政局から政策へ―日本政治の成熟と転換 (日本の〈現代〉 3)

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  • NTT出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784757140943

作品紹介・あらすじ

歴史の流れと政治の変化を20年のタイムスパンで振り返る。

感想・レビュー・書評

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  • <内容>
    官僚内閣制から首相府行政型へのパラダイムシフトが起こりつつある事を、記述した作品。

    <感想>
    飯尾潤先生にしては、いささか記述によりすぎた感が否めない。確かに「政策過程」が変容しつつあるのは分かった。が、なぜ変容したかについては様々な要因が記述されているので、ややわかりにくい。

  •  過去20年の政治の分析からどのような過程で「政局から政策へ」流れがシフトしたのかを明らかにする。
     (齋藤淳氏の著作でもあるように)インフラ整備によって地元の農協や労組を票田とするシステム。官僚の力があり、政策を担い、党は政局をまわしていればよかったシステム。自民党長期化政権期間はこれらが安定していた。
     しかし、それらが崩れ、党の政策が政治の鍵となってくる。それに対応するためにはしっかりした信頼される「政策体系」が必要であると筆者は述べる。
     選挙、政策体系、政局の3つを切り離し考える政治の枠組みを転換し、いかにして有権者を説得させるか?政策体系を示す政権公約を磨き、総選挙による有権者の選択を実質的なものにしなければならない。
     多くの参考文献からなる学術書ではあるが、選挙でどこに投票したらいいかわからないような方におすすめ。有用なヒントを得られるかもしれない

  • 現・政策研究大学院大学教授の飯尾潤による現代政治過程論。

    【構成】
    第1章 戦後政治の成熟 到達点としての中曽根・竹下内閣
    第2章 自民党体制の構造と背景
    第3章 政策環境の変化と新しい課題の出現
    第4章 政治改革の定着 選挙制度改革と政党政治の再編
    第5章 行政改革と政治主導
    第6章 改革の折り返し点としての小泉内閣 小泉構造改革の意味
    第7章 政党間競争と政策体系

     ベストセラー『日本の統治構造』の著者・飯尾潤による「日本の<現代>」シリーズ第3巻は、1980年代後半から21世紀にかけての日本の国内政治過程である。

     「角福戦争」やら「三角大中」やらといった自民党戦国史が新聞紙上をかざった1970年代後半から1980年代はまさに「政局」の全盛期であった。そして、この派閥戦国時代を収めた竹下内閣から話は始まる。
     派閥間の均衡の上に成り立つ竹下内閣を55年体制下で形成されてきた「自民党政治」の1つの頂点と見なし、リクルート事件以後の政治改革路線との比較対象とすることは、さして目新しい話ではない。
     本書の狙いは、その後に続く非自民政権による混迷の「政治改革」と自民党の与党復帰の「政局」をだらだらと描くことではない。確かに1993年以後の「政局」は国民の政治家不信・官僚不信を決定的にしたわけであるが、第4章で展開される選挙制度改革と政党再編によって、有権者たる国民が政党政治家に「政策」での勝負を問う構図が醸成されていったことは、これまでそこまで注目されてこなかった。

     常に批判に晒される自民党政治であるが、非自民政権が点火した「政治改革」を自らのうちに取り込み、橋本行政改革を実行し、小泉構造改革へと至る道筋は確かに国民が求める「政策」による政治への環境を形成したことは間違いがない。

     著者には、次のステップとして国民がどうやって理性的に「政策」を検討するべきなのかという課題に是非取り組んでもらいたい。

  • [ 内容 ]
    歴史の流れと政治の変化を20年のタイムスパンで振り返る。

    [ 目次 ]
    第1章 戦後政治の成熟―到達点としての中曽根・竹下内閣
    第2章 自民党体制の構造と背景
    第3章 政策環境の変化と新しい課題の出現
    第4章 政治改革の定着―選挙制度改革と政党政治の再編
    第5章 行政改革と政治主導
    第6章 改革の折り返し点としての小泉内閣―小泉構造改革の意味
    第7章 政党間競争と政策体系

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  • 未読

  • 「日本の統治機構」の著者が86年の衆参同一選挙から今日までの政治の流れを分かりやすく解説。

  • 日本の政治の歴史がおおまかにわかります。
    日本の民主主義のレベルの低さがよくわかりましたよ…。

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