CSR 企業と社会を考える (NTT出版ライブラリーレゾナント025)

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  • NTT出版
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757121799

作品紹介・あらすじ

会社は誰のものか、何のためにあるのか?グローバル時代の企業価値の本質を最新データとともに読み込む「CSR論の決定版」。

感想・レビュー・書評

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  • CSRの基礎が分かる本。
    最近はSDGsという単語が先行しているが、企業の社会的責任=CSRを体系立てて学ぶにはいい本。

  • CSRに関する著者の本はどれも同じような内容なため、最新のものを一冊読めば十分だった。

  • 谷本寛治 CSR企業と社会を考える 
    NTT出版、2006年6月
     
    P1 
    企業に期待される役割や責任というものは時代とともに変わっていく。
    市場のグローバル化によって共通していく部分もあれば、なおかつ異なる部分もある。企業あるいは市場というものを、固定的なイメージで捉えることは危険である。
     
    P2
    企業は株主、従業員の他に、消費者、地域社会、NPO/NGO、政府、取引先などの関係の中でのみ存在している。企業はそれぞれのステークホルダーとの関係の中で経済的/社会的な権力を持ち、その責任を果たすことも期待されているのである。
     
    歴史:
    企業を社会との関係の中で捉えることが重要視されるようになったのはそんなに昔のことではない。アメリカで企業の社会的責任が本格的に議論されるようになったのは、1960年代後半ごろからである。
    企業にまつわる環境問題、女性、障害者雇用問題、製品の安全性の問題、さらにグローバル化が進むにつれ、途上国における労働、人権問題などが社会的責任として問われる。
     
    対応部署:
    それぞれの問題についてリスク管理、法務、コンプライアンス、環境、社会貢献などの担当部署がそれぞれに対応してきた。
    →持続可能な社会経済システムが求められる潮流の中でどのような起業像が求められているのかを知り、どのような企業であろうとしているのかを考えていく必要がある。
     
    消費者の期待:
    よい商品を開発しブランドを確立したとしても、その製品の作られるプロセス、社会的に責任ある企業経営をおこなっているかどうかが問われる。
    →株主への期待に応える
     
     
    本論
    (×は論文の対象外)
    ×会社は誰のもの?
     
    P23 図1−2 企業とステイクホルダーの関係
    P26 scandal(たまたま倫理観の欠如した社員が引き起こす)とcrimeは明らかに異なる ×犯罪
    P27 2000年の雪印乳業の集団食中毒事件、2004年の牛肉偽装事件は企業の存続を左右
     
    歴史:
    1970年代半ば 公害裁判がピークに→オイルショックで消える。
    P31 企業とステイクホルダーの関係は、1990年代以降から変化しはじめている。
    —株式所有構造の変化
    —グローバリゼーションの進展
    —市民意識の変化、市民社会組織の台頭
    —CSRのムーブメント
     
    P32 図式 構造変化の要因4点
    CSRへのグローバルな潮流→役割と責任が求められる
    市場がCSRを評価する動きがでた→SRIの進展 CSRを組み込んで企業評価を行う。
     
    阪神大震災でボランティアおよび非営利組織への関心高まる
     
    2003年CSR元年→グローバルにおける潮流とプレッシャーが引き金
    CSR報告書の作成に早くからとりくんだ企業の特徴
    売上高がおおい
    海外売り上げ比率および外国人持ち株比率が高い
    環境関連の業種
     
    外的プレッシャー:
    2000年以降 経団連が積極的な取り組み
    2003年「企業行動白書『市場の進化』と社会的責任経営」を経済同友会が発表
    2005年には75%がCSRを意識して回答と調査結果
    2004〜ISOへの積極的な対応
     
    日本政府(経産省)は特段積極的な対応とらず。
    P44 企業とステイクホルダーの関係
     
    ×モノサシ
    P51 グローバル化と日本企業
    国や地域による評価基準の違いがある。
     
    第二章 社会の中の企業
    CSR定義:企業活動のプロセスに社会的公正性や倫理性、環境や人権への配慮を組み込み、ステイクホルダーに対してアカウンタビリティを果たしていくこと。
     
    P61 パタゴニアの創業者イヴォン シュイナード「死んだ地球からはビジネスは生まれない」健康な地球がなければ株主も顧客も社員も存在しない。
     
    P62 企業は社会との相互関係の上で成り立っている。
     
    CSRの三つの次元
    P66 フィランソロピー活動は、あくまでCSRの一部に位置づけられる活動である。
    P69 CSRの三つの次元
     
    P71—74 グローバル企業への批判
    P79−87 国際社会のうごき
     
    P103「市場社会」という視点
    現実の市場は、いわば「真空状態」の中で経済メカニズムだけが機能しているわけではない。
    P104 市場社会の構図
    P106−108 CSR基準の確立、市場の形成
     
    P134−142 CSR調達
     
    第4章 企業とステイクホルダーの関係
    P155 権力アプローチ
    P161 ビジネスプロセスとステイクホルダー
    P165 のバルティス事例
    P168 各リレーションズ活動
     
    P193−195 専門性と国際性(保健分野への貢献事例)
    P201 ソーシャルビジネスの採算性
     
    非営利組織とのコラボレーション事例
    P210 企業が社会貢献活動や社会的事業をおこなうにあたって、それぞれの領域で専門性と経験をもつ非営利組織と協力しながら社会的課題の解決に取り組む動きが広がっている。
    非営利組織に求められること:
    専門知識とネットワーク
    マネジメントシステムを充実させること
    起業家精神で新しい取り組みを示す
     
    社会貢献活動のメリット
    アメリカのCSR推進団体のBSRが4点を挙げる
    顧客のロイヤリティ、ブランドイメージの向上
    従業員のロイヤリティや生産性を高める
    企業の評判の向上
    新しい市場における社会的評価の拡大
    P230−233 社会貢献活動を実施する際のマネジメントのポイント8点
    P243−251 グローバリゼーションの負の側面

  • CSRに関する基本的な教科書。平易で読みやすい。特筆すべきは、CSRを評価する市場社会の重要性、ステークホルダーの存在意義が新たな発見でした。

  • [ 内容 ]
    会社は誰のものか、何のためにあるのか?
    グローバル時代の企業価値の本質を最新データとともに読み込む「CSR論の決定版」。

    [ 目次 ]
    第1章 「企業とは何か」を問い直す
    第2章 社会の中の企業
    第3章 企業評価基準の変化
    第4章 企業とステイクホルダーのコミュニケーション
    第5章 企業の社会貢献活動の広がり
    第6章 持続可能な社会経済システムを求めて

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • <pre><u><h4 Align="center">企業のはなし〜公器としての企業の行方〜</h4></u>
    <b>企業は、今グローバルに求められているCSRの課題
    を無視することは難しく、環境、社会面とかかわりあ
    う関係を抜きにして企業活動はありえない。グローバ
    ル時代の企業価値の本質をデータとともに読み込む、
    CSR論の決定版。</b>(TRC MARCより)

    資料番号:010944643
    請求記号:335.1/タ
    形態:図書</pre>

  • 結構わかりやすかった。

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著者プロフィール

谷本寬台(たにもと・かんじ)
早稲田大学商学学術院商学部教授。 一橋大学名誉教授。
神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了、経営学博士。
専門は経営学(企業と社会)。
主な著書に『企業と社会 ーーサステナビリティ時代の経営学』(中央経済社)、『日本企業のCSR経営』(千倉書房)などがある。

「2022年 『わたしたちの暮らしは世界とつながっている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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