思惟の道としての現象学 超越論的媒体性と哲学の新たな方向

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  • 以文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784753102730

作品紹介・あらすじ

現象学の創始者フッサールが生誕150年を迎え、世界中で現象学そのものの新たな見直しが進められています。本書はその現象学のわが国における第一人者の最近の思索と活動を集大成した注目の哲学書です。
 著者は「超越論的媒体性」という概念を提唱したことで世界的に知られています。フッサール、ハイデガーといった先人たちの営為を引き継ぎ紹介するだけでなく、現代思想・哲学の最先端を踏まえてその問題点を指摘、さらに彼ら自身気づいていなかった可能性をうがち発展させ、新しい哲学へと生まれかわらせようとしている。最前線で思考しつづける、現代では稀となった本当の哲学者です。
 本書では、フッサールが始めて構想して以来の現象学の問いと方法と思索の深まり、そして変貌の様子を明快にあとづけたうえで、現象学そのものがひとつの生き物のように変容、成長していくさまを「思惟の道」としてとらえ、それを現代世界のありように照らしてさらに変容・発展させていくことが哲学の「知の責任性」だと説きます。
 ハイデガーの「顕現せざるものの現象学」、フィヒテの「像」の哲学に隠されていた可能性をおしひらき、「超越論的媒体性」を軸にした新しい「生命の哲学」を構想する。そのとき、「死」「他者」といった古くからの問題に新しい道が開かれ、西洋起源の哲学が西田幾多郎、井筒俊彦といった東洋思想と出会い、さらには真摯な宗教や芸術がいきづく領域へと限りなく近づき、まったく異なる世界と生命のありようまで垣間見せてくれる。スケールの大きい、未来へ向けた書物だといえましょう。

著者プロフィール

1929年生まれ。東北大学卒業。哲学者。専攻は現象学、解釈学。現在、東洋大学名誉教授。著書に『現象学』(岩波全書、1978年)、『現象学とは何か』(講談社学術文庫、1992年)、『現代の問いとしての西田哲学』(岩波書店、1998年)、『世界と生命』(青土社、2001年)、『現象学と解釈学』(ちくま学芸文庫、2006年)ほか多数。

「2009年 『思惟の道としての現象学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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