事例研究というパラダイム―臨床心理学と医学をむすぶ

著者 :
  • 岩崎学術出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784753310647

作品紹介・あらすじ

臨床心理学領域の研究法として、事例研究は本邦において長い歴史をもっている。また事例研究は狭い意味での研究としてだけではなく、実践者への教育、訓練の方法としての価値も強調され、その重要性は「自明のもの」であるかのように語られてきた。しかし、この「自明なものとしての事例研究の重要性」は、近年強い批判にさらされている。そのような批判は、臨床心理学以外の学術領域のみならず、臨床心理学の内部からも巻き起こっている。このような流れの中で今、本書を公表する大きな目的は、現時点で再度、臨床における事例研究の意義を問いなおすということにある。("序文"より抜粋)。

感想・レビュー・書評

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  • 三葛館一般 140.7||SA

    本書では、医師であり臨床心理士でもある著者が、「事例研究」について改めて問いなおし、その意義を論証しています。
    理論編、事例編、総合考察編の3部構成により、「臨床事例研究」に関連する複数の分野にまたがった歴史的、社会的背景や理論を丁寧に紐解き、考察しています。
    医療/医学および心理臨床を含む広い意味での「臨床」に含まれる研究領域に身を置くみなさまにとっても、学問領域を超えて共通している研究デザインや研究方法論、あるいは社会的な研究意義などについて理解を深めるためにも参考になる一冊です。

    目次-------------------------------------------
    序 文
    第Ⅰ部 理論編
    第1章 臨床事例研究の科学論
    第2章 「エビデンスに基づく実践」のハイジャックとその救出
    第3章 質的研究と量的研究
    第4章 事例研究という質的研究の意義
    第Ⅱ部 事例編
    第5章 境界例における自己治療的ドラマ
    第6章 心身症における三つの悪循環
    第7章 こころとからだの和解の過程
    第8章 元型的観点からみた摂食障害
    第9章 心身症と物語
    第10章 慢性疼痛―痛みは語りうるのか?
    第11章 過食嘔吐の大学生へのナラティブ・セラピー風心理療法
    第12章 女子大学生の夢に見られたdismembered body image について
    第Ⅲ部 総合考察編
    第13章 あらためて事例研究を考える
    付章 対談:ナラティブ・ベイスド・メディスン―医療における「物語と対話」
    -------------------------------------------------

    和医大図書館ではココ → http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=67300

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著者プロフィール

立命館大学

「2021年 『N:ナラティヴとケア 12』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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