いい人ランキング

著者 :
  • あすなろ書房
3.57
  • (17)
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  • (40)
  • (12)
  • (3)
本棚登録 : 482
感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784751528617

作品紹介・あらすじ

「いい人」でいれば、安全だと思っていた。夏休み明けの教室で起こった小さな変化。それは、やがて・・・。不器用な人にエールをおくる、ほろにが青春小説!

感想・レビュー・書評

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  • 大病院の次期院長を継父に迎えた2学期、中学2年生の桃の学校では、クラスごとに「いい人ランキング」が行われ、桃が選ばれた。「いい人」であり続けようとする彼女をクラスの一部は利用し、雑務を押しつけたりパシリをさせたりしていくが、それはやがていじめに発展していく。同級生の圭機は、そんな彼女にアドバイスを与えるのだが……。

    「いい人」でいたいという気持ちにつけこむ悪意と、そこから逃れ出ようとする思春期の葛藤を描く?のか?わからない。

    まず主人公の桃が天然のいい人過ぎて、現実離れしているため、感情移入ができきれない。
    彼女を助ける圭機も、以前はいじめの首謀者だったものが「いい人」に変化したらしいが、その変化が余りにも鮮やかで無理が感じられないことにも違和感を覚える。
    また、桃の親友友亜も、彼女が「いい人」に祭り上げられた途端に離れていき、「いい人」を沙也子に譲った途端に戻ってくるのは不自然だ。そして桃もそれを自然に受け入れていて、おかしい。

    何が何でも「いい人」でいようとしたがために、いろんな悪意さえも受け取る形になったのだから、これからは自分の意見もちゃんと示そうと結ばれるのなら納得がいく。しかし、圭機も含めて、「『いい人』であり続けるゲームを一生やり続けたら本当に『いい人』だったと言える」と言っているので、これでは現状は変えにくいのではないかと思ってしまう。

    無理をしてでも「いい人」であり続けようとする自分の気持ちがどこから来ているのか、そこを見つめる視点が欲しいところです。

  • 3.2
    →主人公の桃が、本当にいい子でそれ故にクラスでいじめられてしまう場面はすごく胸が痛かったです。
    読み終わった後も、スッキリというよりはクラスメイトに対するモヤモヤが残りました…

  • 吉野さんの書く作品は、中学生のリアルに近いなといつも思います。多少、強引な設定かな?と思うこともありますが、よく子どもたちの見えない心の動きを表現していると思います。

  • 子供がまさに中学生なので、こんなクラスだったら嫌だなあ…というのが率直な感想。
    主人公の鈍臭さ(失礼)といじめの自然な始まり方が怖かった。そうなんだよな、暇つぶしみたいにいじめるんだよな、このくらいの子たちは。いや大人でもあるな、こういうの。
    途中かなり辛い(凄惨ないじめではないが故に)けど、師匠の機転が面白い。最後もハッピーエンド!とはいかないけれど、落ち着くところに落ち着く。
    思春期真っ只中の子はどう感じるんだろう。大人だからこういう事もあるよね、って思えるけど、リアルすぎてキツいかも?

  • あー、いたなぁ、こういう沙也子や知奈津みたいな子たち、と思いながら読み進めていった。
    いい人ランキングに選ばれてから、桃がジワジワといじめられていく様子が、読むのが辛いくらいにリアルだった。
    桃はさすがに鈍すぎるよ…でも後半からは少しずつ黒い部分も出てくるようになってなぜか嬉しかった。
    爽快なハッピーエンドにならなかったのも、またリアルで良い。
    でも尾島くんは話し方がキザだなぁ。
    これが高校生の話なら、尾島くんの印象も変わったかも。
    でも中学生が主人公だからこその作品なのかなとも思ったり。

    とりあえず、学生の時の懐かしいイヤ〜な感じを思い出させてくれありがとう。

  • 中学生の心情を上手く綴っていて、作品に引き込まれた。中学生らしいハブり方だったり、強者に弱者がよってたかるあたりも、中学生も大人もなんも変わりないんだよなぁ。。。

  • いじめの話ではあるけどなんかそこまで嫌な気持ちにはならなかった。主人公の周りの人間のキャラが良い。

  • 怖いランキング考えつくなあ。
    でも、これが10代。
    純粋すぎて怖い。
    大人はこんなに純粋にいじめんよ。

  • 「木佐貫桃は中学2年。母の再婚によって、2学期から名字が変わりました。本人にとってはどぎまぎするできごとですが、クラスメイトには違和感があるのは最初だけ、慣れれば別にどうということのない小さな変化だとばかり思っていました。
    9月の終わりの文化祭。開催する予定だったミスコンを職員会議で禁止されたことから、2年1組は「いい人ランキング」というコンテストを行うことになります。
    木佐貫桃が第1位になったことからクラスの空気は変わりはじめ……。
    小さなきっかけがさまざまな連鎖を引き起こし、少女が追いつめられていく過程、そして意外なところからその状況を打破していく姿が、リアルに、そしていきいきと描かれています。」

  • 2016 木佐貫桃(きさぬきもも)は中学校2年生。
    妹の鞠は年子

    2人の母愛子は、同級生の病院の副院長木佐貫のぼる

    そして新年度を待たず、苗字がかわった。

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著者プロフィール

神奈川県出身。2005年『秋の大三角』で新潮エンターテインメント新人賞を受賞。『劇団6年2組』で第29回うつのみやこども賞受賞。作品に、『チームふたり』からはじまる「チーム」シリーズなど多数。

「2014年 『新装版 チームシリーズ 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

吉野万理子の作品

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