- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784756244246
作品紹介・あらすじ
平安時代に育まれ、室町、桃山・江戸時代の意匠に一貫して流れる、日本人の美意識を象徴する文様。森羅万象の美しさを凝縮した伝統文様の数々を浮世絵、器、着物等約700点もの芸術作品と共に紹介。
感想・レビュー・書評
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日本に古来受け継がれている文様というものがある。
花であったり、動物であったり、はたまた幾何学模様であったり。
元来の形が極度に図案化されて、そもそも何に由来しているのかわからないものもある。またおめでたいと言われているけれど、なぜめでたいのかが無意識のうちに用いられているようなものもある。
そんな日本の文様あれこれを、簡潔な説明文と例となる図版でコンパクトに紹介する1冊。
眺めているだけでも楽しい。
説明文には英訳も付されており、日本好きの外国人読者も想定した作り。図版の出典や索引があるのも親切。
文様は、植物・動物・自然現象・器物・幾何学・様式・吉祥に大別され、それぞれに属する梅文、鶴文、雲文、団扇文、縞文、立湧文、四君子文などが紹介される。
説明文で「○○文としてよく知られる名物裂の××が・・・」と挙げられているものが、図版には収録されていなかったりして少々ずっこけるのだが、著作権の関係などでいろいろ難しいことがあるのかもしれない。本書にすべてが説明されていることを期待するよりは、取っ掛かりとして、またはレファレンスとして使うとよいのかもしれない。
個人的には、比較的写実的な花などの文様よりは、抽象化の進んだ青海波文や幾何学的な沙綾形文などにより面白みがあるように感じた。
*茶道でお正月に出される嶋台という対の茶碗がありまして。二つ重ねで、上の茶碗の内側に金箔、下には銀箔が施されるという贅沢なものなのですが、この高台が上は五角、下が六角です。五角は鶴を表し、六角は亀を表すらしいのですが、六角の亀はともかく、五角の鶴っていうのはなぜ・・・?というのがよくわからず。鶴が羽根を広げた姿を上から見たものとか、折り鶴の畳んだ形とか、説はいくつかあるようです。その辺がわかるかな、と思って借りたのですが、そこまで詳しい本ではありませんでした。眺めて楽しかったのでよかったのですが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
蜘蛛の巣文がおもしろかった。
江戸時代を中心にいろんな文様を実物と比較する集。 -
和食器の文様に惹かれて読み始めたけれど、日本画にもたくさん使われていて勉強になった。
四季を感じたり、植物をしっかり見たり、縁起を担いだり、慣習には必ず意味があることを垣間見れる。 -
(図書館員のつぶやき)
文様てなんば思いだす?花てん鳥、動物やろかね、いんにゃこん本はそんくらいじゃなかとよ、面白かごとどっさいのっととよ。植物文様、動物文様、自然現象模様てどっさい。いっちょの梅ん花にしても多種多様、昔っから日本人の美意識のこがんあふれとって、すばらしかね。見よぎんこげんとこにも朝顔てんトンボてんて、遊び心のあっけん見よって楽しくなっとよ。よかぎん見てみらんね。
訳:文様て何を思い出しますか?花とか鳥、動物でしょうかね。いいえ、この本はそれくらいではありませんよ、面白そうなのがたくさん載っています。植物の文様、動物の文様、自然現象の文様てとにかくたくさん。梅の花ひとつにしても多種多様な梅が見られます。昔から日本人の美意識がこんなにあふれているて、素晴らしいですね。見ていたらこんなところにも朝顔ね、トンボねと遊び心を見つけて楽しくなりますよ。良かったら見てみませんか。 -
資料番号:011544046
請求記号:727/ニ -
模様たくさん。家紋ではない。
説明というより、柄や写真がよかった。