緊縮策という病:「危険な思想」の歴史

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制作 : 若田部 昌澄  若田部 昌澄  田村 勝省 
  • エヌティティ出版 (2015年9月18日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757123410

緊縮策という病:「危険な思想」の歴史の感想・レビュー・書評

  • 原題:Austerity: the History of a Dangerous Idea (New York: Oxford University Press 2013)
    著者:Mark Blyth(1967-)


    【NTT出版の紹介文】
     ギリシャは緊縮策で復活できるのか?!
      金融危機のあと、ケインズ政策が復活した。それまでの緊縮政策(財政健全化など)は、不況から脱出するためには最悪の処方箋だった。しかし緊縮の発想には長い歴史があり、何度でも復活する。
      本書は、緊縮を生み出した経済思想史から、大恐慌での失敗、現在の緊縮策まで幅広くカバーする。ギリシャ債務問題を考える上で必読の書。
    http://www.nttpub.co.jp/search/books/detail/100002357

    【目次】
    目次/凡例 [なし]

    序文 緊縮――個人的な体験 003

    第1章 緊縮・債務・教訓劇の初歩 010
    なぜ緊縮なのか?
    本当は公的債務危機ではない
    ビル・ゲイツ、債務に関する2つの真実、そしてゾンビ
    それでは「あのすべての債務」は重要ではないのか?
    債務とデレバレッジの分布?
    本書の要約

    第Ⅰ部 われわれはなぜみんな緊縮しなければならないのか?
    第2章 米国:大きすぎて潰せない?――銀行家・救済・国家批判 036
    発生源:レポ市場と銀行取り付け
    付帯損害(コラテラルダメージ):米国スタイル
    増幅器:金融派生商品(デリヴァティヴ)
    相関と流動性
    第1の目隠し テール・リスク
    タレブの黒鳥(ブラック・スワン)とファット・テール型の世界
    弾を数える
    第2の目隠し 金融思想の政治力
    古い指示書を引き裂く
    新しい指示書の問題
    金融の決算:総コスト
    大きすぎて潰せない?

    第3章 欧州:大きすぎて救済できない――永続的緊縮の政治学 076
    危機が欧州を襲う
    12カ月間だけのケインジアン
    ドイツ・イデオロギー
    歪んだ政治
    トロントへの道
    欧州PIIGS諸国の公的債務の問題:ギリシャ
    アイルランドとスペイン:不動産バブル問題
    ポルトガルとイタリア:低成長の危機
    混乱した相関関係と因果関係の混乱:緊縮が注目を浴びる瞬間
    近代史上最大のおとり商法
    EUとユーロ:遠すぎた橋
    ドイツに遅れずについて行く
    ユーロはなぜ通貨面での破滅装置になったのか
    すべてのモラル・ハザード取引の生みの親
    王様が小さくみえる
    付帯的損害――欧州スタイル
    民主主義下でも(ただし一時的になら)金本位制を運営できる
    しかし、なぜそうしているかについて真相を語ることはできない
    結論:ユーロの破壊とハイエクの悪夢


    第Ⅱ部 緊縮策に関するもう一つの歴史
    第4章・5章・6章に対する序論――緊縮策に関する思想史と自然史 134
    「他に選択肢はない」(TINA)では不十分
    緊縮に欠けている歴史と征服された過去
    緊縮政策の現在にかかわる異議申し立て

    第4章 「危険な思想」の歴史(1692-1942年) 143
    パート1 緊縮の古典的起源
    ジョン・ロック:「人類は地球の不平等な所有に合意している」
    ジョン・ロックが想像した市場
    ジョン・ロックが想像した国家
    デービッド・ヒューム:「公的信用は国家を破壊させるだろう」
    デービッド・ヒュームは債務に絶望する
    アダム・スミス:「債務の慣行がそれを採用したすべての国を次第に衰弱させてきている」
    アダム・スミスの生産的吝嗇
    スミスは(不本意ながら)国家を持ち込む…
    ロック、ヒューム、スミス:デフォルトで緊縮をもたらす
    パート2 緊縮の台頭
    痛みの増大:緊縮と近代国家との出会い
    新自由主義とネ... 続きを読む

  • 20151224~20160126
    著者はおそらくケインジアン、そしてSW世代。『新自由主義(ネオ・リベラリズム』≒緊縮策に対して、理論的思想的歴史的な検証を行いつつ批判、論破している。ではどうすればよいのか?TBTFな銀行はつぶしてしまうべきなのか?規制を強化すべき?
    将来への提言、という観点からはちょっと弱いかと思う。
    それでも、最新の経済思想の潮流が緊縮一辺倒ではなくなっている事情をきちんと追っているのは素晴らしい。

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緊縮策という病:「危険な思想」の歴史の作品紹介

金融危機のあと、ケインズ政策が復活した。それまでの緊縮政策(財政健全化など)は、不況から脱出するためには最悪の処方箋だった。しかし緊縮の発想には長い歴史があり、何度でも復活する。
本書は、緊縮を生み出した経済思想史から、大恐慌での失敗、現在の緊縮策まで幅広くカバーする。ギリシャ債務問題を考える上で必読の書。

緊縮策という病:「危険な思想」の歴史はこんな本です

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