4マクベス (シェイクスピア名作劇場)

  • あすなろ書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751527740

作品紹介・あらすじ

王位にかける野望から、地獄へと堕ちていく武将マクベスの姿を描く。シェイクスピア四大悲劇の中でも、もっとも恐ろしい「マクベス」を読みやすい小説版で!

感想・レビュー・書評

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  • 978-4-7515-2774-0
    c8397¥1300E.

    シェイクスピア 名作劇場4
    マクベス

    2014年11月30日  初版発行

    文:斎藤洋(さいとう ひろし)
    絵:佐竹美保(さたけ みほ)

    発行所:あすなろ書房

    カバー袖より
    「いずれは王になる」 3人の魔女の謎めいた予言。はじめは戯言と相手にしないマクベスだったが、一つ目の預言が成就した瞬間、眠っていた野心が目を覚まし‥‥。
    「あらゆる文学の祖」といわれるシェイクスピアの名戯曲が小説に!-------

    手にした理由
    どんな話だったっけ…?
    同じ出版社の同じ作家さんと画家さんの、ジェイクスピア作品「ヴェニスの商人」がおもしろかったので、こちらも読んでみたくなりました。------


    この作品は戯曲、つまり演劇の上演のために作られものでありました。
    ストーリもですが、この物語ができた当時はyoutubeもテレビも、映画もない時代に一般的な生活とは違う、豪華絢爛な舞台や衣装が次々と出てきて、剣劇もある。これはきっとうけたはずです。見たいものがぎっしり詰まってますし、悪い心を持ってしまった人は破滅するわけですから、腹落ちしやすい。


    これは、一寸したきっかけで、誘惑に負けてしまった人の末路の物語ともいえるし。
    良い心根の伴侶こそが、宝物であるという教訓のお話ともいえるし。
    (マクベスの結婚が本人の意思だったのか政略的なものだったのか、また別の意味があるのかは知らんけどw)
    友だちや交友範囲は慎重に選ぶべし。とも言えるし。

    他にも色々な見方ができるんだろうなぁって気がしました。
    最後までわからなかったのは、魔法使い(預言?予言?はしたけど、魔法使ったか?)何のために、マクベスに伝えたのか?という事。試しただけなのか、本当にそのような(未来がわかる)能力があったのか…?わかったとして、それを伝える必要があったのか?
    国を作ったり滅ぼしたりしてるのはこいつらなのか?物語の最後にも登場するから大切なキャラクターなんでしょうけど。かき回すだけなら、旅の人で、再びの登場しなくてもいいわけだからねぇ。・・。多分、この騒動のきっかけを起こして、余韻をもたせるための再登場だったのかしら?

    ----------

    最初に登場人物と地図がありそれを見ながら物語を追いました。

    同じ人を土地の名前で読んだり、家の名前で出てきたり、ひとの名前かと思えば土地の名前だったり。紹介の無い人や土地も出てきて、それどこ?こいつ誰?とつっかえながら読み進めたという・・・ああシンド。映像だったらすぐにわかるのになぁ。

    -------------------
    シェイクスピアの別の本を見て
    自分の解釈といくつか違う点がありました。

    マクベス夫人はマクベスをそそのかし、ダンカン王を殺させたが、自分は自殺した。
    (イングランド軍とダンカンの長男の合同軍が攻めてくる様子で狂死したのかと思ったが、自殺だった)※児童書のためか、夫人が無くなったという記載はあったが、「自殺」という表現はなかった。

    ファイフ領のマクダフが帝王切開で生まれていた、つまり「女性が産み落としたわけではない」ということをマクベスに知らせているのはこの本では、医師だが、別の本では本人が告げた。

    この本では、マクベスは出陣で終わっているが、別の物では、「マクダフがマクベスの首を取った。マクダフは帝王切開で生まれた」と記載されていた。

    魔女は3人、そのほかにリーダーらしき別のキャラ(ヘカティ)がいる。王になったあとのマクベスが荒野に予言をもらいに行ったときにはヘカティもいた。(この本を読んでいた時には気が付かなかった。

