女吸血鬼カーミラ

  • 亜紀書房
3.67
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本棚登録 : 170
感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750514246

作品紹介・あらすじ

少女ローラはオーストリアで、父と人里離れた城でしずかに暮らしている。ある日、突然暴走した馬車が城の前にやってきて横転し、中から気絶した美しい少女が運び出される。少女の母は、急ぎの旅の途中だからと、ローラを父に託し、自分たちの素性を探らないよう念を押して去ってゆく。
その日から少女と共に生活するようになったローラは少女に夢中になるが、いくつかの不思議な点があった。寝る時は部屋に鍵をかけ、部屋に他人が居ることを拒絶する。素性は家柄が良いことと名をカーミラということしか明かさない。たびたびローラを愛撫しながら愛を語るが、そのことばは生死に関わる謎めいた内容。起きてくるのは毎日正午過ぎで、食事はチョコレート1杯だけ。賛美歌に異常な嫌悪感を表す。
やがて、城周辺の村で異変が起きるようになる。何人かの女性が相次ぎ死亡し、熱病の流行が噂される。そして、いつしか、ローラ自身も体調の不良を訴えるようになる…

感想・レビュー・書評

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  • 本の表紙に惹かれて読みました。
    妖艶な吸血鬼が印象的で終わり方は潔さを感じました。

  • 吸血鬼小説の傑作ということで手に取った。

    カーミラの母親として描かれているのは誰なのか、気になった。

  • 吸血鬼に関する小説を読みたかったので、カーミラ単体での出版は本書しか見つからなかったが、装丁に目を惹かれて購入を決断。見慣れないフォントだが行間も充分にあって読みやすかった。吸血鬼を題材にした小説としてはホラー色が強くなく、少々百合百合しい描写が散見されたが、かなり満足感を覚える内容だった。

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 内容はガラスの仮面で知っていたけれど
    ちゃんとは読んだことがなかった作品。

    派手なシーンはないものの
    ひたひたと忍び寄るような怖さ、
    美しいからこその不気味さを感じられた。

    …亜弓さんのカーミラを知っちゃっていたから
    どうにも悪として見れなかったけど笑

  • ・カーミラは、朽ちかけた礼拝堂の墓に眠る美しい女吸血鬼です。百年以上も前に死んだカルンスタイン伯爵夫人が、恐ろしい魔物と化して人々を襲い生き血を吸うのですが、狙った相手に近づいて手中に収めるまでの過程が、恋のプロセスに似ているというのです。

  • 美しい装丁に惹かれた。ヴァンパイアものは漫画や映画に豊富だからこそか、実はこういう古典を読んだことがなかったりする。思いのほか心理学的だったり、新しい発見がある。「カーミラ」と聞くとつい姫川亜弓を思い出しちゃう、ってのが本音なんですけどね。

  • 古典ホラー。このくらい古典だと、刺激が穏やかで、ホラーの苦手な自分でも読める。
    オーストリアの古城に住む貴族、美しい自然、謎めいた美少女との友情。耽美的な雰囲気。
    造本的な観点。本文のフォントがあまり見慣れないものだった。何という名前なのだろう。繊細で古風な印象で、作品のイメージによく合う。

  • ブラムストーカーの吸血鬼ドラキュラに大きな影響を与えたといわれる吸血鬼ものの古典、といううたい文句にひかれて借りてみた本。
    訳者の方がお上品なのか、それとももともとの作者がそういう質の人だったのか、なんか会話の言葉使いとかが妙に読みにくい感じで、あまりどっぷり浸れる雰囲気ではありませんでしたが、途中から徐々に面白くなって最後の方はなかなか楽しめました。
    バンパイアハンターものとかみたいな派手な戦闘シーンなどもなく淡々と進む分、微妙に怖さが引き立つという意味では、私があまり読んだことのない感じだったのも、ちょっと印象深かったかもしれない。
    レ・ファニュ、エドガー・アラン・ポーと並び称される短編の名手、とのこと、ですが。。。どうだろう。

  • 吸血鬼、という存在が
    ヨーロッパでどのように恐怖の対象だったのかを
    垣間見ることが出来たお話でした。

    ホラー童話というのでしょうか。
    ストーリーそのものは難解ではなく、
    先を予測しながら読めるものですが、
    得体の知れないものに対する不気味さが
    ひしひしと伝わる描写が魅力的でした。

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著者プロフィール

アイルランド人の小説家。 怪奇小説とミステリーを得意とした怪談作家で、19世紀以降の短編小説のジャンルに大きな影響を与えた。 『カーミラ』(1872年)は吸血鬼小説として、ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』(189年)に多大な影響を及ぼし、ドライヤー監督の傑作映画『吸血鬼(1932年)の基礎ともなった。

「2015年 『女吸血鬼カーミラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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