ミラート年代記 1

  • あすなろ書房
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (647ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751524114

感想・レビュー・書評

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  • ソートラント王国の国王の弟が謀反を起こし、王と王妃は殺害され双子の王子は毒を飲まされた。しかし王子は助け出され太古の森で密かに育てられたのだった。

    いやはや長い旅でした。面白いのだけどなかなか進まず、一歩一歩踏みしめながらラストページに辿り着きました。敵の陰謀や大いなる自然の脅威や仲間との軋轢や禍々しい魔物など物語は起伏に富んでいるのですが、それを表わす筆使いはいつでも穏やかで冷静。そのため一気呵成に読み進めるとはいかなかったのかも知れません。

    双子の王子のもつ秘密、老剣士に育てられ鍛えられる生活、突然の敵襲と目覚める能力、旅の仲間の出会いと別れ、貴種流離譚の王道ともいうべき物語の壮大さに身も心も委ねました。
    王子は我が身の運命に悩みます。一心同体である双子の片割れと思いをぶつけ合い、師と尊敬する人たちの声に耳を傾けて。それこそがこの物語の主流となるので、壮快な冒険譚とはまた違う読み応えがあります。

    表紙をめくると作品舞台のミラート世界の地図が描かれています。もう地図があるだけで楽しさは倍増しますね。
    王子たちの旅を地図を指差しながら追っていくのは楽しかったです。しかしまだ物語はその地図の一部だけ。これからまだまだ冒険の旅は広がっていくのでしょう。

  • ファンタジーの王道というか、ワンパターンであまり面白みを感じませんでした。
    1は、主人公が叔父から国を奪還するまでの話です。

  • 意外に、あっさり終わってしまった。この作者の本は、ほんと児童文学の枠に当てはまらない。色々考えさせられる。

  • 『ネシャン・サーガ』の姉妹編みたいなもんだそうですが、登場人物などは今んとこ全然かぶりません。
    世界の成り立ちの設定的に姉妹編なんですな。

    主人公は、双子の王子。
    王子たちの両親は、幼少時に王位簒奪者の伯父に殺されており、彼らだけ魔女っぽい力を持った乳母に、何とか逃がされたのでした。
    自分たちの出生の秘密を知らぬままに、王子たちは森の奥で元軍師に育てられます。
    しかし伯父の魔の手が、平和だった森についに伸びてきて…
    この場合当然、伯父は黒々と圧政を敷きまくってたりもしますので、王子たちは王座奪回の旅&修行に出るわけです。
    で、その際「双子」である自分たちの在り方も悟るんですが、この在り方ってのが、面白いんだ!

    この巻はファンタジーの定番ストーリーでしたが、エンデを継ぐ者・イーザウは、続きをどう転がすんだろうね! 楽しみ(´∀`*)

  • ミヒャエル・エンデに見出された著者ということで期待して
    読み始めました。
    勧善懲悪の要素が強く、親が子供に読ませたいと思うような
    いい意味での欧州的児童文学書だと感じました。
    3巻までのシリーズものということを読み始めてから
    知ったので、キャッチアップしていきたいです。

  • 「ネシャン・サーガ」のラルフ・イーザウが、ネシャンの世界を平行して作られた6つの世界のひとつという設定を設けて、新しい並行世界の一つを舞台に全三冊で描いた新しいファンタジー。
    「ハムレット」のように親を殺されて、命からがらひそかに逃げ果せた双子の王子が、さまざまな国の人達とのめぐり合いの中で自分を支持してくれる仲間を得て、世界を安定に導いていく物語。
    三冊ではまだ完結せず、何巻になるかは不明。

  • ネシャン・サーガの姉妹編。
    やっぱりラルフ・イーザウさんは良いね!

    あっという間に読んでしまいました。
    個人的にエルギルの方が好き。

  • ファンタジーの巨匠・イーザウによる壮大な物語。ネシャン・サーガと同じ世界観だけど、これから読んでも問題なしだった。知恵の主人公と戦いの主人公、どちらかだけにすれば偏るがどちらも合わせると嘘臭い。そこをちゃんと解決してある。主人公を導く年長者やキュートなヒロインという王道はしっかり突いている。

  • ソートラント王国の王位継承者である双子の王子トウィクスとエルギル。王座を奪った王の兄ウィカンデルに毒を盛られ殺されかけた双子は、母である王妃ヴァーニアからシリリムとしての能力を引き継いでいた。一つの身体を共有し、交互に意識を持っていた双子を育てたファルゴンと、通力に近い能力を持つ乳母のムーリアなど、王座にいるウィカンデルを憎む仲間たちに支えられながら、双子はウィカンデルの悪政を正すことを決意する。旅に出た一行の前に、数々の困難が立ちふさがるが・・・。

    設定としてはおもしろいし、合わせ鏡としての双子も人間らしいリアルさがあって良いです・・・が、話がぐだぐだと長すぎて飽きてしまいました。前半は結構波にのって読めたのですが、後半が長い!架空のものが結構出てくるので、一つ一つのシーンが想像しにくいのもあるのでしょうがひたすら長く感じます。一番メインとなるのは、後半の番人との闘いでも分かる双子の心の成長で、本当に丁寧に描いています。でも三部作だし、もうちょっと削っても良かったのではと思う。ウィカンデルに勝つ場面も随分少なかったので、むしろそちらに比重をかけてほしかった。

  • このシリーズは3冊の予定・・・先が見えないなあ〜双子の僕ら(トウィクスとエルギル)がおじきと呼ぶファルゴンは,暗殺された父ソートラント王の郡市だったが,王位簒奪者の伯父に毒を盛られた僕らを救い,太古の森で6年間育ててくれた。このミラート世界は悪神メレヒ=アレスが創造したものだが,亡くなった母から古の民シリリムの血を継いだ僕らの中に世界を折り畳んで見る力が備わっているらしい。信頼を寄せていた騎士が裏切ったことを知った我々は,妖精シェキーラを連れて,森を出て,フンゴールの鍛冶士ドルトムントからジッジャジーム(天の炎)を手に入れ,気紛れ橋を渡って,カニの手足を借りて筏で川を下り,セルテンスントのウニの庵で偉大な乳母ムーリアと再会,訓練を受けながら川賊の船で星鏡湖に至り賢者オラムからは恐れを抱くことを学んで,伯父から王位を奪う旅に出るが,王国の守りは堅く,ウィカンデルに反感を持つ地域は周辺民族から攻撃を受けている。世界を折り畳むコツを得た一行ではあったが,ボルクで気高い生き物クロティーボと道案内のトゥザーンを得て,漁師の谷ではイソウロウグモのニスラーの助けを借り,城の対岸で待ち伏せしていたシンドランを倒した。呪いを掛けられた海は妖精と師匠の歌で乗り切り,上陸を果たした。一つの身体に宿る双子の魂の会話から,解決策は得られ,王位簒奪者は塔から転落した〜めでたし・・めでたし・・までの長いこと,長いこと。見返しにミラート世界の地図が出ているが,「ボルクから川を遡ってグレトワルの麓に至る」ってのは解せない。峠を越えてストロームラントに入るのは逆筋だろ

  • 「ネシャン・サーガ」の姉妹編。兄の謀反で殺された、ソートラントのトアルント王の遺児、トウィクスとエルギルは、母方から古の民の血をひいた‘シリリムの双子’であった・・・。ネシャン・サーガってヨナタンとナサニエルの話でしたね。ふぅ、647頁。三部作の一部がやっと修了!次はどんな冒険が待ち構えているのでしょう。

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