- Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
- / ISBN・EAN: 9784751524442
作品紹介・あらすじ
クイズ「さがし物チャンピオン」に出場しませんか? 最新ゲームの画面にあらわれた奇妙な招待。とまどうパトリック少年を待っていたのは……?
感想・レビュー・書評
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テレビの向こうにある異世界へ飛び込んだ少年・パトリック。賞品のパソコン欲しさに「さがし物チャンピオン」という企画に挑戦して、"あっちの世界"の人が失くした物を"こっちの世界"で探すことに!なぜか片方だけ見つからない靴下とか、探していたものがひょんなところから見つかったり…そんな誰もがある経験って、実は"あっちの世界"と関係してるのかも?!…なんていう設定がおもしろかったです。原書は1991年にオーストラリアの児童図書の賞を受賞して以来、今でも読み継がれているそうです。
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一種のパラレルワールドもの。無理のでない展開で楽しめた
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パソコンをいじっていたら当選して、異次元のクイズ番組に。
外国文学が苦手でも大丈夫。読みやすい。むしろ足がかりとしていいかも。 -
コンピュータのお店で、「クエスト」という宝探しのようなゲームをしていたら、いきなり画面に「君の名前は? 当テレビのクイズ「さがし物チャンピオン」に出場しませんか」との文字が。土曜の10時に8チャンネルを見てくださいと。
大時計のあるショッピングセンター『クリの木ビレッジ』のTVから画面の中に入り込んだパトリック。
バリアのむこうにもうひとつの国があって、バリアの壊れたところから、いろんなものが、向こう側に行ってしまっていた。逆もまたあり、パトリックは、向こう側からこっち側に行ってしまったものを≪見つけびと≫として選ばれたのだった。
ヒントの言葉から、その品物を探しはじめたが、だんだんと商品目当てではなくなっていき・・・・
これ面白いです。なくしたものは実は違う世界に行っていた。その世界の人が、こっちに送り返しているから、急にでてきたりもする。なるほどね~
姉や弟、家族との関係も描かれていて良いです -
テレビの国にいる「さがし人」、現実の世界からの「見つけ人」という設定が非常に面白かった。むこう側(現実世界)とこっち側(テレビの国)の間にはバリアがあるが、ところどころ弱くなっている部分が裂けて、ものが移動してしまうのだという。さっきまであたはずのものが急に見つからなくなってしまうのには、こんなわけがあったのか!『床下の小人たち』の話でも、ものがなくなるわけを楽しく解釈してたけど、世界をへだてる裂け目から移動している場合もあるのかも。
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パトリック君の探し物は、きっと家族の心。
やるべきことをきちんとやる。
それが一番の近道なのか。
しかし、毎週同じ時間に同じ服装でいる…服装はなかなか難しいよね。
親次第だもんなぁ。
この辺りが、パトリック君の言う「子どもの不自由さ」が一番表れるとことなんじゃないかな。 -
“――土曜日の一〇時に、8チャンネルを見てください。
そして
ラッキー・ランス・ラモンが司会する
クイズ番組『さがし物チャンピオン』二出演してください。
よろしいですか?
パトリックは、口をぽかんとあけた。これも、ゲームの一部なのだろうか?あんまりそうは思えない。
コンピューターは、またピーンという鋭い音を立てた。画面の中で最後の言葉がチカチカまたたいている。
――よろしいですか?よろしいですか?よろしいですか?よろしいですか?
「おい、きみ。さっきから何をやってるんだね?」店主のおじさんが、おどすような顔で、パトリックに声をかけた。お客の女の人に何か言うと、いすから腰をうかして今にもこっちへやってきそうだ。
――はい。
パトリックはいそいで打ちこんだ。”
あっさり読めるけど、内容は結構濃い。
人間とか。番組とか。
エステルが一番以外だった。
てっきり、昔に向こうへ行った人なのだと思ってたのに。
“それを取りだして、よく見た。中にはディスクが入っていて、「マックスより」とだけ書かれている。自由になんでも入れられる空のディスクを一枚入れてくれたのかな?それとも……。
パトリックはゆっくりと箱からディスクを取りだすと、<イージーウェイ>コンピューターにさしこんだ。コンピューターがビーッと鳴り、ブーンと音を立てはじめた。画面が暗くなり、それから白くなった。パトリックの心臓がドキドキ高鳴る。まもなく最初の文字があらわれた。
――きみの名前は?
パトリックは画面を見つめ、ゆっくりと自分の名前をキーボードで打つと、待った。
コンピューターがまたブーンとうなりをあげ、ビーッともったいぶったように鳴った。そして流れるように言葉があらわれた。”