やっぱり! インフレがやって来る (アスカ・ビジネス)

著者 :
  • 明日香出版社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784756914989

感想・レビュー・書評

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  • 本書は1997年に書かれた本を改訂して2011年夏に書き直された本。
    前半ではひたすらバブルが起きて、崩壊したシステムを図解などを使用して簡略に説明している。
    そして、後半では、これからの活性化策(あくまで2011年なので東日本大震災後、アベノミクス以前)や、展望が書かれている。
    具体的には、年金問題の解決、法人税の引き下げ、消費税の名称変更と引き上げ、納税者番号導入、長期投資の減税などである。

    特に、長期投資を信条としている著者は、余剰なほど眠っている預貯金を投資へ向かわせることが成熟経済でのあるべき姿と語る。特にこの本が書かれている2011年夏は、地震後を除いては、株価は底であった。今こそ、人々は日本にとって必要な企業の株を買い、お金を流動させるべきだと書かれている。もちろん、株価は何かのタイミングで必ず上がる。その時に利益を頂戴すれば処分すればいい、長期投資は長いスパンなれどリズムが大事だと熱く語っている。
    くしくも、衆議院選挙を行い、アベノミクスが注視され、株価が倍近くになった。NISAなども始まる予定であり、特区で法人税の引き下げなどが議論されたり、と本書はかなり的を得ていると個人的には思う。

    2011年夏と、現在ではかなり状況が違うが、基本的な経済の構造に関しても優しく説明してくれるし、バブルに関しても詳しく説明してくれていて、とても勉強になる。中長期投資が株式投資の本道だと私も考えているので、この本、ならびに著者の意見にはこれからも注視していきたいと思わせる大変良い本であった。ただ一つ、問題があるとすれば、本の題名はあんまりよくないと思う。インフレに関しては、説明も不十分だったのか、あまりピンと来なかった。

  • とにかく読むべし。有用。

著者プロフィール

さわかみホールディングス代表取締役、さわかみ投信創業者。1971 年から 74 年までスイス・キャピタル・インターナショナルにてアナリスト兼ファンドアドバイザー。その後 79 年から 96 年までピクテ・ジャパン代表を務める。96年にさわかみ投資顧問(現さわかみ投信)を設立。販売会社を介さない直販にこだわり、長期投資の志を共にできる顧客を対象に、長期保有型の本格派投信「さわかみファンド」を99年に設定した。同社の投信はこの 1 本のみで、純資産は約 3300 億円、顧客数は 11 万 7000 人を超え、日本における長期投資のパイオニアとして熱い支持を集めている。『10年先を読む長期投資』(朝日新書)『金融の本領』(中央経済社)、『本物の株価上昇の波が来たぞ!』(日経BP社)『2020年に大差がつく長期投資』(産経新聞出版)『大暴落!その時、どう資産を守り、育てるか』『インフレ不可避の世界』『暴落相場とインフレ 本番はこれからだ』(いずれも明日香出版社)など著書多数。

「2023年 『本物の長期投資でいこう!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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