されて以来、実に57年ぶりに新訳されたのだとか。
    一度は読んでみたいと思っていた本だったので嬉しい。
    (本屋でみつけたときには、見間違いかと二度見したほど)
    肝心な内容の方は、19世紀ヨーロッパの人々は、こんなのが怖かったのかしら?程度のホラー感。
    しかし怖くないかわりに、なんだか妖艶な美しさがどことなく漂っているので良し。
    こういう怪しい美って人を惹きつけるよねー。
    レ・ファニュの他の作品も気になるところ。

  • 言わずと知れた吸血鬼カーミラの新訳です。
    吸血鬼ドラキュラにも影響を与えた名作であり、多くの点で個性が光ります。
    物語は日記調で進み、吸血鬼との掛け合いがまるで少女同士の同性愛のようです。
    しかし、王道の起承転結に則っているため、個性的でありながら古典小説でもあるのです。
    1872年に世に出された「Carmilla」は100年以上経った今でも不朽の、まるで吸血鬼のような一冊です。

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女吸血鬼カーミラの作品紹介

少女ローラはオーストリアで、父と人里離れた城でしずかに暮らしている。ある日、突然暴走した馬車が城の前にやってきて横転し、中から気絶した美しい少女が運び出される。少女の母は、急ぎの旅の途中だからと、ローラを父に託し、自分たちの素性を探らないよう念を押して去ってゆく。
その日から少女と共に生活するようになったローラは少女に夢中になるが、いくつかの不思議な点があった。寝る時は部屋に鍵をかけ、部屋に他人が居ることを拒絶する。素性は家柄が良いことと名をカーミラということしか明かさない。たびたびローラを愛撫しながら愛を語るが、そのことばは生死に関わる謎めいた内容。起きてくるのは毎日正午過ぎで、食事はチョコレート1杯だけ。賛美歌に異常な嫌悪感を表す。
やがて、城周辺の村で異変が起きるようになる。何人かの女性が相次ぎ死亡し、熱病の流行が噂される。そして、いつしか、ローラ自身も体調の不良を訴えるようになる…

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