あなたはそっとやってくる

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制作 : Jacqueline Woodson  さくま ゆみこ 
  • あすなろ書房 (2008年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751522066

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あなたはそっとやってくるの感想・レビュー・書評

  • (2012.08.20読了)(2012.08.15借入)
    かみさんが図書館から借りてきて、廻してよこしました。アメリカのヤングアダルト小説です。主人公は、15歳の男女です。
    アメリカらしいテーマが盛り込まれています。親の離婚、母親の家出、黒人に対する差別、等です。
    原題は、If you come softly です。1998年の作品です。

    ●本書について(ウッドソン)
    私は、初恋というものがどんなにすばらしく、どんなにつらいものかを描きたかったのです。また、私がよく覚えている15歳という年齢についても描きたいと思っていました。
    ジェレマイアとエリーに敵対しているのは、人種差別、警察の暴力、愚かな人々の偏見です。それと、もう一つ私が書きたかったのは流れていく時間です。後で悔やまないためには、与えられた時間の範囲で自分が愛したい人をしっかり愛するということがとても大事なのです。
    ●母マリオンと娘イライシャ(エリー)(39頁)
    「出ていくしかなかったのよ」
    「だったら、どうして戻ってきたの?」
    「がまんできないと思ったはずのものが、本当は、それがないと生きていけないものだってわかったからよ」
    ●ジェレマイアとエリー(97頁)
    ジェレマイアは、説明できなかった。エリーが自分の方を見て笑顔を見せるときに感じる思いは、たずねられても言葉にすることができない。心の中で何かが止まり、何かが始まるような感じなのだけれど。
    ●エリー(218頁)
    私は、「この先ずっと一緒に生きていきたい」と思うような人には、一生に一度しか出会えないと思っています。その瞬間を逃したり、出会ってもそっぽを向いてしまったり、瞬きをしてしまっただけでも―チャンスは消えてしまいます。
    (そんなに固く考えることもないだろうと思いますけど。)
    (2012年8月20日・記)

  • 黒人の(といってもセレブの家系に生まれた恵まれている)男の子と白人の女の子の静かな恋愛の話。公園でくつろいだりする穏やかなデートをする2人に対し、周囲は疑いのまなざしを向ける。それまで信頼していた家族への信頼も揺らいだりする。最後は悲しい結末。でも。この結末にすると、結婚や大学進学といった現実的な問題にぶち当たる二人がいかにそれを乗り越えるかという難しい局面を描いていないため、少し不満。だからこそ、きれいなままの恋愛の思い出として残るのではという感想。

  • 黒人の少年とユダヤ系の少女との間の悲恋を描いている。
    アメリカの人種問題を扱ったYAというと過去に『ホエール・トーク』を読んでいて、これはあからさまに黒人がマイノリティである地域での話なのだが、こちらの話の舞台は人種のるつぼニューヨーク。登場するヒロイン・ヒーローはいずれもお金のかかる私立学校に通う生徒。ヒーローである少年は父親が著名な映画監督、美人で文学的才能にすぐれた母をもついわばセレブ。ヒロインはユダヤ系の医師の娘だ。環境的には、人種の違いについて比較的理解が得られているはずの暮らしではあるのだが、でも、父親は彼に「白人の住む区域では絶対に走るな」と息子に言い聞かせている。ヒロインの少女と彼が手をつないで街を歩けば、「あなた大丈夫なの?」と老婦人が少女に声をかける。ヒロインの身内からも、「住む世界が違うから」と曖昧な形で難色を示される。彼らのつきあいに対する世間の受け止め方(というより受け止められなさ)の微妙さが描かれている。

    というテーマを背景にしているが、しかし基本的には若い2人の純愛物語。ヒロインとヒーローの2人の心理描写が丁寧に積み上げられていて、良質のラブストーリーに仕上がっている。中高生の女子に読ませたい本。

  • ジェレマイアはうなずいた。まだわずかしかいっしょにいないのに、世間がときとして愚劣なものになるということが、エリーにはもうわかっているのだ。
    「おれは、天気かなにかみたいに思ってるんだ・・・・・」ジェレマイアがゆっくりと言った。
    「雨もあれば、雪もあるし、晴れもある。いつも変化しているけど、でもどれもなくなるわけじゃない」
    エリーは眉をひそめると首を横にふった。
    「あたしには、ちょっとむずかしすぎるな」
    ジェレマイアはふれているエリーを自分のほうに引きよせた。
    「たとえば、おれたちのことを理解できない人たちは雨なんだ。その人たちを雨って呼ぶことにするんだよ」
    エリーはうなずいた。
    「オーケー、その人たちは雨なのね」エリーはにっこり笑った。「それで?」
    「いつも雨が降っているわけじゃないだろ?でも、雨が降ってないときでも、雨がなくなったわけじゃない」
    エリーはため息をついた。
    「日照りのほうがずっといいって言いたい気持ちよ」
    ジェレマイアは、エリーの額に落ちて溶けていく雪をぬぐった。
    「中に入ろう」
    エリーはナップザックをかづぎなおすと、ジェレマイアについていった。

