シャーロットのおくりもの

  • あすなろ書房
4.06
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感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751518892

感想・レビュー・書評

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  • 表紙の真ん中の女の子がシャーロット?いいえ、この子の名前は「ファーン」。
    では、女の子が抱いている豚の名前?いいえ、豚の名前は「ウィルパー」。
    「シャーロット」は、みんなが見つめる先にいる、一匹のクモの名前。
    このクモが主人公で、それは賢く誠実で思いやりにあふれている。
    でもお話の魅力はそれだけじゃない。
    何度読んでも新しい発見と感動にあふれた、児童文学の金字塔(と、私は思っている)。
    この夏、ひとりでも多くの子がこのお話をひもといてくれますように。

    舞台は20世紀半ば頃のアメリカ・メイン州の農村地帯。
    豊かな自然とたくさんの家畜や生き物たちが登場する。
    豚・クモ・牛・犬・羊・ネズミ・ガチョウ…身近な動物たちと人間は一緒に暮らし支えあっている。農業が生活の基本だった時代に、動物たちが人間にどんな贈り物をくれたかという話であると同時に、豚のウィルパーを救うためにシャーロットがしたこと、みんなでどう支えたか、そしてどうなったかが読みどころ。
    のどかで美しい農村の、季節ごとの描写もとてもいい。

    未熟児で生まれたウィルパーを助けた少女・ファーンが主人公のように見えて、実はウィルパーが買い取られた農場に住んでいるクモが主人公というのが、意表をつく設定。
    ところが、動物たちだけで物語が進行するわけではない。
    ずっと傍で立ち合い、動物たちの言葉に耳を傾けているファーンのおかげで、このお話が届けられる。大人たちは自分の目の前のことで忙しく、とても大事なことが起こっているのに気が付かない。ファーンだけが知っていて、だからこそこの物語も生きてくる。

    ひとりで動物ばかり見ているファーンを心配する母親。
    それを相談された主治医の言葉もいい。「成長」ということを熟知している。
    今ならさしずめ問題児扱いされそうなファーンだが、問題児が案外大事なことを知っているものだ。

    「どうしてぼくのためにいろいろしてくれたの?ぼくにそんな価値ないのに」
    というウィルパーの問いに答えたシャーロットのセリフには、何度読んでも泣いてしまう。
    ふたりの友情がどう生まれたかを知ると、友だちというのは本当はすぐ傍にいるのだと気づく。
    力を使い果たしてシャーロットは死んでしまうが、ファンタジーでもちゃんと死のリアリティを入れてセンチメンタルになりすぎないところもさすが。
    生と死、友情、ひとの暮らしとは、色々なことを教えてくれる心温まる宝物のような一冊。

    小学生の時一番好きだったお話。
    大人になって読んでも同じように感動して、そのことにまた感動してしまった。

  • 生まれてすぐに、小さいからという理由で殺されそうになっていた子豚は、ファーンに助けられ、ウィルバーと名づけられます。
    住まいを農場に移したウィルバーはすくすく成長しますが、周りの動物たちから「冬にはハムにされてしまうよ」と言われ、生きていたいと涙を流します。
    そんな彼に優しく声をかけてくれたのは、シャーロット。
    納屋に巣をかける、灰色の大きなクモでした。

    美しい季節の移ろいや賑やかな農場の様子を描きながら、生き物の生と死をきちんと伝えてくれる物語です。
    無邪気なウィルバーの目をとおして、連綿と続く生命の循環が一層美しく感じられました。

    そして、子どもたちの描かれ方も絶妙でした。
    一人で動物と過ごしてばかりで母に心配されていたファーンですが、だんだん動物たちよりも友達と過ごすことに関心が移っていきます。
    ウィルバーに興味がなさそうだったのに、ウィルバーが注目されるや、隣でおどけて自分も注目を浴びる、ファーンのお兄ちゃんのお調子者な感じもリアルでした。

  • 食べられそうになるブタを助けるクモの話

    あるところにある豚が生まれましたが出来損ないだからと言ってお父さんが豚を殺そうとしてしまいます。
    そこで子供が殺しちゃダメと言ってブタを飼うことになりました!

