性表現規制の文化史

  • 124人登録
  • 3.00評価
    • (1)
    • (3)
    • (2)
    • (1)
    • (2)
  • 7レビュー
著者 : 白田秀彰
  • 亜紀書房 (2017年7月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784750515182

性表現規制の文化史の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 面白かったが、著者の専門が英米ということもあり日本における記述が非常に少なかったのが残念。

  • 性への嫌悪・忌避は、もともと特定の階級や宗教においてのみ保持されていた規範が、庶民にも適用される過程で生まれてきた。道徳以前に、上層階級においては男性系の財産相続継承問題であり、恋愛と結婚は別だった。

    断片的に知っていたことを、体系づけられて、なるほどと思いました。社会的タブーは、常に増え続けているような気がします。解除は外圧みたいだけれど。

  • えっちを取り締まる雰囲気が最近出てきているなかで、性そのものが抑制の対象となった理由、性表現が抑制すべきものと考えられるようになった理由、性表現の法制化された経緯などを考察している図書。著者が資料的裏付けが不足していると書いているが、主要参考文献もあり、入門書のようで、かなりわかりやすい。

    印象的だったのは、刑法上では「猥褻」にはきちんと条件があり、単なる裸体や性行為の表現は「猥褻」ではないということである。その場合、言論表現の自由の範囲内である。

    さらにアメリカの法制史の章を見ると、言論表現の自由に照らしたとき、性行為にも性表現にも害悪が見出せないということが1970年代に示され、性表現規制の緩和につながったそう。しかし未成年への性表現は害悪があると世間で考えられ、性表現規制は「青少年の保護」に向かうことになった流れが面白い。ちなみにこの時はじめて「児童ポルノ」が問題になったそう。性表現から害を受ける、あるいは受けにくいという証拠は現在でも提示されていない。未成年に対して性表現の調査は難しいし…

    存在するか否かが立証されていない「理性的な判断力を欠いた人々」を恐れて、性表現規制を行うのは、言論表現の自由を制約してしまい、過剰規制ではないか、というのには納得。どうしてこう人は他人をコントロールしようとするのか…悪いものにも触れていいですやん…

  • 請求記号:367.9||Sh 86
    資料ID:W0187483

  • 筆者は性表現規制について、西洋から話を展開していくが導入からあまり面白くない。日本の風習から話を展開し、西洋の概念が輸入され〜としたら面白かったのに。編集者は分かっていたようで、補論として日本における〜を書かせて実際にそこそこ興味を引く内容だった。読者が求めている事を書くのは大事だ。そもそも筆者の知識量では新書レベルが妥当のように感じられるし、本書もスカスカで、新書になったのではないか?

  • 東2法経図・開架 326.22A/Sh86s//K

  • 私は性表現規制に部分的に賛成の立場だが、表現規制の問題点など学んでおこうと思い購入しました。第1〜2章は読んで、その後は飛ばし読み。性規範の歴史性は一般論として知っておく必要があるでしょう。今現在の「猥褻」のイメージの起源に、財産相続が関係するという点は正しいのだろうと思います。
    ただし、あくまで歴史の話であり最近のロリコンエロ漫画規制の議論など個別の論点では余り参考になりませんでした。
    また筆者の想定する前提には全く同意できません。筆者は性表現規制が、その他の例えば有形の暴力表現などとは違い、とりわけ厳しく規制させれいると述べたあとにこういいます。「仮に、私たちが表現に影響されて、その表現にならった行動をしてしまうとした場合(実際にはそんなことはないのですが)」(p.9)。この箇所を読んで、この本は全部読まなくてもいいかなと思いました。なぜなら性表現規制の歴史性や問題を語るのであれば、また私たちが持つ「欲望」の歴史性や時代ごとの問題にも注目すべきと思うからです。人が持つ欲望もそれなりに環境によって作られるものであって、性暴力表現に溢れたエロ漫画やAVからも影響を受けているし、表現にならった行動を普通にやっちゃってますよ。
    私が感じた本書の問題点は、①人は普通に見聞きする性表現に影響を受けるのに、完全に現代人は欲望の歴史性から自由であるように言ってしまっている点、②性表現もかなり寛容に認められている現代日本において、それによる実害よりも規制の問題を優先する点でバランスが悪いということ。
    ということで、現代の性表現規制を考える上で(本書は前提となる論点は提供してくれているけれども)物足りない
    ものでした。

全7件中 1 - 7件を表示

白田秀彰の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヨシタケ シンス...
ヴィクトール・E...
村田 沙耶香
エラ・フランシス...
夏目漱石
又吉 直樹
新保 信長
有効な右矢印 無効な右矢印

性表現規制の文化史を本棚に「読みたい」で登録しているひと

性表現規制の文化史を本棚に「いま読んでる」で登録しているひと

性表現規制の文化史を本棚に「積読」で登録しているひと

性表現規制の文化史の作品紹介

「えっちなのはいけません!」という社会規範は、いかにして生まれたのか?

気鋭の法学者が、性表現規制の東西の歴史を読みとき、その背後にある政治的な力学を鮮やかに描きだす、必読文献!

東浩紀さん、宮台真司さん 推薦!

性表現規制の歴史は、
「自分より道徳的に劣る人々」を発見し、保護する歴史にほかならなかった!
表現規制に関心のあるすべての読者、必携の書。
(東浩紀)

法の猥褻と習俗の猥褻はどのように異なるのか。
習俗の猥褻は社会の階層構造に沿って変化する。
法の猥褻はそれを参照しつつも統治目的に従う。
本書は猥褻を規定する社会の力を徹底解明した。
(宮台真司)

ツイートする