メディアは存在しない

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著者 : 斎藤環
  • NTT出版 (2007年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757102057

メディアは存在しないの感想・レビュー・書評

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  • フロイト派の精神科医で哲学者ジャック・ラカンの「女は存在しない」という言葉をもとにして、そこにマクルーハンのメディア論を組み込み、斉藤環は「メディアは存在しない」と言い換えている。

    ラカンは複雑で逆説的な理論を展開し、そこに独自の言語概念を持ち込み、さらにそれを数式を用いて説明したりするため、ますます難解な話になる。
    たとえば「性関係は存在しない」という?な仮説を説明するために、ファルス関数を導入したり。∀xφx、∃x¬φx と書き表してみたり。

    参照:
         http://gadgetyhomme.wordpress.com/
         [読書記録] 知の教科書 ラカン=フロイト

    アメリカの物理学者ソーカルは、ラカンが用いた数式を、科学的な外観を装って物事をわざと難しく見せかけるための不要な表現だとして、批判した。

    科学者から見ると、ラカンの記述は、???だらけなのだ。
    レヴィ・ストロースは自らの数学的な記述を、数学者に見せてチェックしてたそうだけど、ラカンの記述は不正確なので、物理学者ソーカルからボロクソに叩きのめされている。

    精神科医としても、ラカン派は臨床例の少なさから、実際の臨床では使いものにならない。

    ラカンは、むしろフランスの構造主義、ポスト構造主義思想に影響を与えた 哲学者として取り上げられるケースが多い。
    実際、ラカンは歴史の哲学者アレクサンドル・コジェーヴのヘーゲル講義に参加し、そこでは、ジョルジュ・バタイユと友人だった。バタイユの元妻と結婚している。
    言語学者ソシュールの影響も強く受けている。

    斉藤環は、こういう、おフランスの、ニセ科学で飾り立てられた精神科医の言葉を引用するので、話がとても難しくなる。

    でも、斉藤環の文章って、そういう理解不可能な哲学的な話の中に具体的な話が出てくるので、オレは好きだ。
    コンピューターグラフィックの歴史について述べる箇所では、トイ・ストーリやファイナル・ファンタジーの話が出てきて楽しい。

    CGがあまりにリアルになりすぎると、現実の人間との微妙な違いによって、気持ち悪さを感じてしまうので、むしろデフォルメされたアニメ的な表現や、ローテックなロボット的な姿のほうが親しみやすい、とか。
    ふだん感じてることが、説明されてて、あー、そうだよなー、って納得する。
    それに、映画『マトリックス』の話も楽しい。

    ニコラス・ルーマンのオート・ポイエーシス理論やシステム理論、パーソンズの社会学まで持ち出してきて、もう、なんでもありなのだ。

    高速インターネット環境が発達した韓国の、ひきこもり事情の記述も、現実的な話題で、笑えた。

  • 難しくて途中で諦めました。
    論旨の概要さえつかめないって辛い。

  • コミュニケーションの不可能性。やっぱりそこに注目か。

  • なんてね

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メディアは存在しないの作品紹介

メディアは人間を変えるのか?ラカン派精神医学の立場から、著者は「否」と答える。東浩紀、ジジェク、マクルーハン、西垣通、ルーマンらの諸説の検討、CG、アニメ、ブログ等の分析を通して、メディアと人間の関係を徹底思考。西垣通氏から著者への応答、東浩紀氏、大澤真幸氏との鼎談も収録。

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