日本企業のすり合わせ能力―モジュール化を超えて

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著者 : 柴田友厚
  • エヌティティ出版 (2012年1月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757122888

日本企業のすり合わせ能力―モジュール化を超えての感想・レビュー・書評

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  • 日本の製造業の強みを今後どう活かしていくべきかを提言していた本。

    ものづくりに関して、すり合わせ(インテグラル)型と組み合わせ(モジュール)型という2つの概念が存在し、日本はすり合わせを強みとしている。しかし、かつてすり合わせを強みとしていた製品がモジュール化する現象が起きている。例えば、テレビ。モジュール化する中で日本の強みであるすり合わせを活用するように筆者は提言している。モジュール化するということは共通基盤ができることになり、どこまでを共通化、標準化するのか、また他の製品(例えばテレビと携帯電話)との共通のプラットホームを築き、そして補完部品との拡張性を決定しデザイン・ルールを築く。どこまでを共通化するといった問題は難しく、部門間で異なる判断になりえるので、相互調整を必要とする。そこで、すり合わせにおいて培われた綿密な連携、調整力はモジュール化におけるデザイン・ルールを決める上で活用できると提言している。
    このような活用方法が今後の日本の製造業にとってはとても大切になるのではないかと思う。技術革新が起こり、部品数が減ればモジュール化しやすくなり日本の強みであるすり合わせが活用しにくくなる。多くの人はハイエンドな製品よりは標準的な製品で満足するから。そこで、モジュール化する中で今までの強みを活用することは今後のものづくり競争において大切になると共感した。

    しかし、この本は基本的にすり合わせの強みに焦点を置き、すり合わせの活用方法を書いたもの。ここで研究者としてのこの1冊を出版したなら提言よりはもっとすり合わせの弱みにも焦点を置き、すり合わせのメカニズムや組み合わせのメカニズムをもっと示すべきではないか疑問に思った。それらを読んだ上で、提言していくのはそれぞれの業界のプロフェッショナルではないかと思う。研究は過去のサイクル、仕組みを明らかにするもので、予言でなないと思う。

  • これからの日本のものづくりは、どの方向へ向かうのだろうか?この答えを示唆してくれる本。

    日本企業の根本的な能力とは「すり合せ」によるものづくりであり、それをいかに戦略的に強みとして取り入れるかが、国際経済の中で生き残るための手段の一つとなる。

    これを読めば、コモディティに陥ったり、ガラパゴスなどではない方向性で、まだまだ日本はやれる、そう思える。

  • これまで日本が台頭してきた製造業について、海外勢に遅れを取っている昨今、その原因を設計・開発手法と、組織構造にあると指摘。
    特に設計と開発の擦り合わせが必要であったこれまでのインテグラル型組織構造では、車産業、ブラウン管といった家電事業への力を発揮できたが、すりあわせのいらないデジタル製品においては、モジュール化が重要になってくる。
    しかしモジュール化についても、デザインルールの確立といった課題もあり、今後日本企業が生き残っていくためには、擦り合わせの能力をプラットフォームに使っていく必要があると筆者は指摘している。

    製造業における問題点について、非常に整理されており、ファナックやシマノといった企業の事例もわかりやすかった。

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日本企業のすり合わせ能力―モジュール化を超えての作品紹介

共通基盤化のデザイン・ルールをつくるためにすり合わせ能力を使う、という新たな方向性を提示。

日本企業のすり合わせ能力―モジュール化を超えてはこんな本です

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