  • 表紙買いだったのであらすじもわからないまま読み始めました。
    白人の女の子と黒人の男の子。
    日本で平和に暮らしているとあまり現実味のない人種差別問題だけど、優しい雰囲気の表紙と丁寧な文章とは裏腹に、これが現実だぞ、と突きつけられたような感じ。
    きつかった

  • 必要があって、いわゆるYAものをちょっと読もうと思って手にとったのですが、けっこうな衝撃でした。
    黒人とユダヤ人の高校生男女の話です。
    二人は愛し合っているけれど、家族や周囲は二人が付き合うことに違和感を感じたり、これから起こるあれこれを想像して反対したりする。
    劇的なことはそこまでおこらないなあと思っていたら、最後にドカンときたなあと。
    人種差別について、アメリカについて考えさせられる一冊でした。

  • どんな本かな~と思ったら
    白人の少女と黒人の少年(15歳)の恋愛小説に
    離婚や反抗期やらの家族の問題があって
    人種差別!なにこのひどい話は!!!
    って話だった。

    肌の色がちがうカップルがいっしょにいるだけでじろじろ見られたりこそこそ話されたり
    公園を夜走ってたら射殺されたりするのか
    恐ろしいアメリカ

    差別が当たり前にある社会ってすごいな
    なさすぎると思ってるけど(身の回りでは)どうなのかな
    差別されてる方は何かしら感じてるのかもしれない??

    女の子がユダヤ教なのは単語とかは色々でてきたけど
    特に何もなかった
    まあ宗教の差別もなあ・・・

    ふたりのキラキラピュアピュアな恋愛がとてもよかった
    最後やりきれない

  • 家族関係や差別の問題に悩みながら,寄り添うふたりの恋模様に,やさしい気持ちになりました。
    だから,もう少し二人を見守りたかったので,残念でした。

  • 人種差別について考えさせられた。

    白人は白人であることを忘れるって書いてあったけどそれは日本人もだなあっておもってかなしくなった

  •  ニューヨークを舞台にした、黒人少年と白人少女の本当に切ないラブストーリー。
     随所に二人の家庭で置かれている状況や、取り巻く社会環境が出てきます。映画で見ているような錯覚に陥るほど、描写がとても素敵でした。

  • 一目で恋におちる、次に会う時のときめき感、15歳の優しい恋心への人種差別という見えない壁がせつなくなった。世界は広い。

  • 学校で初めて会ったときから、惹かれ合うエリーとマイア。
    でも、まわりは責めるような目をしてきます。
    マイアの肌が黒い、というだけで。

    日本に住んでいると、人種差別はあまり感じない。
    それでも、どこかには必ず差別をするひとも悲しむひともいる。
    淡い初恋が、そんなくだらないことで傷ついていく。残念でならない。

  • アメリカの有名私立学校。15歳のユダヤ人少女エリーは、同級生のバスケの黒人スター選手マイアと出会ってすぐ恋に落ちる。
    読むたび『どうか、違う結末になっているように』と思いながら読んでしまう。
    ふたりの恋のほかに、人種問題や、貧困の現状なども知ることができる。
    何度でも読んでみたくなるんです。結末は変わらなくても。
    (さわ)

  • 15歳という年齢ゆえの一途で純粋で無防備な初恋が描かれています。二人とも恵まれた環境にいながら家族の繋がりが弱く孤独を抱えており、それもあって強く惹かれあっていきます。さらに人種の違いから起こる周囲の無理解や偏見も描かれています。悲劇的なことが起こることは最初から予想できるのですが、辛いラストは抑えた表現でさらに切なくなりました。エリーの章は一人称(わたし)で、マイアの章は三人称で描かれ、読者はエリーに寄り添う形になっています。

  • 愛することの大切さ、悲しみ、喜びが彼らの独白から伝わってきます。
    彼らは若くて、それ故純粋で、生まれながらの絆が自分を縛る現実に失望させられ、胸が破裂しそうなぐらい互いの存在を心で求めていました。
    私はこんなにも他人をいとしいと、意識したことがかつてあっただろうか?

    自分の告白はただただ淋しいばかりですな。

  • 私立パーシー学院に引っ越してきたエリーとマイア。初めて会った時から二人は恋に落ちた。互いをかけがえのない存在であると確信する二人。
    15歳。白人のエリーと黒人のマイアの前に広がる人種の違い、複雑な親子の関係・・・。とても切ないけれど、惹かれ合う二人の姿が優しく心に残るお話です。

  • こんなこともあるんだ‥まだまだこんな世の中なんだ‥とショックを受けました。
    読みながら何が待っているのか予想ができて、だけど感動させようとしているわけではない淡々とした文章に救われました。

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