    もともと僕はブタを飼いたかったのですがこの本を読んでより一層ブタを飼いたくなりました(マイクロブタを飼いたいが高いらしい)

    • りまのさん
      りまののお父さんの育った家は、農家だったから、ブタさんも、いたんだって。子ブタはとてもかわいかったって、言ってた。
      ブタさんを飼うと、お肉が...
      りまののお父さんの育った家は、農家だったから、ブタさんも、いたんだって。子ブタはとてもかわいかったって、言ってた。
      ブタさんを飼うと、お肉が食べられなくならない? りまの
      2021/02/01
    • ほっぺプニプニマンさん
      じゃあ飼わないほうがいいかも(><)
      じゃあ飼わないほうがいいかも(><)
      2021/02/22
    • りまのさん
      ごめんなさい(_ _;)
      りまのはこどもの頃、ひよこを飼っていて、ニワトリになりました。でも、鶏肉を、美味しく食べていました。
      かわいいブタ...
      ごめんなさい(_ _;)
      りまのはこどもの頃、ひよこを飼っていて、ニワトリになりました。でも、鶏肉を、美味しく食べていました。
      かわいいブタさん、飼えるといいね。
      2021/02/22
  • 1952年初版(アメリカ)の、長く愛され続ける児童書。
    「人生を変えた本と本屋さん」に紹介されていたので、図書館で借りて読んでみた。
    動物が主人公のファンタジーなのだが、そこには読み手を納得させる生態学的なリアリティがある。

    小さく生まれたため、すぐさま処分されてしまいそうだった子ブタのウィルバーは、ファーンという8歳の女の子に助けられるが、今度はクリスマスにベーコンにされる運命に!そこへ今度は賢いクモ、シャーロットが現れ、ウィルバーはたちまち奇跡のブタに⁉︎

    最初は牧場の納屋に入り浸りだったファーンの成長や、シャーロットの暖かい眼差しが物語の背景にそっと寄り添う。2019.9.3

  • 農場が舞台の友情。
    あたたかいお話。
    いつか、この映画もみてみたい。

  • アメリカで初版が出版されたのが1952年、
    それからずっと世界中で読み継がれているロングセラー。

    友情、生きること、死ぬこと、
    子どもの本だからと妥協せず、真正面から訴えてきます。

    数々の美しい言葉で。

    挿絵がまた素敵です。
    「大草原の小さな家」「しろいうさぎとくろいうさぎ」
    のイラストレーターですもの。

    ちいさなシャーロットの 大きな行動に 心がふるえます。

    どうかこれからも読み継がれますように

    ≪ 農場の 子ブタをすくう 奇跡とは ≫ 

  • シャーロットのような、優しく、気品があり、賢い人になりたいと思う作品。

    初めに表紙を見た際、シャーロットはこの表紙の女の子でこの子が色々な冒険に出かけると思っていた。

    しかし、ところどっこい!
    この子豚ちゃんが主人公だった!
    「じゃあシャーロットって誰なのよ?!」って話ですが、読んでみてのお楽しみ

  • ぶたとクモのゆかいで壮大な物語,面白いです。

  • 表紙の女の子がシャーロットだと勝手に勘違いしていたので、読み進めてこけました(笑)

    子どもが少し大きくなってきたので、児童文学に興味を持ちはじめて読んだ作品。
    名作とされるだけあって、非常に内容豊かな作品。命の大切さ、友情、言葉に出すと陳腐だけど、それがイキイキと描かれている。児童文学は子供のためだけのものでは無い事を知った。

  • クモを可愛いと思ったのはシャーロットが初めてでした。ウィルバーとの種族を超えた友情(愛?)は本物で,最後はじんわりと心があったかくなりました。

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