- Amazon.co.jp ・本 (32ページ)
- / ISBN・EAN: 9784751522806
感想・レビュー・書評
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神秘的・幻想的でちょっぴりブラックなオールズバーグの、とてもお洒落なお話。
騙しの軽いパンチが効いて、よく出来た作品だ。
こちらの2005年版の前に81年版も出ており、そちらは翻訳者が違う。双方を読み比べてみるとより面白いかも。
噛みつき癖のある困った犬・フリッツ。(これはブルテリアかな?)
飼い主が留守をするため、その間フリッツを見ながら留守番をすることになったアラン。
ところが散歩の途中大変なことに。
「ぜったいに なにがあっても 犬を庭園の中に 入れてはいけません」という立て札のある魔術師の庭に、フリッツが入り込んでしまった。さあ、後を追うアランは。。
魔術師の登場場面が、まぁ怖いこと。
大きなお腹とガウンに帽子、いかにも尊大そうで、アランの胸の鼓動が伝わる場面だ。
さて、何故犬を庭園に入れてはいけなかったのか。その訳はこれから分かることになる。
何しろ魔術師の庭だもの、フリッツは何をされることやら、である。
アランの悲嘆と絶望にすっかり同情して読んでいくと、最後にはクスリと笑ってしまう仕掛け。
モノクロだが遠目もよく効いて、読み聞かせにも向く。高学年以上に。約10分。
ひとつ前の「いまいましい石」と共に、こちらも横長の大版型。
持っている右手がグラつきそうで、そこは練習が必要。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「私はそいつらをみんなアヒルに変えてしまうんだ」
庭園ものファンタジー。児童文学とは、こういうものなのだと思う。(24分) #読書 #読書が好きな人と繋がりたい #魔術師アブドゥルガサツィの庭園 #CVオールズバーグ #村上春樹 #あすなろ書房 -
1980年 コールデコット賞受賞作品
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村上春樹翻訳ということで読んでみた。
不思議なことは起こらなかったと見せかけて、最後に犬が帽子を持ってきて実は、、、と余韻を持たせる展開がよい。 -
少しシュールな白黒の絵の雰囲気と淡々と語られる物語の内容がマッチして,いかにも不思議なことが行われるという風だ.
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2018年6月24日に紹介されました!
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これジュマンジの人が書いてる絵本だったんか…。
結局ほんとに現実だったんかーい、みたいのはジュマンジと同じオチ。
まあでも悪い人ではないんだと思うよ(こなみ) -
27年度(6-1)
13分 -
怪しげな雰囲気のある絵柄に惹かれて。ただ、もっとダークなオチの方が自分の好みです。あるいはもっと複雑な話運び。すると、子供向けの絵本ではなくなってしまうのか…。
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魔法の規模が、さりげない。笑
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あるサイトでとても褒めてあったので購入しました。
村上春樹が訳していたのですね。
絵はモノクロで雰囲気があります。すごく好みというわけではありませんが、お話の不思議な感じと世界観が心の中に残ります。
何度も読みたい絵本です。 -
犬の嫌いなアブドゥル・ガサツィの庭園に迷い込み、アブドゥル・ガサツィに預かった犬をアヒルにされてしまった男の子だけれど、戻ってくると犬はちゃんといた。
犬の主人にもからかわれたのだと言われるが、犬はアヒルが咥えて行ってしまった男の子の帽子をおもちゃにしていた…。
表紙のイメージとは違うけれど、こういう本当はどっちだったか分らない話好き。
犬がアヒルが落としていった帽子を拾ってきたのかもしれないし…。 -
読み聞かせ会の仲間内で前から評判の良い本だったので、今回5年生向けにチョイス。普通に読んで13分くらい。
郷土のヒーローが翻訳した絵本ですよと前振りしたが、ハルキ小説を読む5年生なんていないか!でも独特の不思議な読後感は5年生なら十分に理解できると思う。目をまん丸にして聞き入ってくれる生徒もいて、読んでいて充実感があった。時間が許せば「みんなはどう思う?」と質問してみたかった! -
2011年9月18日
<THE GARDEN OF ABDUL GASAZI>
装丁/桂川潤 -
・モノトーンの絵の中に、光の輝きと翳の美しさが描かれている。見ごたえのある絵。
・つたに覆われた広大な庭園と魔術師の独特な雰囲気に幻想的な世界へと引き込まれていく。
・先を想像させる終わり方。 -
魔法なんてあるんだろうか。
本当はどうだったんだろうか。
真実は、魔術師と犬だけが知っている。
たった一文で、物語は大きく転じて、完結する。 -
これも村上春樹訳でやはり学校で借りてきた。
著者は、映画にもなった「ジュマンジ」の作者。
独特な世界が広がり、魅力的な絵本。
娘も面白がっていた。
2007年11月 -
モノクロの鉛筆画が静かな印象を与える絵本。本とこちらの間にスクリーンが一枚存在しているような感覚。
結末をこちら側に委ねるような終わり方。魔術師よりミスへスターの方が気になる・・・
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奇妙な味の短編小説をよんでいるような絵本。オールズバーグなので高学年にもいけそう。12,3分とちょっと長いので、朝読の読み聞かせには使いづらいか。
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不思議な絵の世界が文章にぴったり。
文章だけ取り出して自分で挿絵なんか書いてみたら楽しそうだな、と思った。 -
オールズバーグって絵が上手なのか、ヘタなのか、分からないところがとてもいい。不思議な世界を覗かせてくれて、そしてポンと知らんぷりで「アンタがこの先は自分で考えてみろよ」ってこちらに振ってくる。自分の日常が磐石なものではなく、いつも動いていてそこが面白いのさ・・というのがオールズバーグ流。村上春樹さんが楽しんで、そしてオールズバーグ気分で訳しているのがいいな。
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偉大なるガザツィさんは、大の犬嫌いで、自分の家にやってきた犬をアヒルに飼えてしまう。アランの場合も例外なくフリッツをアヒルに変えてしまった。
一番かわいそうなのはアランである。留守番でみていたフリッツをアヒルに変えられ、魔法は一生とけないかもと言われ、犬の飼い主のミスへスターの気持ちも考え落ち込むからだ。
最後にちょっとしたどんでん返しがあって、気持ちはほっとする。キーワードは帽子。
モノトーンの世界が想像をかきたててくれる。