- Amazon.co.jp ・本 (34ページ)
- / ISBN・EAN: 9784751525166
作品紹介・あらすじ
ウンゲラー、7年ぶりの新作! ひとりぼっちのラフィ少年の運命を変えたものは? 「創造」の喜びに満ちあふれた絵本!
感想・レビュー・書評
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ウンゲラーさんのファンでないという方には、このお話はアウトかも。
ひとの眼と人形の眼が怖いのだ。背景も常にどんよりと暗い。
ファンだという方には垂涎もののストーリーと絵。
それもそのはず、70年代以降絵本を描くことをやめてしまったウンゲラーさんが、75歳を超えて久々に発表したのが本作品。
活動休止の背景などを想像すると辛いものがある。
黒人の少年・ラフィは大工仕事が得意。
「よそものなので あそびにきてくれる ともだちがいない」という寂しい状況でも、大工仕事の腕で友だちを作りあげていく。
それを観ていたのがお隣のキー・シンという中国人の女の子。「あたし ぬいものが とくいなの」と言って一緒にモノ作りに参加する。
社会のアウトサイダー的なふたりは、家族ぐるみで親しく なり・・
後書きによれば「有色人種のふたりを強烈なステレオタイプな姿で表現し、二人をしめだす社会の大人たちをみにくく描いている。こうしてアウトサイダーを認めない社会を痛烈に批判しています」という訳者の弁がある。
実は私はそんな風に読まなかった。
創造の喜びと、そこから広がるひとの可能性を謳いあげた作品のように思えるからだ。
無から有を生み出す楽しさ。それも、共に作りあげる友だちがいることの喜び。
やがて多くの人に認められて、最終的にはそれを生業としていく。そして、ラフィとキー・シンはずうっと友だちでいるのだ。なんてすてきな人生。
いつもより一段と凝った絵柄で、隅々まで眺めると発見がいっぱいある。
思わず笑ったのはキー・シンの登場場面。足元の灰色猫さんが洗濯物を広げているところ。
展覧会の場面の大勢の人ごみの中で、変ないでたちの大人を見つけるのも面白い。
ウンゲラーさんのブラックテイストが全開の絵だ。
アウトサイダーたちが常に正しいとも限らず、大人がみな偏見だらけとも限らない。
大切なのは自分がフラットな目線を持っているか否かで、この本はそれを突き付けてくる。
ひとり読みなら低学年からでもOKだが、読み聞かせには高学年向けかな。
約8分。
(他のウンゲラーの作品は、カテゴリーの一番下「トミー・ウンゲラー」からお入りください)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ある種の社会批判絵本。現実にはそんなにトントン拍子にはならないのでしょうが。
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2024.2.15 4-3
2023.5.18 5-1 -
まあまあ
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親の影響で物作りを始めたラフィが
キーと一緒にガラクタから友達を創造していく、という物語
作者のトミー・ウンゲラー氏は
辛辣な社会を批判的な目で見ていて
それを描写したことで世間から叩かれていた。
そんなウンゲラー氏の生き方そのものが
ラフィに重ねてあった。
ものを作り出す喜びやイタズラ心が
新たな創造を生み出す力こそが
彼の精神力そのもの。 -
り。1407
6y3m
じ。728
3y8m -
アメリカの人種問題と、本物の才能への賛辞!
子どもたちの芸術をガラクタとするのか、アートとするのか、わかっている大人たちが守るべき存在。 -
ものづくりの楽しさや差別への批判が込められているそうです。
いい