アーキテクチャの生態系

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  • NTT出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757102453

感想・レビュー・書評

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  • 今では少し古いなと感じさせる部分も少なくない。それでもITと人との関わりから発展した様々な事象を客観的に分析している点は賞賛に値する。良書。

  • 久しぶりに読み返したらまた勉強になった!

    日本にはこの手の本が少なすぎると思う。

    こういうのをエンジニアが書ければもっと面白いのにな。

    アーキテクチャという考えはエンジニアこそもっとも熟知すべきこと
    のような気がする。

    個人的にアーキテクチャは心理学の認知的不協和とリンクしている。

    少し前から認知的不協和が今後のキーワードになりそうと
    思っていたけど、それこそがアーキテクチャだったとも言える。

    この本で考察してあるようなことを考えないでサービスを作るとかは
    本当にありえないと思う。

  • 再読したらあまり面白く感じなかったので★★★★から★★★へ変更しました。(2011/09/06)

  •  忘れかけていたmixiが、最近mixiページでfacebookやTwitterが盛り上がったのを見て、週間エコノミスト11.2.1(フェイスブック特集)で唯一実名(facebook)に否定的なコメントを寄せていた濱野智史氏を思い出したので再読した。 
     2008年10月発行の本書は主にWeb2.0以降の米国発のネットサービスと日本独自の発展をしているネットサービスをアーキテクチャーの観点から対比させその根底にある日本の文化・社会について論じている。

     ソーシャルメディアに関しては、米国が自立した個人で形成される「個人主義」であることを背景として、個人の人間関係をウェブサイトに転写し人と人の繋がりを発見・発掘し、積極的にコミュニケションやオフ会に参加して自分の人脈を広げていくのに対して、場面ごとに「空気を読む」ということが求められる「集団主義」の日本では、安全圏に閉じこもり内容の無いただ繋がっていることを確認するコミュニケーションに止まっていると説く。一方、Twitterやfacebook等のアーキテクチャーがリアルタイムで自らの行動履歴を友だちに通知するなど、日本的な繋がり方が世界に拡散しているとも言及している。

     インターネットの世界では米国型を礼讃し、日本のサービスやユーザをガラパゴスと揶揄して終わる論調が多数派を占める中、日本の文化・価値観とそれを支えるアーキテクチャーについて分析し、肯定的に捉えているところはとても新鮮、まぁ、少し回りくどい物言いがちょっと鼻につきますが。。。

     本書の冒頭で、ローレンス・レッシングの『CODE』の中で論じられたアーキテクチャー(環境管理型権力)についての説明があり、その要約を引用します。

     ①任意の行為の可能性を「物理的」に封じてしまうための、ルールや価値観を被規制  者に内面化させるプロセスを必要としない。
     ②その規制(者)の存在を気づかせることなく、被規制者が「無意識」のうちに規制  を働きかけることが可能。

     本書では「いちいち価値観やルールを内面化する必要がない」「人を無意識のうちに操作できる」といった特徴をより肯定的に捉えて、アーキテクチャーで社会設計を行う可能性を示唆している。
     
     引用なんかするとこの文章まで回りくどくなりますが、要はソーシャルメディアのアーキテクチャーによって「日本の社会をもっと良くすることができそう!」ってことですね。

  • システムとweb,現実との関わりについて

  • 発売当初に後輩くんが熱くお薦めしてくれていた本。
    その時はスルーしていたんだが、現状ソーシャルの本質理解が進んでいない中で、対処療法的に付き合っている感があり、改めて手に取った次第。構造的な視点でのアプローチとして刺激の多い本。
    この先、ソーシャルが社会的にどのような文脈に刺さっているのかなんかをいろいろ漁っていく予定ですかね。

    • takabou1231さん
      何年も前に後輩君から薦められていた本
      改めて必要になって読みました

      書かれている内容は、視点としては面白いものの、結果の斬新さはあまりない...
      何年も前に後輩君から薦められていた本
      改めて必要になって読みました

      書かれている内容は、視点としては面白いものの、結果の斬新さはあまりない
      でも、こういう本をポイントポイントで読んで、流されがちの状況を改めることは重要です
      2011/07/19
  • なぜ2chやニコ動があれほど盛り上がっているのか、とか、CGMと匿名性の関係みたいなところに興味あって読んだのだけれども、いろいろヒントが見つかってよかった。

  • web2.0の後にどのような理由で、WEB上のシステムが開発されたかを検証して、今後の未来を考える本。

    SNS、twitter、googleなど、それぞれに生き残る理由があると同時に、時代の波に翻弄されているものがわかった。同期-非同期、相手を拘束するなどの視点から、全体を分析している点が素晴らしい。

    未来を考える上では一読しておいた方よいと思う

  • こういう見方もあるということ。
    隠花植物的な扱いを受けている日本固有の「アーキテクチャ」に関する解説が秀逸だと思う。

  • メモ
    ・集合知・協力の倫理(無意識に人々が貢献→今はあえて意識的)
    ・ブログの本質>ブログ×googleで結果優れたものが生き残る「淘汰」メカニズム(不特定多数無限→玉石混交)

    ・2ch↓↓↓
    ・コピペお約束=アクション欲。イデオロギー(内容)でなくて祭り(ノリ)・・・他のSNSとは承認欲求がちょっと違うと思った。
    ・匿名web上の階層制を否定。
    ・限定客観性
    ・PC系ネットユーザーhas「突っ込みというリテラシー」=相対化してひとつの高い視点から見下ろして観察。

    ・mixi:「繋がりの社会性」:繋がっているだけを確認する自己完結型コミュニケーション。実名登録=SEO対策。

    ・PC系:BBS/ブログといった第三者的な誰かとのコミュk。見られている、向けている=パブリック。like放送
    ・ケータイ系:画面小さい/番通選択=you&me=二者間におけるパーソナルなコミュk。like手紙

    ・個に転じるリスクとリターンを自覚的に運用できなければ「匿名的分身が合理的になる」from集団主義。

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著者プロフィール

1980年生まれ。情報環境研究者。著書に『アーキテクチャの生態系』(NTT出版)、共著に『希望論』(NHK出版)、共編著に『日本的ソーシャルメディアの未来』(技術評論社)など。

「2012年 『恋愛のアーキテクチャ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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