X電車にのって

著者 :
  • 葦書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751207406

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  • 初期単行本収録作の再録4篇と新聞掲載の掌編3篇を収めた作品集。
    ごく短い作品だが「信号町」は情緒のある幻想性、「豆の花」はそれまでの雰囲気を大きく裏切る結末で印象的。
    「耳納山交歓」は山中の建て売りの別荘地に住み着いた人々が、立ち込める深い霧に惑わされるように出会う異界の住人との素朴でおおらかな交流を描いた、村田マジックという感じの不思議憚。
    「木渡り木の宿」は山あいの村に暮らす娘達が近隣の村々を巡って婿探しの旅をする「むすめ構」という習俗の話。本当にあった慣習なのか不勉強で知らないのだが、昔日の山村のおおらかさ、屈託のなさを感じると共に、女性の逞しさ、豊潤さといったものを感じた。主人公が短い旅を経て、「知ることと変わることとは別」と語りつつも見せる何処か晴れがましい様子に頬が緩む。

  • 鋼索電車

  • 「鋼索電車」「花蔭助産院」「木渡り木の宿」「耳納山交歓」などの初期作品
    に単行本未収録の短編を加えた初のアンソロジー。

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著者プロフィール

1945(昭和20)年、福岡県北九州市八幡生まれ。1987年「鍋の中」で芥川賞を受賞。1990年『白い山』で女流文学賞、1992年『真夜中の自転車』で平林たい子文学賞、1997年『蟹女』で紫式部文学賞、1998年「望潮」で川端康成文学賞、1999年『龍秘御天歌』で芸術選奨文部大臣賞、2010年『故郷のわが家』で野間文芸賞、2014年『ゆうじょこう』で読売文学賞、2019年『飛族』で谷崎潤一郎賞、2021年『姉の島』で泉鏡花文学賞をそれぞれ受賞。ほかに『蕨野行』『光線』『八幡炎炎記』『屋根屋』『火環』『エリザベスの友達』『偏愛ムラタ美術館 発掘篇』など著書多数。

「2022年 『耳の叔母』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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