    マクベス夫人が悪だくみしているときにカラスのセリフに気が付かなかった。

    予言をしてほしいと頼んだ際に現れた幻影は次の三つ。
    第1の幻影 首 兜をかぶっている
    第2の幻影 子ども(血まみれ)
    第3の幻影 子ども (木の枝を持つ王子)


    マクベスはマクダフの城に刺客を送り込み、一家を皆殺しにせよと命じる。
    マクダフの城には貴族のロスが来ていた。マクダフ人にマクダフがイングランドに逃げたことを伝えに行っていたところだった。ロスはそのままマクダフの城を出るが、マクベスの送り込んだ刺客がマクダフを探し、夫人も息子も殺害した。

    マクダフはイングランドのマルカム(ダンカン王の長男)と合流、マクベスを倒そうと説得、その時、ロスが合流し、マクダフの妻子がマクベスが放った刺客に殺されたことを告げる。

    イングランドからすでに軍を借り受けていた長男マルカムとともに、マクダフはマクベスを討ちに向かう。
    シーワード将軍(どっから出てきた?)の提案で、木の枝を身体に着けてカモフラージュして城に近づくことにした。(森が動くの預言)

    本では、妻が死んだあと、正気を保って出陣したようにも(この期に及んで、正気に戻ったようにも感じた)見受けられたが、別の物では、最後のシーンの中心(語り手)はマクダフ側のように感じた。

    この本にもマクベスの領地(グラームス)がどのあたりだったのか、盟友の領地の位置はどのあたりだったのかがわからなかった。
    ノルウェー軍が攻め入ったのは、違う場所だったようだが、コーダーの領主(マクドンウェル)がノルウェー軍に寝返ったのはその位置も関係があるんでは?
    コーダーが一番先にノルウェーに攻められる(近い)と思っているのに国王ダンカンは軍を送ってくれないとなれば、見捨てられたと思って寝返ったのでは?
    コーダーの領地がマクベス亡きあと、だれに与えられるのかは、わからないけど、有難くないところなのかも‥。

  •  権力争いと殺戮。当時の人達は、こういうのが好きだったのだろうか。この話も、人が多く死んだ。

  • 戯曲形式の文が苦手でずっと読めずにいたマクベスですが、図書館の子供向け小説コーナーで見つけてこれだ!と思い借りて読みました。
    あっさりとした文体ながらも情景が目にが見えるようでわかりやすくて良かったです。
    昨年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の感想で、マクベスのようだと名前が上がっていましたがなるほど、予想したより5倍くらい早く殺しが始まって引きこまれました。

  • シェークスピアの戯曲で有名なマクベス。その名作を小説形式にしたのが本書である。

    多くの物語の原型を感じる。
    人間の業というものを見事に描いている。

    三人の魔女が囁いたのは「マクベスの権利」。
    妻が煽ったのは「本来のポジション」を取り戻すこと。
    本来のマクベスは王であるはずなのに、何らかの力で将軍という位置に置かれている。それは「搾取」なのだと考え始めるマクベス。そして下した決断は裏目裏目と出るのだった。

    相続の時に起きる現象と似ている。
    もとは仲の良い兄弟だったのに、自分にも相続権がある知った途端に「自分の権利」に目覚めるのだ。目覚めすぎると言ってもいい。現実を見ることもなく、本来の権利はもっと大きいはずだと思い込み始める。そうなると疑心暗鬼が生まれ、他者の権利を自分の得るべき権利だという妄想が暴走するのだ。

    「本来の自分」を求めることがいかに危うく、操られやすい状態を生むのか。「マクベス」という作品に洗脳というものを教えられた気がする。

  • まぁ、こんなものか。
    オペラとかで見てみたい。

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著者プロフィール

1952年、東京都生まれ。中央大学大学院文学研究科修了。1986年、『ルドルフとイッパイアッテナ』で講談社児童文学新人賞受賞、同作でデビュー。1988年、『ルドルフともだちひとりだち』で野間児童文芸新人賞受賞。1991年、路傍の石幼少年文学賞受賞。2013年、『ルドルフとスノーホワイト』で野間児童文芸賞受賞。「どうわがいっぱい」シリーズの作品に、「もぐら」シリーズ、「ペンギン」シリーズなどがある。

「2022年 『がっこうのおばけずかん シールブック 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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