人びとのための資本主義―市場と自由を取り戻す

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制作 : 若田部 昌澄  若田部 昌澄  栗原 百代 
  • エヌティティ出版 (2013年7月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757123076

人びとのための資本主義―市場と自由を取り戻すの感想・レビュー・書評

  • 前半は問題点、後半は解決方法という構成になっており、筆者の主張がわかりやすい。クローニー主義や生産性の向上に対応しない賃金上昇の実態などがわかりやすく述べられている。誰もが感じてい不平等感が明示されているといいかえてもいい。
    P175の農業の例のように、インセンティブとそれに見合う結果についての議論が最もおもしろかった。

    ボリュームがあるが読みやすい。

  • 業績主義が魅力だったアメリカの資本主義が、今では著者の故国イタリアのようなクローニイズム(縁故者びいき)の資本主義に堕してしまっているとし、その問題点と解決の方途を論じている。

    資本主義の真髄は「競争」にあるが、巨大な力を持ってしまった金融機関や、市場原理から乖離したロビー活動、補助金政治の肥大化など、公正な競争の機会を奪い、鈍化させ、パイを少数者に奪われる現代版クローニー資本主義は至るところにある。
    だからといって、資本主義自体を否定することは間違っていて、求められるのは、自由市場を破壊するのではなく救う方向へ向かう「市場派(プロ・マーケット)ポピュリズム」なのだと著者は言う。

    ポピュリズムという言葉が持つ否定的なイメージに対して、著者は「確かなポピュリズムの伝統がある国でのみ、ポピュリズム運動は急進的かつ非生産的な政策を避けることができる」(p. 163)とし、アメリカはそれができる国であるという。
    このあたり、アメリカが本当にそうなのかな?と疑問を持つが、人民の力を集結して立ち向かわない限りは、クローニイズムには勝てないという問題意識は理解できる。
    後者に勝つためには、市場経済の繁栄につながる社会規範・倫理を確立し、また、あらゆるデータを手に入れることであり、さらにそれらはポピュリズム的な動きがないと対抗する力となり得ない。
    ポピュリズムのうねりによって、たとえば、社会的規範を逸脱するロビー活動や過度の利得追求の行動を恥ずかしいと思わせ、クローニイズムの動きを是正させることができるからだ。
    ある意味、ポピュリズムが果たす役割は、クローニー資本主義を壊し、競争や業績主義に戻すティッピングポイントみたいなものを生み出すことだろうか。

    テーマのわりにとても読みやすい本。

  • 日本でもクローニイズムは強まり、官僚の裁量は増大しているというのは監訳の若田部昌澄の指摘。

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人びとのための資本主義―市場と自由を取り戻すの作品紹介

企業のためではなく、人びとのための資本主義を!

アメリカは、大企業のロビイストが政府と癒着し、人びとの富を収奪する「クローニー資本主義」(縁故資本主義)になってしまった。いまこそ一部の大企業のためではなく、人びとのための資本主義を再構築しなければならない。
気鋭の経済学者が、アメリカ資本主義の病巣を摘出し、市場をうまく機能させる経済システムを取り戻す処方箋を提示する。
資本主義の現在を憂慮するすべての人の必読書。

人びとのための資本主義―市場と自由を取り戻すはこんな本です

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