世界の作家が愛した風景

  • パイインターナショナル
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (119ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784756243041

感想・レビュー・書評

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  • 2012年発表。


    世界の作家が愛したゆかりのある世界各地の美しい風景を、
    綺麗な写真と詳しい解説で紹介した
    画期的な写真集♪



    いやぁ〜
    素敵なコンセプトに拍手!


    表紙とタイトルを見た瞬間、
    我が頭に標準装備された
    「私的面白本レーダー」が
    ビビビと反応!

    0コンマ1秒後には
    ササッと手にとって
    もう見入ってましたから(笑)(^_^;)




    「赤毛のアン」のモンゴメリが住み続けた
    美しい自然がいっぱいの
    カナダのプリンスエドワード島、


    フランソワ-ズ・サガンが
    「悲しみよこんにちは」で描いた
    フランスはリヴィエラ海岸。


    文豪ゲーテが絶賛した
    イタリアのシチリア島。


    アガサクリスティーの生まれ故郷であり
    作品のモデルともなった
    宝石を散りばめたように美しいリゾート地、
    イギリスはトーキー。


    トーマス・マンの故郷リューベックに立つ、
    おとぎ話の中にいる錯覚を起こしてしまう
    荘厳なホルステン門。


    紺碧の海に吸い込まれそうな
    ヘミングウェイが愛した
    キューバの港町コヒマル。


    孤独の中、神経衰弱に陥った夏目漱石が見た
    イギリスのロンドン塔。


    「異邦人」で
    一躍時の人となったカミュが
    晩年に移り住んだ、
    フランスで最も美しい村と呼ばれる
    ルールマラン。


    ヘルマン・ヘッセが青春を送り
    自伝的小説「車輪の下」で描いた、
    ドイツのマウルブロウン修道院。



    などなど、
    美しい写真がズラリと並び、
    めくるたびに
    文豪たちに思いを馳せる
    豊潤な時間をくれる。


    作家たちが見た風景を知ることで
    知らない作家の作品に興味を持ったり、

    より深く名作の背景を知ったり、

    ただの写真集にとどまらない
    スゴく意義のある
    企画本だと思います。


    名作の舞台や
    作家の愛した風景は
    読書好きなら絶対に見て損はないし、

    本を持って
    舞台となったその国を訪ねてみたくなること必至ですよん!(笑)

  • おなじみの作家、作品の舞台の写真が大きな1枚の写真と短い解説で、作家と作品の世界をより楽しめ、イメージがふくらむ。

    モンゴメリー「赤毛のアン」のプリンスエドワード島、ビアトリクス・ポターの湖水地方、シュピリ、ハイジのアルプス、太宰治の岩木山までおなじみの所から、案外場所を知らないヘミングウェイの「老人と海」のキューバの海岸、サガンのリヴィエラ海岸、グリム童話の眠り姫の舞台といわれるザバブルク城など、そうか、こんなところかと興味深い。

    一番感動的な写真は、ジャック・ロンドン、「野生の呼び声」の舞台のカナダとアラスカ境のクロンダイクという谷。スコットランドの荒涼とした丘をもっとダイナミックに大きく高く荒々しくした自然。人を容易には寄せ付けない空気。1897年、一攫千金を夢見てゴールドラッシュだったクロンダイクに行って、結局金は探せずアメリカに戻り、その時の経験をもとに「野生の呼び声」や「白い牙」を書いたというのだ。

    シートンのサンタフェの赤土の家々の写真も興味深い。5歳の時にカナダに移住し博物学者だったシートンが33歳の時、狼に苦しむニューメキシコ州の農民に撃退を依頼され、ロボと呼ばれる狼を観察し、みごと捕獲に成功。これを基に書いたのが「狼王ロボ」だという。70歳の時にこのサンタフェに移住しプエブロ族の住む赤い壁タイプの邸宅を建てそこで亡くなったという。

    表紙はたぶんケルアックのカリフォルニアの海岸。アメリカを放浪し「路上」を書いた後、カリフォルニア、ビックサーの友人宅で過ごし「ビックサー」を書いた。その海岸。本文の写真と角度がちょっと違う。

    2012.12.19初版第1刷 図書館

  • 旅行先の海辺のホテルにあって読んだのだけど、海辺のホテルは全て置いておいて欲しいと思うくらい気持ちにぴったりの本だった。
    見開きで一人の作家の簡単な説明と関係する風景の写真、風景と関連した文章が載せてあり、写真が大きいので文章量は多くないのだけど、とても上手くまとめてあって、どれも作家や作品への愛情が感じられる。
    写真の美しさには毎ページ釘付け。
    こういった紹介本は文章がうわべだけな印象のものが結構あるように思うのだけど、この本は写真を眺める楽しみと文章を読む楽しみのどちらも味わえて良かった。

  •  これは心打たれる景色。往時そのままに、とは行かないまでも変わらぬ何かがあると思いたい。

  • 風景写真がたいへん美しい。読みたい本も見つかる。

  • 世界の作家が暮らした場所や、旅で出会ったゆかりの地が、見開きいっぱいに美しく迫ってくる。読んだことのある本の舞台や、自分の想像していた風景だったり・・・。
    ページをめくるうちにもう一度その作家の本を読んでみたくなる写真集。

  • 説明文が非常に簡素なので、写真を見て作家との関係をばっちり認識できるまでにはいたらなかったが、風景写真として眺めるだけでも癒される美しいものが多かった。

  • 名作の舞台になった世界各国の名所。もう少し凝った取材かと思いきや、割とあたりまえの写真が多く、ちょっと肩すかしな感じでした。

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