- Amazon.co.jp ・本 (143ページ)
- / ISBN・EAN: 9784752005575
作品紹介・あらすじ
卵からかえったのは…あまえんぼうのクリ、くいしんぼうのゴマ。二羽がわが家で育って旅立っていった、ひと夏のお話です。
感想・レビュー・書評
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「実話です。アリス館の編集者さんから、子どもと自然をテーマに物語を依頼されていたとき、息子がカルガモの卵をひろってきて、あたためはじめました。その卵が孵化し、二羽の子ガモが成長して、ぶじに放鳥できたので、「事実は小説よりも奇なり、ですよ」と編集者さんを説得してノンフィクションとして書きました。98%は事実の、ウチの物語です。」(なかがわちひろHPより抜粋)
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何度も泣いてしまう場面がありました。
生き物を飼いたいと言っている娘達がいて、
あまりにもタイムリーでした。
改めていのちについても学べ、
なかがわさんの困惑や心情に涙がとまりません。
今この本を娘達と読めて本当に良かったです。 -
野生の生き物を育てる難しさ、葛藤が、子どもにもわかりやすく書かれている。
いのちについて、考えさせられる本。 -
生物多様性の本棚の一冊。
「幼児向け絵本」の項目に入っているけど、大人にも面白い。読み終わった時は自然とカルガモの生態に詳しくなれる。
子ども時代にこんな経験をしたら、一生の宝物になるだろうな。でも、まぁ、野生動物には基本的に手を出すべきじゃないわ。きれい事や美談じゃすまない。
親ガモは、巣がある環境が危険になったら、卵を放棄することもあるんだな。それも生存戦略の一環か。
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小学校中学年の課題図書なのですが、最後の別れのところは泣けました。こんなになついてかわいいんだもん。生き物好きな作者と子供さんの奮闘ぶりがありありとうかがえます。カモ兄弟は、今も元気でいるかしら。
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・どっさり143ページあります。カモのきょうだいについてわかるし、タマゴの中もみれます。タマゴを毎日ひっくり返す、カモのタマゴはどう育つのかもわかります。勉強になります。
・ポケットにいれられるところがおもしろいです。
・この本はゲンがカモのたまごをひろってきて、その中から2羽生まれて、その2羽が旅立っていく話です。この本の2羽は性格が大違いで2羽が水に入ろうとすると、2羽のうち1羽がこわがってもう1羽が入っておいでと言ってるようなやり取りが面白いです。 -
ある日、子供達が家に持ち帰ってきたのは、6個のカルガモのタマゴ。
近所の田んぼのあぜ道にカルガモの巣があったのだが、大雨で巣は流されてしまい、カルガモ母さんも姿が見えない。
そのままではカラス等の餌食になるか、腐ってしまうかのどちらか。
もうすでに2個はカラスに食べられてしまっている。
そこで、残ったタマゴをひろってきたのだった。
本来、野鳥を飼うことは禁止されているが、「リハビリ」という名目で、育てる事になった一家の物語。
いずれ必ず野生に返す、という約束のもとに・・・
本書は2012年夏の小学校中学年向けの課題図書。
動物園で飼育されているカルガモのヒナを見て以来、カルガモ好きになったので、前から気になっていた本。
カルガモのヒナ目当てに毎週のように動物園に通った時期があったが、今にして思えば、よく熱中症にならなかったものだと思う。
小学校中学年向けなので、写真やイラストも多く、字も大きめなので、あっという間に読めてしまう。
真っ先に思い出したのはコンラート・ローレンツ「ソロモンの指環」(早川書房)の”ガンの子 マルティナ”のエピソード。
図らずもハイイロガンの育ての親になってしまったローレンツ博士の奮闘記だ。
マルティナは昼は2分おき、夜は1時間おきに親の「存在確認」をする。
ここでうっかり応答を忘れようものなら、マルティナは必死の形相で騒ぎ出す。
そのため、ローレンツ博士は、やがて寝言で応答できるようになった、と書いている。
クリとゴマの場合も同様だったらしい。
(夜中にも鳴いたかは定かではないが、同じカモ科なので、似たようなものだろうと想像している)
2羽の成長の様子は、読んでいて、思わずにやけてしまう。
黙っていてもカルガモが後をついてくる、というのは、カルガモ好きとしてはうらやましい以外のなにものでもない。
ただ、いくら写真を見て、説明されてもクリとゴマの区別はつけられなかった。
著者も、時々、クリとゴマを間違えていたのでは?と思う。
が、やがて、この2羽の「個性」の違いに気がつく。
クリは好奇心旺盛だが几帳面で臆病、ゴマは少々のことでは騒がない、のんびり屋でくいしんぼう。
カルガモのヒナ目当てに動物園に通っていた時も、ヒナ達は、最初、カルガモ母さんの後をついていくだけだったが、そのうち、「母親べったり派」と「そっちのけ派」に分かれていたのをなんとなく覚えている。
面白いのは、人間の子供の「反抗期」に相当する時期があったということ。
成長して、だんだん力がついてくるので、一人(一羽)でいろいろやりたいが、経験がないので、なにかと不安、という時期があるのは人も鳥も同じなのだろか。
世話が大変でも、楽しい日々はあっという間に過ぎ去り、やがて、野生に返す日がやってくる。
この類の話では「お約束」かもしれないが、別れのシーンは、やはり悲しい。
が、クリとゴマは、その後、(別々に)一度だけ「里帰り」をする。
クリとゴマを離した遊水地から著者の家までの道程は知らないはずなのに、なぜか家の場所を正確に知っていた2羽。
まるで飛べるようになったから、挨拶に来たかのように。
その後、著者は、遊水地で口笛と鳴き声で「挨拶」をかわすようになる。
最初のうちこそ、姿も見せたが、そのうち声だけに。
次第に疎遠になっていくが、それはクリとゴマがカルガモ社会に溶け込んでいった証。
望んだとおりの結果になったのだが、寂しさは隠せない。
著者は、世話になった獣医に
「今度から野鳥が保護されたら里親になって欲しい」
と冗談交じりに言われたとき、
「とんでもない」
と、すぐに断る。
それは「世話の大変さ」と同時に「別れのつらさ」があったからかもしれない。 -
いっぱい泣けたー。小学3年生の課題図書(?)でこんなに泣くなんて。作者のなかがわちひろさん、お世話がんばったなー、わんこ飼ってて子育てしててお仕事してて、それでカモのお世話。すごいなー。うちの裏の川にもカモがいて、人を怖がらないで後ろくっついて歩いてきちゃう子がいたけど、もしかして赤ちゃんの頃、人に育てられたのかしら?